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148困ったときのラッキー協会


A国。

王は怯えていた。

双星によって王の地位から引きずり降ろされる。

誰も助けてくれない。

こんな・・こんなことがあっていいのだろうか?

こんこん。


兵士「王様、ラッキー協会を名乗る者が王への面会を求めておりますが・・」

国王「ラッキー協会?おお、すぐこちらへ!!!」

そうだ、きっとラッキー協会なら我を助けてくれる!


男「困ったときのお助け係。それがラッキー協会。」

国王「よく来た!お主だけが頼りなのだ!」

男「双星にしてやられたって顔だな。」

国王「そうなのだ。我は双星が恐ろしい!せっかく独立し、王制を取り戻したのに・・また失うのか!?」

男「ああ。放っといたら間違いなく双星は王制を廃止させ、共和制へ移行させるだろう。だがまだ間に合う!」

国王「双星の国民集権を復活させれば許してくれそうか?」

男「それは早かれ遅かれやることになるだろうな。だがそれだけではダメだな~。」

国王「策は?なにをすればいい?」

男「まず双星に手を出したら危険なのはわかるな?」

国王「よ~く身に染みた。」

男「だが双星ひとりで王制を廃止させることはできない。民衆を手なずけて王宮へ押し寄せるだろう。」

国王「その通りだ。」

男「だからアプローチを変える。民衆が革命を望まなければ双星とてなにもできない。」

国王「理論などどうでもいい!どうすればいいのだ?」

男「以前、双星によって人の入れない暴風地帯が入れるようになっただろう?」

男「そこの開発はうまくいっているかな?」

国王「それが中々うまくいかないもので、どこからか魔物が入り込んだり毒の沼など人の入れなさそうな場所があってな・・まだ一部しか。」

正直まだ2割ほどしか手を付けていない。

それでも鉱山やら開拓やらで恩恵はあるのだが・・費用も掛かりすぎてな・・


男「そこの開発を国民にやらせるんだ。実力のある国民が金を出したり、仲間を集めて魔物を退治したり。」

男「その代わり、成果を上げた者を貴族に取り立てる。」

国王「な!?貴族というのはそんな簡単になれるものではないのだぞ!」

男「その貴族様とやらは、王様が困ったときに助けてくれたのか?」

国王「・・」

男「民衆の中にも優秀な者がいる。だが誰が優秀かわからないだろ?これは人材発掘だ。」

男「それも国民の金でだ。王様のふところは痛まない。」

男「それどころか未開発の土地を開発すれば、税収もアップする。」

男「貴族に引き上げたやつの中から王様の役に立ちそうなのを手元に置き、あとは金を稼ぐ道具程度に思っていればいい。」

男「貴族でいるのを一代限りにすれば、使えないやつはやがて排除される。使えるやつは功績に応じて別途世襲を認めるなりすればいい。」

国王「・・ほう。悪くない話だ。」

男「民衆は目の色変えて元暴風地帯の開発をしに行くぞ。そうなりゃ革命なんてそっちのけだ。」

男「開発が終わったら、王様の政策は素晴らしかった。革命なんて必要ないな・・となる。」

国王「さすがラッキー協会だ!早速やろうではないか!」

男「待て待て。まだこれではうまくいかない。」

なんだと?


