表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/227

112第二回魔王戦


魔王を探して魔王城を走り回る。

いた!・・でも、もう復活しているような・・

どうする?先制攻撃する?


魔王「デス・ロード」

魔王の周辺から黒い棘のようなのが何本も現れ、俺に襲い掛かって来た!

先制攻撃された!


?「・・」

パキンッ。

が、俺の目の前で黒い棘のようなのは全部バラバラになって消えていった。

えっと・・よくわからないけど無事でよかった!


さてどうやって戦う?

俺の持ち物。

1.いつもの短剣。

2.ダークエルフさんに渡された魔法アイテム。

3.封印延長道具。

・・ダークエルフさんの魔法アイテムしかないか。


?「ファイアブラスト」

俺の目の前に炎が産まれ、魔王に向かっていった。


魔王「・・」

魔王が手をかざすと、炎は方向を変え壁を破壊した。

俺いつ魔法使った?いや魔法なんて使えないけど。

魔法アイテムが自動発動・・いや数は減ってない。

はっ、そうか。俺の真の実力がようやく発揮されたんだ!

俺は今、勇者として目覚めた!?


魔王「・・そこの隠れているやつ、出て来い!」

怒りかわからないが、魔王は低い声を荒げ魔法を放つ。

再び黒い棘が現れ・・いやさっきより数が多い?

パキンっパキンっ!


黒い棘はさっきと同じように、俺のすぐ近くでバラバラになって消えたが・・

何本か俺のすぐ後ろの影に突き刺さった。


?「・・さすがに気付かれていたか・・」

俺の影が喋った!?

俺の影がむくむくと膨れ上がり、人の形になった。

あれ・・この人どこかで見たような・・?


魔王「誰かと思えば、以前私に倒されたリカルドくんではないか。」

リカルド「いつまでも負けたままだと思うな。」

双星「誰?」

リカルド「人の国の大会で闘ったのを忘れたか?お前の暴走魔法にやられたリカルドだ。」

初めて聞く名前なんですが。

・・あ、思い出した!


双星「あれ、大会だと魔王って名乗ってたような・・?」

リカルド「なにをどう名乗ろうが勝手だろう。」

魔王「ははは、元魔王とでも呼んでやれ。私に勝てない愚か者だ。」

リカルド「黙れ!」

魔王「暴走魔法は防げるようになったのかな?」

リカルド「く・・・・こ、こいつならなんとかできるはず。」

え、俺?


双星「暴走魔法ってなに?」

リカルド「暴走魔法で我を倒したのだろう。記憶喪失かお前は!」

魔王「では防いでもらおうか。暴走魔法がどのようなものか知っていれば防ぐなど不可能だとわかるものを・・愚かな。」

魔王が詠唱を始める。


双星「なんで暴走魔法って制御できないの?」

リカルド「魔法とはそもそもマナ・・つまり精霊の力を借りている・・だが精霊の力を借りるのは非常に制御が難しい。」

リカルド「普通の魔法はわずかな力を借りるだけだが、暴走魔法は大きく精霊の力を借りようとする。」

リカルド「扱う精霊の力が大きければ、制御もより難しいものとなる。」

リカルド「暴走魔法は、敢えて制御しきらない。だがほんの僅かな命令・・例えば前方に威力を発揮させる・・それだけできれば自分に被害はなく敵を攻撃できる。」

リカルド「それを理論・実用化したものを暴走魔法と呼ぶ。」

双星「まったくわからん。」

まだ数学の授業の方がわかりやすいと思う。


リカルド「つまり、暴走魔法は極めて単純かつ繊細な制御を行うことで、威力を極限まで高められるのだ!」

リカルド「お前も使ってただろ!!」

そんなこと言われても・・偶然です。


魔王「説明ご苦労。じゃあ死んで。」

詠唱を終えた魔王が暴走魔法を解き放った。

ど、どう防げばいい?魔法には・・魔法で対抗するしかないか。


双星「えいっ。」

俺は魔法アイテムを使った。

暴走魔法と魔法アイテムがぶつかり合い・・周囲の感じがガラッと変わった。


双星「なにこれ?」

暴走魔法は防げたのかな?


