124ファアウェイ革命軍
ここ・・か。
結構な要塞にしてある。
双星「あの、こんにちは。」
門番「怪しい奴!」
門番「住所氏名年齢電話番号番組の感想を言え!」
双星「A国から来た双星です・・電話番号?番組ってなに?」
門番「何しに来た!?」
双星「用件はふたつ。政府軍の将軍が寝返りました。そこで、みんなで協力した方が被害も少なく革命が成功すると思いまして。」
双星「あと、俺の仲間がこちらに捕まっているそうなので、解放してもらいたいです。」
門番「ジェノア様に聞いてくる!そこで待て!」
双星「はい。」
簡易お茶セット持ってきてるので。
・・ここのリーダーさんはジェノアさんって言うんだ。
お茶を飲みながらのんびりくつろぐ。
門番「許可が出た!入れ!」
双星「はーい。ありがとうございます。」
話が早いっていいね。楽だ。
・・
・・・・
ジェノアさんは、結構がっちりした男の人だった。
かわいい女の子じゃないのか・・
ジェノア「うちを偵察してたバカ共を返してもらいたいそうだな。」
双星「はい。あと革命軍同士協力しましょう。」
ジェノア「ふむ。ついて来い。」
え?どこへ?
・・
・・・・
地下みたいだけど・・
ジェノア「ほら、そこにいるぞ。」
そこ?地下は暗くてわかりにくい・・
ぐにゅ。
・・あれ?なんか踏んだ?
・・ん?
・・これって・・
双星「!?!?!?!?!」
双星「!<●> <●>?」
双星「? △ !」
双星「?!?!?!?!?」
し、死体!
ジェノア「そいつらは嘘つきだ。嘘つきは赦されざる大罪。醜く、愚かで、真実を覆い隠す。」
ジェノア「そこで第一問!革命が成功したら、お前はこの国をどうしたい?」
いきなり質問?
嘘はダメなんだよね?ありのまま・・ありのままってどんなだっけ?
俺は・・なにをしたいんだっけ?どうしたいんだっけ?
双星「国民が幸せになれる国にしたいです。」
ジェノア「第二問!無能な国民は誰かが導かなければならないと思うか?」
双星「それは法の役目だと思います。人の物を盗んではいけない。人を騙してはいけない。人を殺してはいけない。」
双星「法とは人に課せられるもの。それは人が無能であるが故に必要な共通ルール。」
双星「人を騙して儲けるなんていけないこと。でもそれがわからない人もいるんです。」
双星「法は間違った道を消すことで、残った正しい道を自由に選べるようにしてくれます。いえ、そうでなければならないかと。」
ジェノア「第三問!では誰が法を作るべきか?法が国民を導くのなら、法を作る者こそ国民を導く者であろう。」
双星「その法で国民が幸せになれるか考えられる人だと思います。」
双星「国民の望むことが正しいとは限りません。もし国民が善人を殺すことを許容しても、認めるわけにはいかないでしょう。」
双星「ある視点では正しくても、違う視点では正しいとは限りません。馬車が人をひき殺すことは悪でも、馬車を規制したら市場から物がなくなります。」
双星「全ての道の先に国民全員の幸せが必要なんです。一部の国民の幸せではいつかまた革命に進んでしまいます。」
ジェノア「・・では、お前が国民を導く者になるべきか?」
えっと、確か先輩のノート持ってきてたよね?
双星「俺は・・今回A国から派遣されてきたから・・そこまでする余裕はないんです。たぶん革命が終わったらすぐ戻らないと・・」
双星「無責任だと思うけど、俺はそんな、なんでもできる人じゃなくて、むしろ無能というか・・」
双星「でも先輩が・・革命の途中で亡くなっちゃったけど、その人が本気でこの国の未来を考えてノートに残してくれたんです。」
双星「国民主権では一部の国民が権力を握ってしまうって。だからすべての権力を国民が持つ、国民集権にしなければならないって。」
ジェノア「・・場所を変えよう。」
え・・もしかして、ここよりもっとひどい場所に連れていかれるとか・・
ごごご拷問部屋とか?
