131ミルカさんがA国へやって来た
双星「ミルカさん。」
ミルカ「突然すまない。実は休暇をもらってな、A国へ観光に来た。」
ミルカ「・・が、A国には詳しくなくてな。お前に観光案内を頼みたい。」
双星「あのー、俺、A国に来て1年経ってませんし、観光したこともないんですけど・・期待に沿えるとは・・」
ミルカ「普通に観光するならプロを雇う。女心を察してくれ。」
え?それってつまり・・どういうことだ?
ヒミカ「そうそう、このA国では、C国の人間がE国の人間とイチャイチャすると死刑になるから。よく覚えておけ。」
ミルカ「女の嫉妬は醜いぞ。」
おや?ヒミカさんとミルカさんの間に火花が見えるけど、気のせいかな?
あと男の嫉妬も醜いと思います。
火花「火事には気を付けてね。」
視線がぶつかってできる火花じゃ火事にはならないかと。
・・
・・・・
イチャイチャはともかく、A国の案内は引き受けた。
せっかく来てくれたし、魔王戦のときはなにももてなせなかったからね。
双星「観光するにしても、ミルカさんはどういうのに興味がありますか?」
ミルカ「仕事も趣味もあまり変わらん。だがあたしはC国の軍人、軍事施設へ行くわけにはいかぬ。」
ミルカ「双星はA国でどんなところへ行った?」
双星「俺がA国に来たら武闘大会がちょうど開催されるタイミングだったんです。なのでまぁ、宿や闘技場ですね。」
ミルカ「では知り合いもできたか?」
双星「はい。皆さんいい方で、A国は居心地がいいです。」
ミルカ「怖い女はいるようだがな。」
気の強い女の子が多いです。
昔は清楚なお姫様が好きだったけど、好みは変わると思いました〇
双星「他の国と違って、見下されることはなかったです。」
ミルカ「お前を見下すやつなどいないだろ。」
双星「・・俺、A国に来るまで貧乏旅行を何年もしてたんです。」
双星「ドブ掃除やお墓の穴掘りとか、人の嫌がりそうな実入りのいいアルバイトをしてその日暮らし。」
双星「そんな人間なんか、扱い悪いですよ~。」
ミルカ「意外だな・・A国でそれが変わった?」
双星「なんでかわからないんですが、なにをしてもうまくいくんです。というか、なにもしなくてもうまくいったり。」
ミルカ「・・いつから?」
双星「うーん、ぶつかって逃げた男がいたから石を投げたら偶然当たったときかなぁ。それとも武闘大会の予選でなにもしてないのに勝ったとき?」
ミルカ「そのときからの知り合いは?」
双星「え?えっと・・逃げた男のときにヒミカさんと知り合って、その後の武闘大会の予選で受付のおねーさん。」
ミルカ「受付のお姉さん?」
双星「大会で受付やったり、試合の実況やってくれる受付嬢さんです。」
双星「ヒミカさんとも知り合いなのもあってか、大会後もたまに会います。まぁ厄介事を持ち込んで来る人ですけどね。」
ミルカ「へぇ・・闘技場の見学はできるか?」
双星「どの闘技場がいいですか?俺が武闘大会に参加した闘技場は壊れて修復中です。」
決勝戦で隕石が落ちたから・・
ミルカ「その受付嬢がいる闘技場がいい。挨拶くらいしておきたいな。」
いいですけど・・どこにいるんだろう?
ヒミカさんに聞けばわかるかな。
・・
・・・・
ヒミカさんに聞いて、受付のおねーさんのいる闘技場へ向かう。
ただ、なぜかヒミカさんもついてきた。
双星「ヒミカさんも受付のおねーさんに用事ですか?」
ヒミカ「いや、ミルカ殿に聞きたいことがあってな・・」
ミルカ「なんだ?機密でなければ構わぬが。」
ヒミカ「ラッキー協会というものについてなにか知らないか?C国で10年前に活動していたらしい。」
ミルカ「知らないな。第一10年前といえば、あたしはまだ子供だ。」
ヒミカ「そうか・・ま、幸運を与えるという眉唾組織だからな。」
ミルカ「・・待て、幸運だと?」
ヒミカ「ああ。なにか知っているのか?」
ミルカ「・・いや・・ただ、10年前といえば・・クーデターが起きたな。」
ヒミカ「知ってる。その騒ぎのおかげでA国は独立できたのだからな。」
ミルカ「そのラッキー協会は関係しているのか?」
ヒミカ「わからん。だが10年前のC国と、70年前のA国でなにかがあった可能性がある。」
ミルカ「そのラッキー協会というのはどこにあるのだ?」
ヒミカ「まったくわからん。突然現れては変な話をして帰っていくだけだからな。」
ミルカ「10年前と70年前・・」
双星「ミルカさん、顔色が悪いですよ。」
A国に来て体調崩した?
ミルカ「いや・・なんでもない。10年前C国でクーデターを起こしたのはな、あたしの父なんだ。」
双星「えええ!?」
ヒミカ「C国では身内に反逆者がいたのに軍で働けるのか?」
ミルカ「反逆者の親族は処刑か国外追放となる。が、王が頑なに反逆ではないとしてくれたのだ。」
双星「クーデターは誤解だったんですか?」
ミルカ「クーデターはした。当時は高い功績を考慮してくれたと思っていたが・・だがあれは反逆ではなかったのだ。」
意味がわからない。クーデターやったけど反逆者じゃないとか難易度高いよ。
ミルカ「父は今でもあたしの誇りだ。あたしも父のように王のため国民のためになにかしたい。」
ミルカさんは、胸元からロケットを取り出した。
ミルカ「父だ。いつもあたしのそばにいる。」
双星「かっこいい。」
イケメンだ!
ヒミカ「尊敬しているのだな。少々うらやましい。」
ミルカ「ヒミカ殿の父は?」
ヒミカ「母のいいなりだ。良い父ではあるが、尊敬はちょっと・・」
ミルカ「生きているならそれでいいではないか。」
ヒミカ「ああ。」
双星「あ、着きましたよ。受付のおねーさんのいる闘技場はここですね。」
この闘技場・・賞金1億の大会で使われてたところだ。
・・
・・・・