魔王「・・複合精霊・・」

リカルド「は、ははは・・暴走状態のまま安定しているとは・・」

双星「どうなったの?」

リカルド「・・かつて、魔導を極めようとした人間たちが己の領域を超えた”魔力の支配”を行おうとした。」

昔話の予感。


リカルド「魔力とはマナ・・精霊によってもたらされる力であり、魔力の支配とは精霊の支配であった。」

リカルド「結果は失敗。独立して存在していた火や水、風や大地の精霊が混ざり合い、不安定な複合精霊が生まれた。」

リカルド「そして複合精霊は、世界を破壊し始めた・・」

リカルド「今はそれと同じ状態・・だが、混ざり合った精霊は安定している!」

リカルド「これこそまさに!かつての人間たちが望んだ姿ではないか!!!」

えーと、つまり・・???


双星「わかりやすい説明をお願いします。」

リカルド「魔力を支配したお前だけが魔法を使える。他の者は魔法が使えない。」

リカルド「魔法という強大な力を独占できるんだぞ!これこそ究極の魔法だ!」

ええと、俺は元々魔法を使えないから・・誰も魔法を使えない、ってことか。


リカルド「魔王よ、今までお前は魔法しか使ってこなかった。だが魔法の使えない今、お前は戦えるかな?」

魔王「・・」

リカルド「我はお前とは違うぞ。剣も魔法も一流だ・・試してみるか?」

リカルドさんが魔王に斬りかかった。

魔王はなにもできず、その姿を覆っていたローブごと斬られる。


魔王「うぅ・・」

双星「・・女の子?」

ローブの破れたところから見える姿は、女性のしなやかさと膨らみをもっていた。

それもかなり華奢な感じだ。

それもそのはず。人間とも魔族とも違う、特徴的な耳をしていた。

うめき声も今までの低い声から高めの声に変わっていた。


リカルド「ローブで姿を隠し、魔法で声帯を変えていたのか。こざかしい真似をする。」

リカルド「しかし、魔王がエルフだったとはな。」

双星「魔族ですらなかった。」

リカルド「姿を隠していたから怪しいと思っていたが・・エルフの分際で、魔族の世界を引っ掻き回すなど言語道断だ!」

リカルド「死ね!魔王!」

バチバチバチ!

いきなりなにもない空間で魔法が発動した。

キィン!

なにもないところからいきなり現れた男は、リカルドさんの剣を受け止め押し返す。


リカルド「空間魔法・・だが複合精霊が現れているのになぜだ?」

双星「魔王倒してハッピーエンドだと思ったのに・・」

男をよく見ると、背が高くかなりの美形だった。


双星「イケメンだ・・」

リカルド「な、なんだこのプレッシャーは!?」

こ、これがまさか・・イケメン補正!?

男はこちらを一瞥いちべつしたが、無視して祈りだす。


?「精霊よ・・」

すると場が元の状態に戻った。色々くっついていた複合精霊が分離したの?

そして魔王のところへ行き手をかざす。


双星「回復してる?聖騎士?」

リカルド「味方には見えないが・・なぜ異世界から・・いや、精霊の加護!・・まさか・・まさか・・」

あのエルフだった魔王の知り合い?


魔王エルフ「ん・・・・勇者様!」

勇者?「ようやく逢えた。待たせてすまなかった。」

魔王エルフ「いえ、逢えて嬉しいです。」

猿の手「願いは叶えた。ではさらばだ勇者のパートナーよ。」

あ、魔王の手になってた猿の手が消えて、華奢な女性の手になった。


リカルド「猿の手?我らを利用したのか!?」

どういうこと?


勇者?「さあ行こう。魔王を倒す旅へ。」

魔王エルフ「どこまでもついていきます。」

ふたりは再び魔法で異世界へと旅立ってしまった。

リカルドさんと俺は、取り残され・・


双星「なにがどうなっているの?」

リカルド「猿の手の仕業だ!」

双星「さっぱりわからないんだけど。」

いつも俺だけ置いてきぼりだよ。

律儀に説明してくれるみなさんには本当に感謝しています。


リカルド「勇者と魔王が戦ったらどちらが勝つ?」

双星「え?えっと・・勇者?」

リカルド「なら誰が魔王になりたがる?」

うーん・・まぁ負けるのがわかっていたらなりたくないよな。


リカルド「そこで魔王にはパートナーがいる。勇者と1対1で戦えば、勇者を殺せる力を持ったパートナーがな。」

おお!それなら魔王+魔王のパートナーで戦えば勇者に勝て・・あれ?