・・
・・・・
変わった拷問部屋だなぁ。
案内されたのは、一見応接室のようだった。
ジェノア「そのノートとやらを見せてみろ。」
双星「は、はい。」
おずおずと、ノートを差し出す。
流れるようにペラペラを見ただけで、ノートを突き返された。
ジェノア「子供の落書きだ。権力を持つ機関のトップに国民が選んだ者を据えるとか、誰でも思いつく。」
双星「国民が選ぶんですから、誰でも思いつくようなわかりやすいものじゃないとダメだと思います。」
双星「分かりにくい制度では国民は本気で考えません。そんな制度では一部の人が権力を握ってしまいます。」
ジェノア「与える権力に、組織の解体、情報の請求、情報の公開、組織員の解雇、資産の凍結、資産の没収・・」
ジェノア「政治家があの体たらくだ。どうせこれも国民の望まないことしかやらない。」
双星「政治家は当選前に公約を出しますよね?こっちは公約を必須にするんです。これはやる、これは絶対やらないとか。それを守らなければ罰せられるくらい絶対のものを。」
双星「公約通りのことをするなら国民の意思が反映されますよね?」
ジェノア「候補者全員がアホみたいな公約しか出さなかったら?誰も選びたくないけど誰か当選しちゃうだろう?」
双星「一定数の票をとれなければ誰も当選しなくていいと思います。政治家は別でいるんですし、国民がどうしても望んだとき限定の大ナタ役であればいいかと。」
双星「不幸だ。政府役人は一部の権力者ばかり優遇・・なら革命だ!・・ではなく、そんなときにこの制度が活用されればと思っています。」
ジェノア「・・命を狙われるかもしれない危険な仕事だな。しかも公約を守らなければ罰せられる。誰がこんなのに立候補する?」
双星「え・・えっと、国を愛する人とか・・?」
制度が厳しすぎる?そこまで考えてなかったよ・・先輩のノートにもそこまで載ってなかったし・・。
ジェノア「なんとかして追い落とそうとする勢力が生まれそうだなぁ。」
ジェノア「任期を終えたら公約と照らし合わせられ、守れていなかったらはい逮捕、か?バカじゃねぇの。やりたくねえよそんなの。」
双星「あぅ・・」
ジェノア「任期終えたら次の投票あるだろ?そんとき国民に仕事っぷりを評価してもらうってのはどうだ?」
双星「へ?」
ジェノア「で、国民に仕事を認められたら勲章をもらえる。認められたら罰とかは無しだ。」
ジェノア「国民によって選ばれ、国民によって仕事を評価され、その結果勲章だ。民主主義にふさわしい栄誉の勲章だと思わないか?」
双星「え、あ、はい。」
ジェノア「まだまだそのままじゃ使えねえ案だ。もっと抜けを無くして、良い案にしないとな。」
双星「は、はい!」
もしかして認められた?ノートちゃんと見てないような感じだったのに。
ソファー「あれ速読。めちゃ読むの速いよ。」
速読・・聞いたことあるけど、本当に存在したのか!
