129久しぶりのラッキー協会
到着。王城。
双星「まだ考えがまとまってないから後日ね♪」
これでイケる!・・いけるよね?
内戦ばっかりで任務サボってましたなんて言ったらどうなることやら。
旅費とか滞在費とか出してもらって違うことしてたなんて・・ああ怒られたくない。
俺は嫌々中に入った。
双星「・・あ、ヒミカさん。インスペクターさん。」
ヒミカ「双星、報告か?」
双星「ま、まぁそんなところです。」
インスペクター「王は・・ラッキー協会の者と会ってる。」
双星「ラッキー協会?えーっと、王様・・幸運がほしいの?」
インスペクター「そういうわけではないのだが。」
双星「どっちの方?おっさん?佐藤さん?」
ヒミカ「恰幅のいい年配の男だ。」
双星「じゃあ佐藤さんもその後に来るのかな?」
インスペクター「どういうことだ?」
双星「ラッキー協会を名乗る人って何人かいるんですよ。」
双星「で、ラッキー協会のおっさんが来た後は、必ずラッキー協会の佐藤さんって人が来るんです。」
佐藤「おや?もしかして私の話をしていましたか?」
噂をすれば、ラッキー協会の佐藤さん!
双星「うわぁ久しぶり!」
佐藤「お久しぶりです。双星さんの噂はよく聞きますので、あまり久しぶりという感じはありませんが。」
確か前回は・・・・あれ?俺の幸運を取り上げる話をしてたような・・?
双星「あの・・幸運・・無くなっていないみたいですけど・・」
佐藤「手続きに時間がかかるんです。もう少しお待ちください。」
手続き大変なのかな。
なら仕方ない!
ヒミカ「お前たちは一体なにを企んでいる!お前は他のラッキー協会を偽物だと言いながら、必ず出てくるタイミングが同じだ。」
ヒミカ「無関係とは言わせぬからな。」
佐藤「知りたいのなら全部お話しても構いませんよ。近々イベントがあるので私の主はそちらに興味をとられていまして。」
佐藤「今は結構自由が利くんです。ただ・・知った後で後悔しても責任は取れませんが。」
ヒミカ「どういうことだ。」
佐藤「10年前にC国、70年前にはA国ですべてを知った方がおりまして・・その後すぐお亡くなりになりました。」
ヒミカ「脅しか?」
佐藤「ご自由に判断してください。双星さんは知りたいですか?あなたの幸運についてすべてを。」
双星「・・・・んー、知らない方がよさそうなので知りたくないです。」
佐藤「あなたならそう言ってくれると思いました。」
そう言って佐藤さんはにこっと笑った。
相変わらず性別不詳な顔立ちだ。
俺もつられてにっこり笑う。
インスペクター「割って入ってすまない。双星殿が今までやって来たのは、幸運の力によるものなのか?」
佐藤「はいそうです。よく考えてください、双星さんの周りで常識ではありえないことが起きませんでしたか?」
インスペクター「・・暗闇で完璧に敵の位置を割り出した。」
佐藤「他には?」
インスペクター「オルトロスの火炎ブレスが直撃したはずなのに無傷だった・・」
佐藤「すべて幸運の力ですよ。双星さんはなにをしても絶対に成功する状態です。」
インスペクター「そ、そんなものが本当に・・あるのか・・?」
インスペクターさんが俺を見る。
双星「俺からすると、全部偶然うまくいってるんです。たぶんそれが幸運なんだと思います。」
幸運というか強運というか。
インスペクター「信じられん!人の力ではない!」
佐藤「もちろん人の力ではありませんよ。」
インスペクター「まさか、神の力・・?」
佐藤「違います。いえ厳密にいえば神の力の一部を利用しているとは言えますが。」
インスペクター「なぜ双星殿なのだ?選ばれる理由はあるのか?」
佐藤「以前、目立って優秀な方に幸運を授けたら、主の存在を突き止めてしまった方がいたのです。もちろん、すぐ亡くなりましたが。」
佐藤「それが10年前と70年前です。」
佐藤「主は考えました。なら平凡な人間に与えてみよう・・と。それだけですよ。宝くじの当選と同じようなもの・・すべては、偶然という名の運命です。」
インスペクター「・・」
佐藤「なーんて、面白かったですか?」
インスペクター「・・は?」
佐藤「全部冗談ですよ。幸運なんてあるわけないじゃないですか。」
インスペクター「だ、だが、貴公はラッキー協会の人なのだろう?」
佐藤「嘘付き協会なんて名前で嘘を言ったりしないでしょう?泥棒が泥棒とわかる見た目をしないのと同じです。」
佐藤「いやあんまり皆さんが本気で信じるからつい調子に乗ってしまいましたよ。」
ん?つまりどういうこと?
