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boy-2-

そこは戦場だった。

泣き声や悲鳴が木霊するなか、俺はぽつんと呆けたように立ち尽くす。

世界から取り残されたように。


そしてそこには。

泣き叫ぶガキんちょどもの世話をする「母親」たちと・・・・女の子が一人。


おいおい、あいつ何やってんだよ。

よく見ると昼間に花を渡していたやつだ。

大人ぶっているつもりなのか。


と、その女の子は立ち尽くす少年に気づきとことこと近寄る。


「あなたは夜が怖くないの?」


声が少し震えて、少女の瞳が潤んでいるのを少年の瞳が映し出す。


「怖い? 夜は嫌いだけど怖くはない」


そう言いきる少年の脚が震えているのを、眼が赤くなっているのを少女は見なかったことにした。

でもほっとした。


「じゃあ手伝って」


少年の手を取り引っ張る。


「こうするの」


少年の憮然とした態度を気にも留めず、近くにいた泣いている子の一人を抱きしめ囁いた。


「大丈夫、詩葉。私がそばにいるから。怖くないから、ね」


詩葉と呼ばれた少女は真夏のセミを思い出させるかのように泣き叫んでいたが、次第にぐずるだけとなり…………泣きつかれ、眠った。


「こんな感じで、ね」


少年には自分以外のすべてがどうなろうと知ったことではない。

そう思っていたが、これはこれで考えものかもしれないと思うようになっていた。

こんなにも音が響くとこわ……くはないが、アレだ。

仕方ない。


少年はまだ泣いている子の一人に近づき、

そこで困ったことに気づいた。


「…おい」


そこでも困ったが、後ろにいる少女に尋ねるしかない。


「こいつの名前は? あとお前もだ」

「ないわよ。私も」




は?



瞬時に返された答えに少年の頭が空白になる。


「名前が・・・・ない?」

「当たり前でしょ? 私たちは皆捨てられたんだから。むしろ詩葉みたいに名前があるほうが珍しいでしょ」


少女が詩葉という単語を口にした瞬間にわずかに羨望の色があったのを、少年は……


「そんなの…悲しすぎるだろ………」

「光は優しいのね」


少年…光はやり取りを見守っていた施設の母親の1人に抱きしめられる。


「世界がみなあなたのような心の持ち主であればいいのにね」


その声が凍り付いていたはずの光の心に、身体に染み渡る。


「あなたの名前は誰に?」

「知らない。ここに連れてきた人は俺の親が、死ぬ前につけたと言っていた」


「そう・・・」





なぜか、涙が零れた。






光は勘違いをしていた。

世界で一番不幸なのは自分なんだと。

しかしそうじゃなかった。

光より不幸な人間が身近にもいるし、それでも笑っている。

昼間の笑顔も本当なのだろう。


でもすべてではない。

怖いのを必死に押し殺して、それでも笑っている。




だけど、あいつらには幸せが足りない。

それは可哀想すぎるだろう?


台風来てますね。


私は今日休みなのであまり関係ないのですが、

皆様ご自愛ください。

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