・・うらやましいなぁ。興味はあるんだけどね、なんか難しそうで。
ジェノア「まだうちと協力する気はあるか?」
双星「は、はいもちろん!お願いしたいです!」
同志「ジェノア様、こんな優男の口車に乗せられてはいけません!我々こそ真の革命者、よその奴らと一緒になっては革命の名が汚れます!」
ジェノア「こいつは嘘を言っていない。心からこのE国を良くしようと思ってる。」
同志「しかしA国から来た外国人ですよ!ここはE国。E国民によってすべて決められるべきです!」
双星「あ、説明が足りなくてすみません。生まれも育ちもここ、E国です。今はたまたまA国に住んでて、A国王のところで働いているだけで、国籍もE国のままです。」
ジェノア「だとさ。これで文句ないな?」
同志「・・いえ、口だけの奴は認められません!双星とか言ったな、オレと勝負しろ!!!」
・・いや、その、おっちゃんかなりガタイよさそうなんですが。
完全に力負けしそう。
ジェノア「お前が負けたらおとなしく認めろよ。」
同志「命懸けて誓います!」
双星「あのー、こちらの方、どれくらい強いですか?」
ジェノア「この革命軍で2番目に強い。」
同志「敵はぶっ殺す!」
双星「あのー、棄権とかは・・」
ジェノア「断るなら革命の協力もなしだ。お前たちの革命軍も敵とみなす。当然お前も生きては帰れない。」
ジェノア「その場合は・・せめてもの情けだ。私の手で殺してやろう。」
同志「ジェノア様は革命軍最強、いやこの国最強だ!だがお手を煩わせるまでもない、オレが貴様を殺す!」
ソファー「よけろ!!!!!」
ソファーの声に従い、ソファーから慌てて逃げ出す。
ふと俺が座っていたソファーを見ると、斧で真っ二つになっていた。
わー、でかい斧。
ソファー「分身の術!」
いや真っ二つにされただけでしょ。
ソファー「お前もオレと同じ運命を辿るのだ。」
やだ><怖いよ
同志「よけたか。だが逃げ足だけでは勝てないぞ。」
ジェノア「備品を壊すなよ。物は大事にしろな。」
同志「すみません。後で直しておきます。」
ガタイのいいおっちゃんが、針と糸でソファーを縫い直すのかな?
・・やばい、ちょっと笑えてきた。
同志「なに笑ってやがる!オレをバカにしてんのか!?」
はいそうですとは言えない!
死ぬのは嫌!逃げる!
つるっ。うわ、ここ滑る?
彡⌒ミ「また髪の話した?」
してません!
同志「死ねやクソガキ!!!」
もう29です!死にたくないです!
つるっ。
どってーーーーーーーーーーーーーん
同志さんが滑って倒れた。
ジェノア「・・」
他の同志たち「・・」
双星「あのー、大丈夫ですか?」
しかし返事はなかった。
・・まさか・・
呼吸を調べる。脈を調べる。
双星「よかった、生きてる。」
ジェノア「勝負あったな。起こしてやれ。」
周りの人が、同志さんに水をぶっかける。
同志「つめた!?・・な、なにが起きた・・?」
ジェノア「お前の負けだ。納得したか?」
同志「まだだ!!斧!斧!オレの斧は!?」
双星「あ、はいこれです。」
俺は斧を手渡した。むっちゃ重いこれ。
同志「あ、これはご丁寧に・・じゃねーよ死ねやゴラァ!」
つるっ。
どっちーーーーーーーーーーーーーーーーーん
同志「いつつ・・」
あごからいったよ・・大丈夫かなぁ。舌とか噛んでなけりゃいいけど。
ジェノア「同志よ。お前はこいつを口だけの奴だと言ったな?」
ジェノア「だが戦ってみればお前が一方的にやられているではないか。」
同志「こ、これは・・なんかここだけ床が滑って・・」
ジェノア「誰かが油を使って掃除をサボったんだろ。同志、お前は戦場でもそんな言い訳がましい戦いをしているのか?」
同志「あ・・いえ・・」
ジェノア「双星には、お前が気絶している間にいくらでも殺すチャンスはあった。だが双星は協力を望んでいるのであって、国民同士の殺し合いを望んでいるわけではないのだ。」
ジェノア「その気持ちを無視して殺そうとすることに大義はあるか?」
同志「・・ありません。」
ジェノア「突然やって来た双星を信用しろなど難しいかもしれん。だがわかろうとする気持ちは持ってくれ。」
同志「はい・・申し訳ありませんでした。どのような罰でもお受けいたします。」
ジェノア「双星は協力し合うためにやって来たのだ。お前を罰することなど望まぬだろう。今回は不問にする。」
同志「あ、ありがとうございます。」
俺不在の裁判。
ソファー「いい話風にまとめてるけどさ、偵察隊は皆殺しにしたよな。もうここも壊滅させようぜ。」
いや協力しに来たんで。
・・
・・・・




