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litmus-4-

「で、嬢ちゃん。どっちへ行けばいいんだ」

「それくらい自分で考えてよ。それに私の名前はゆ・き! 嬢ちゃんなんかじゃないんだから」

「ああ、聞いたぜ。お嬢ちゃん、友達を探してるんだってなぁ~。くぅっ。泣けるぜ。この俺、ザヴァが及ばずながら力になるぜ。何でも言ってくれ」

「あぁ、なんで私はこんな奴らに自分のことを話しちゃったんだろ。 ……過ぎたことを悔やんでも仕方ないか。ザヴァ、ほら行くよ」

「お、おう。お嬢ちゃんの力になるぜ」

「だから、ゆ・き! それに力になるのは私!」


二人は森の中を歩いていた。

この森はコンスタンス山の麓にあたる。

なぜこんなところを二人で歩いているかというと―――





二時間前―――


「いい方法?」

「ええ。あなたには力がある。足りないのは圧倒的なまでの戦闘経験。ただ、あなたには力がありすぎるために接戦というものを経験したことがない。それが力が均衡した相手と戦えない原因につながっています。あなたが経験を得るために必要な方法。それは……」

「それはっ?」

「ここにいる全員のランクを一つ上げてください。それが戦闘経験につながります。期間が長くなってもいけないので、そうですね、一か月でいいでしょう」

「一か月!? それって、一回しかチャンスがないってことじゃない」


クエストのランクをあげるための昇級試験、それは月に一度行われる。

つまり、チャンスは一回。

さらにいうならばそれは二十日後。

この場にいる人数は十五人程……


「それでも…やるしかないのよね」

「いえ、別にやらなくてもかまいませんが」

「やるにきまってるでしょ! 私は強くならないといけないんだから!」

「そうですか……なら決まりということで」






ということで今に至る。

今更ながらマスターに手玉に取られた気がしないでもない癒希だが、それでも自分が強くなる可能性を提示されただけに癒希としてはしないわけにもいかず、とりあえずそばにいた巨漢の男を連れ出したわけになる。


「ちなみに、ザヴァ。ランクは?」

「自慢じゃないが、Dだ」

「ほんと、自慢にならないわよっ。Dってなに? 下から二番目じゃないっ。 ……ん? むしろ楽なのかな?」

「自慢じゃないが、能力者でもない」

「でしょーねー」

「―――ただ、娘がいる」

「………なぎ、ちゃんだっけ?」

「おれはナギに笑っていてほしい。だから今回のこれはチャンスだと思ってる。ランクが上がれば報酬も増えるだろ。もっと楽な生活を送らせてやることもできるはずだ」

「そんないいこと言うなら昼間からバーで飲んだくれるのはやめたら?」

「あれは俺の生きがいだ。ナギにも止めさせねぇ」

「はぁーー」


癒希はため息を殺すこともせずに盛大に出し、正面を見据える。

目標はコンスタンス山の中腹。

コーンムカデ討伐50体。


難度、C


久しぶりに。

本編のほうを追いつかせようと思ってるんですが、

どうせならこっちを寄り道させるのもありかな~

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