双星「勇者負け確定?」

リカルド「勇者にもパートナーがつく。だが、勇者と勇者のパートナーは最初別々のところにいる。」

リカルド「一方魔王側も、魔王と魔王のパートナーは共にいると力を発揮できない。」

ん?するとどうなる?


リカルド「魔王は待機。魔王のパートナーは単独で勇者を殺しに行く。」

リカルド「勇者は単独で魔王を倒しに行くか、自身のパートナーを探してから魔王と戦う。」

リカルド「では、勇者のパートナーはどうする?」

双星「んー・・勇者を探す。」

で、いいのかな?


リカルド「簡単に勇者と出会えればヌルゲー、難しすぎると永遠に会えないまま。どうやら今回は異世界に配置されたようだな。」

双星「なんで異世界に配置されたってわかるの?にしても、異世界とか探すの無理じゃない?」

リカルド「保険がある。勇者とパートナーは、ピンチになった相手の居場所を知ることができる。」

双星「わざとピンチになればいい。」

リカルド「死にかけとは違う。わざとではピンチとは判断されない。」

・・審判でもいるの?


リカルド「そこで勇者のパートナーは猿の手に願った。勇者に会わせてくださいと。」

双星「ん?話変わった?」

リカルド「変わっていない。そして猿の手は勇者のパートナーをピンチにできる人材を用意した。」

リカルド「パートナーといえど、その実力は並のレベルをはるかに超えているからな。常人では無理だ。」

勇者と一緒に魔王と戦うんだもんな。実力者で当然か。


リカルド「結果、魔王に扮した勇者のパートナーはピンチとなり、無事勇者が助けに来ました。めでたしめでたし。」

双星「いい話だった・・あれ、話変わった?」

リカルド「変わっていない。それが事の顛末だ。」

うーん?ん?んんん?


リカルド「魔王を騙っていたエルフが勇者のパートナー。」

双星「はい?」

リカルド「ピンチになったパートナーを、勇者が助けに来ただろう?」

双星「え、じゃあさっきの・・」

リカルド「そういうことだ。勇者は旅の途中で精霊の加護を得る。複合精霊もそれでキャンセルされた・・忌々しい力だ。」

俺たちは、勇者の冒険の中で脇役としてキャスティングされてたのか。

・・やばい、ちょっと嬉しい。


リカルド「なにをニヤニヤしている。」

双星「えーだって勇者様に会えたんだよ。超すごいことじゃん!」

リカルド「これだから人間は・・我は勇者のパートナーにも敵わなかった。」

ん?


リカルド「勇者は勇者のパートナーよりも強い。」

リカルド「そして真の魔王は、相性として勇者が有利なだけで、地力は魔王の方が強い。」

リカルド「なのに・・我はこの程度の力で魔王を自称していたというのか。」

リカルド「勇者に戦う価値がないと思われたのだ・・」

リカルド「滑稽だ・・」

そういや、俺が猿の手に”持ち主のところへ帰って”って願ったりもしたっけ。

それで勇者のパートナーのところにいるってことは・・勇者のパートナーの願い事を叶えている最中だった?

その過程で俺を利用したのかな。

だとすると、受付のおねーさんが猿の手を持ってたのも、俺が猿の手を引き受けたのも、全部猿の手の筋書き通りか・・


なら・・あのサメ顔の女の子も・・?

あれ?じゃあ猿の手の本当の持ち主は誰?


リカルド「おい。」

双星「は、はい。」

リカルド「我は帰る。修行のし直しだ。」

双星「あ、はい・・これで、人間と魔族の絆が深まったりとかあるかな?」

リカルド「いずれ人間など滅ぼしてやる。覚悟しておけ!」

や、やっぱり溝は深いのか・・。


リカルド「見ていろ、100年もすればお前たちは死ぬ。そしたら人間を滅ぼしてやる!はははははははは。」

そう言って、窓から颯爽と去っていった。

・・100年後かぁ。気の長い話だ。

すげえよ魔族。


・・

・・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