boy-3-
次の日―――
本のページを繰る光に子供たちが纏わりつく。
光は少し邪険そうに見せているが、それが本音でないのは子供にはもうわかっている。なぜなら、光は。
「何やってんの?」
起きるのが珍しく遅れた少女を待っていたのはそんな光景。
光は少女の姿を認めると本のページを少し戻し・・・少し考えるそぶりを見せ、「うん、そうだな」と呟いた。
「なにが・・・・・・?」
「お前、癒希な」
「ゆき? なにが?」
変な呪文のようなものを言われ、少女は混乱する。
それを光のそばにいた子供たちが助長する。
「なまえ~~~っ」
「おねぇちゃんのなまえだよ」
「ぼくはそうたっ」
「わたしはねーーっ」
今日ほど別々に喋ってほしいと思った日はない。
混乱に拍車のかかった少女の肩に手が置かれる。
見上げるとシスターの顔が、
「なんで泣いてるの? シスター」
今日は聞いてばっかりだ、と少女は思う。
「彼は、光は優しいですね」
光はぷいとそっぽを向く。
それが照れているのだと少女にもわかった。
だが、何がなんでどうなってこうなっているのかが全く分からない。
問うように再度見上げるとシスターが答える。
「光はあなた方一人一人に名前を付けているのですよ。名前が無いのはかわいそうだ、とね。しかもきちんとみなの性格に合うように必死に考えて…」
少女の脳裏に先ほどのやり取りが思い起こされる。
お前、癒希な。
あれが私の名前なんだ。
「癒希」
言葉が口をついて出る。
「癒希」
もう一度、呟く。
自分に染み込ませるように。
「癒希」
何度でも。
いい響きだ。
光に目をやると、光は慌てて目をそらした。
さっきまで癒希を伺うようにみていたのはとっくにわかってるのに。
だから
少女は全力で少年に抱きついた。
今の気持ちを。
一番言いたいことを。
つたえる。
「私は癒希っていうの。よろしくね」
「ちょっ、おまっ―――」
光の言葉は癒希に続いて風のように突撃してきた子供たちに押し潰される。
「あらあら」
シスターは笑い、子供たちは笑い、少女も笑い、ついには少年も笑う。
これはそんな彼らの物語
台風はどうだったでしょうか。
私は午後用事ありましたが、
特に問題はなく済みました。
きっと日ごろの行いが・・・
なんでもないです。
次から本格的に動き始めます。




