you
別に待っているわけじゃない。
ただ、やらなきゃいけない課題もあるし、読みたい本もあるし。
だから別に、携帯が鳴るのを待っているわけじゃないんだよ。
こんなこと一人で言い聞かせながら、私は毎晩君からの電話を待ってる。
もしも強がらなくていいのなら、
もし素直になっていいのなら、
本当は今すぐ君に電話して、君の優しい声が聞きたいです。
だけど迷惑はかけない。
そう決めた。
だから、私からは絶対にかけない。
だけど眠れないの。
君の声が聞きたい。
だけど今夜も私の携帯の、君からのメロディーは鳴らないの。
だから私はこうして今夜も起きている。
寂しいなんて言わない。
哀しいなんて思わない。
ただちょっと、胸が切ないだけ。
携帯電話をただ見つめていたって、携帯は動かないし変わらない。
君だけ特別なメロディーに変えたけど、意味がないこと本当は心のどこかで分かってる。
登録された君のページ、もう何度も見つめているけど、何一つ変化はない。
着信履歴の回数も、メールの受信数だって相変わらず増えはしない。
だけど大切なの。
元気のない時や、会いたくて寂しくて仕方ない時に、君の番号を見ているだけで私は幸せな空間に包まれている気分になれる。
あ、もう朝だ。
AM4:00
ただ会いたくて、夢でもいいから会いたくて私は瞳を閉じた。
束の間のおやすみ。
太陽の光がカーテンの隙間から差し込むまでのほんの少しの間だけ、私は君を想い眠りにつく。
私の傍らには、大切な携帯電話。
鳴るはずないけど、大切な番号。
絶対かかってこないけど、愛おしい番号。
君からの電話を私は今日も待っている。