130【報告】
天井さん、壁さん、カーペットさん、玉座さん。
いつも助けてくれたのに、なんで今回は助けてくれないの?
玉座の間へ行ったけど、なに話せばいいのやら。
国王「まずは改めて・・双星よ、遠くまで任務ご苦労であった。」
国王「なぜか治安のよくない状況だったらしいが、そんな中でもやるべきことを忘れず誠実に取り組んだであろう。」
国王「お主のような者がいて、我は誇りに思う。」
内戦に参加していました。
反省しているから許してください!
国王「では早速話を聞・・こうと思ったが、いや実はな、インスの報告を聞いてインスピレーションが湧いてきたのだ。」
インスでインスピレーションですか。
うーん、5点!(100点満点中)
国王「国民にすべての権力を集める”国民集権”・・素晴らしい!さすが双星だ。」
いやまぁ、先輩が原案なんですけどね。
国王「それに以前話してくれたな。報道と王制と国民による監視体制の話。」
国王「国民が報道を監視するとは、お主の言ってる国民集権に近い考えに思える。」
そういやそんな話もしたっけ。
国王「そうそう覚えているか?王制と民主制を交代で運用するという案を。」
国王「すべては国民のための制度として双星、お主が考えてくれたことだ。」
うーん懐かしい。忘れていました。
国王「インスの報告で閃いたのだ。今こそ双星の案がひとつの形になるときだと!」
国王「政治、報道、教育、司法、経済、医療、宗教・・各権力にそれぞれ選挙で国民の代表を割り当て管理させる。すべての権力を国民が持つ、国民集権!」
国王「王制と民主制の交代制政治!」
国王「これらを実現させた新たな政治形態を作り、今まで以上に国民が暮らしやすい国にしていくつもりだ。」
おお、よくわからないけど凄そう。
国王「我は今日までの歴史の失敗を調べ直してみたのだ。するとどうだ、完璧な制度な存在しないことがわかった。」
国王「歴史に残るすべての制度が失敗している。ならば完璧を望むのであれば、新たな制度が必要になることは必至。」
国王「そして歴史の失敗による結果はすべて国民を不幸にしている・・一部の権力者による被害は国民へと波及されるのだ。」
国王「だが誰かが権力を持たなければならない。権力を持ち統制する者がいなければ国としての体を成すことはできん。」
国王「では誰が持てばいい?王か?優秀な者か?平凡な者か?どれも違う。」
国王「誰もが欲を持つ。王であろうと、優秀な者であろうと、平凡な者であろうと同じだ。」
国王「権力は欲をかき立てる・・やがては権力を独占していく。そして結果国民が不幸に・・」
国王「ならば!国民全員が権力を所持するようにすればよい。双星、お主の言う通りだ。国民集権こそ国民が国民のための国へと導いてくれる。」
眠くなってきた。
長いなぁ・・楽しい話なら別だけど、つまんない話だよ。
国王「おっと、ここまで案が出来てしまっては、双星から話を聞く必要もなくなってしまうなー。あーこれはしまったー(棒)」
ん?もしかしてこれは・・報告しなくていい流れ!?
このチャンスを逃してはならない!乗るしかない、ビッグウェーブに!
双星「国民のためにそこまで考えているとは、さすが王様です。国民は果報者でしょう。」
双星「どうやら私の報告は不要のようですね(にっこり)」
国王「ご苦労であったな。疲れただろう、ゆっくり休み、またいつも通り頼むぞ(にっこり)」
王様優しい。
いい王様だなぁ。
・・
・・・・
双星「王様のおかげでなにも報告しなくて済みました(にっこり)」
ヒミカ「これは恐らく先に意見を言うことで、相手の意見を封じようとした・・ということっぽいな。」
インスペクター「否定や反対されにくくするために、双星殿の案を使っていますね。自分の意見にはバイアスかけますから。」
ヒミカ「だが急場しのぎ感が強かったな。演技しているのがすぐわかった。」
インスペクター「さすがに時間不足でしょう。しかしこれがラッキー協会の案なのでしょうか。」
ヒミカ「・・」
軍人さんって、なんでもないことをここまで真面目に考えるの?
インスペクター「そもそも双星殿は話す内容を決めていなかったのですから、王はこの様なことをする必要はなかったかと。」
ヒミカ「・・逆かもな。ラッキー協会は王のために行動したわけではないのかも。」
インスペクター「と言いますと?」
ヒミカ「それによって誰が得をした?」
インスペクター「王ではないですね。ラッキー協会はどの様な報酬を得たかにもよりますが。あと・・双星殿・・」
ヒミカ「そういえば、報告する手間が省けたようだな。」
双星「え?あ・・まぁ、はい。」
ヒミカ「お前には味方が多かったな。支持者が1万人王宮に押しかけたり。」
おや、冤罪の予感。
ヒミカ「取調室だな。」
双星「かかか完全に誤解ですよ!」
ヒミカ「そうかもな。だがそうではないかもしれん。」
双星「調べてもなにも出ませんって!」
ヒミカ「お前が単独でこの国に来ていたから無意識に除外していたのかもな・・今までの非常識なほどの活躍には仲間がいた可能性があったのに。」
ヒミカ「なに、調べればわかるかもしれないだろう?だが調べなければわからないままだ。」
冤罪としか・・待てよ、俺の知らないところで誰かが暗躍してくれた可能性がある・・?
兵士「双星殿、C国のミルカ殿が面会に来ています!」
双星「ミルカさん?」
何の用だろう?
ヒミカ「取り調べは延期だ。」
双星「中止の方向でお願いします。」
ヒミカ「延期だ。」
しくしく。
インスペクターさんが、すまないなと同情してくれた。
・・
・・・・