男「開発に参加するのは、金持ちや腕に自信のあるやつらだけ。殆どの国民には関係ない・・それじゃあダメだ。」

男「民衆がみんな楽しめるようにする。みんながこの開発に応援、協力するように仕向けるんだ。」

国王「なら投資だ!応援したいやつに金を出せるようにして、うまくいったら配当。」

男「お、いいねえ。」

国王「そうだ、誰が開発するか賭けられるようにもしよう!町の広場にでっかく開発状況を掲示して、酒を飲みながらああだこうだと語り合うのだ。」

男「さっすが王様。楽しくなりますよ。」

国王「はははなるほど、革命なんてやる雰囲気にしなければよいのか!双星のぽかーんとなる顔が浮かぶわい!」

男「相手の用意したルールで戦っても敗北は必至。王様の都合の良いルールで戦う、ということです。」

男「我らラッキー協会は王様の味方です。いつでもお困りの時は駆け付けます。」

国王「うむうむ・・それよりどうだ?我に仕えぬか?報酬は望むだけやろう。」

男「ラッキー協会が天職なんで。悪いな。」

国王「いや無理強いするつもりはない。今後も頼むぞ。」

男「はい。では失礼。」

男は帰っていった。


国王「ふふふ、我は双星の計画を超えた!王様素敵!王様最高!!王様楽しい!!!」

こんこん。


兵士「王様、ラッキー協会を名乗る者が王への面会を求めておりますが・・」

国王「おや?なにか忘れ物かな・・よいよい、ここへ案内しろ。」

兵士「はっ。」

しかしやって来たのは・・先ほどとは違う者だった。


佐藤「お初にお目にかかります。ラッキー協会の佐藤と申します。」

国王「佐藤殿じゃな。さっき来たラッキー協会の別の方かの?」

佐藤「さっき?」

国王「いやだから、双星対策の話をした・・」

我は、先ほどの話をしてやった。

こやつ・・男なのか女なのかわからぬ姿をしておる。


佐藤「この案には欠点があります。」

国王「欠点!?どこにだ?」

佐藤「貴族になれるとみなさん喜び勇んで参加した開発。その結果どうなると思いますか?」

国王「国民の金で土地が開発され税収が増える。優秀な者はさらに出世させ国民のために働いてもらう。いいことずくめだ!」

佐藤「私には別の未来が見えます。なぜか開発に双星さんが参加していて、元暴風地帯の勢力図が双星さんで埋め尽くされるという未来が。」

国王「・・あ、我もその未来見える・・」

そうだ。あの双星が参加したらどんな結果になるやら!

暴風地帯はこの国の3割の国土・・一部は既に国が開発しているからあと2割強といったところか・・

それを双星が全部支配したら・・なんと恐ろしい!!!


佐藤「制限を入れましょう。ルールとして、双星さんがすべてを支配できなければよいのです。」

国王「ルールか・・例えば?」

佐藤「国民であることを参加資格にするのです。開発の功労者は貴族にするのでしょう?外国人がこの国の貴族になるのはよろしくないかと。」

国王「なるほど。」

佐藤「公務員は参加できないようにする。本業がおろそかにしないように・・との名目でよいかと。」

佐藤「双星さんは外国人で公務員ですから。どちらのルールでも参加できなくなります。」

国王「両方取り入れよう。どちらももっともな話だ。」

佐藤「しかし単に禁止するのではいけません。賭けを行う国民は思うでしょう。”なぜ双星が参加できないのか?”」

佐藤「勝てる人に賭けたいと思うのは当たり前です。その最有力候補である双星さんが出なければ、国民は不満をいだきます。」

国王「だが双星の参加を認めたらどんな結果になるか・・」

佐藤「なので、制限です。特別枠を作りましょう。一部の場所のみ外国人や公務員でも参加できるようにするんです。」

佐藤「それなら双星さんは参加でき、それでいて独占される恐れは無くなります。事情を話せば国民も納得するでしょう。」

佐藤「一部外国人貴族が生まれますが、わかっていれば恐れる必要はありません。外国人だと公表しておけば、みんなの監視で悪さはしにくいでしょうし。」

なるほど。数も少なく正体がわかっていればそんなに恐れることもないか。

悪さをしたら、それを理由にはく奪すればよいだけの話だ。


国王「なるほどなるほど、お主の言うことはもっともだ。」

佐藤「お役に立てたのなら幸いです。」

国王「ここまでしてくれたのなら褒美を与えんとな!」

佐藤「いえ、その必要はありません。」

国王「・・のう、なぜお主らラッキー協会は我を助けてくれるのだ?見返りもなく・・」

佐藤「王様が国民のために身を粉にして尽くしてくれるのなら、国民も王様のために尽くすのが当然です。」

国王「はは、ちょっと照れくさいな。」

佐藤「いつもがんばっている人の前には、ちゃんと助けてくれる味方が現れるものですよ。」

国王「・・そうだな・・心に響くいい言葉だ。」

まだ我は終わってなどいない。

信じてくれる国民がいる限り!


・・

・・・・


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