双星「今までの話って全部ウソだったんですか?大会中の話も全部。」
佐藤「はい。まさか信じるとは思いませんでした。」
ヒミカ「う、嘘だという証拠はあるのか!?」
佐藤「あります。武闘大会中、私が初めて来たとき言いましたよね?国王に依頼されて来たと。」
佐藤「調べて下さればそんな事実はないとわかります。本当にすみませんでした。ここまで信じられてしまい、嘘だと言いづらくなってしまって・・」
ああ、それはわかる。
早目に言わなきゃいけないけど、本当のことは中々言いづらいとかあるある。
ヒミカ「貴様!今更嘘でしたで済むと思っているのか!」
双星「まぁまぁヒミカさん。ここまで見事に騙されたんですから、芸人ならおひねりもらってもおかしくないくらいですよ。」
ヒミカ「・・だとすると、お前も嘘を言ってたことになるな。偶然などやはりなかったということだからな!」
ヒミカさんが今までにない鋭い目で睨んできた。
・・いやおかしいよそれ。だって本当に今まで全部偶然うまくいってただけだし。
双星「俺は嘘言ってませんよ。本当に偶然うまくいってるんです!」
ヒミカ「インス、こいつらを取調室へ連れて行け!」
インスペクター「え・・あ、はい!」
佐藤「私はこれで失礼します。」
双星「あ、佐藤さん逃げた!逃げ足早い!」
だが俺には人がどこにいるか探知する能力がある!
E国でできるようになってから、ずっとそのまま!
・・あれ?
佐藤さんがどこにいるかわからない・・
他の人はわかるのに。
例えば王様がこっちに近づいて来てるとか。
国王「お、双星来たか!任務ご苦労であった。ささ、玉座の間で報告を聞こうか。」
・・あ、そのために来たんだった!
玉座の間とか大げさじゃないかな。詳細は後日!って言うだけなのに。
男「じゃオレは帰る。まあまあなケーキだったな。」
国王「また頼むぞ。」
男「暇ならな。」
双星「あれ?ラッキー協会の・・」
いや待って!この人の居場所も探知できない!
ど、ど、どういうこと?誰か説明!
男「(気が向いたら教えてやるよ)」
男はぼそっと俺にだけ聞こえるように言い帰っていった。
え?え?え?
俺喋ってないのに。こういうときは、天井とか床とかが説明してくれてたけど・・
天井「・・」
床「・・」
2点リーダー出すなら喋ってよ!
国王「では玉座の間で待っているぞ。早く頼むな♪」
機嫌よく王様は行ってしまった。
双星「なにも話すことないんだけど><」
ヒミカ「ありのまま話せばいいだけだ。見たこと感じたことを話すだけでいい。」
・・内戦しか思い出せない。民主主義の欠片もなかったよ!
双星「内戦しかしてないから・・さっぱりです。民主主義なんてどこにもなかった・・」
ヒミカ「幸運でなんとかしろ。」
双星「あれ嘘話でしょ!」
インスペクター「とりあえず、王様をあまり待たせないようにな。」
双星「なにも言わなくても済むよう誰かヘルプ!」
ヒミカ「はいはい。」
ヘルプ!
ヘルプ!!!
・・
・・・・




