↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

人を呪い殺す方法なんてないらしい。

作者: しゅらす
掲載日:2026/10/25

人を呪い殺す方法なんてないらしい。


俺は馬鹿なことを言っているらしい。


俺は馬鹿なことを言っていないで早く就職しなければならないらしい。なるほどな。


馬鹿なことを言っているのは一体どっちだ?


無理矢理学生時代の全てを捨てさせて、いい大学行けなきゃ負け組だと洗脳して、それで失敗したら失望する。


冗談じゃねえ。


俺はお前の見栄とプライドで人生を振り回された。


友人を作れなかった。遊ぶ暇があったら勉強しろと言われたから。


恋人を作れなかった。お前に、そんな浮ついたものアンタには必要ないと言われたから。


高校の時虐められた。お前のせいだ。


お前の言う通りにしたせいで、俺の人生は滅茶苦茶だ。


人を呪い殺す方法なんてないらしい。


おかしいだろ。


真面目に生きて来た人間が、それを馬鹿にしてきた人間に何も出来ずに負けるだなんておかしい。馬鹿げてる。


悪いことをして生きてきた、不真面目な人間を殺す手段を俺が持てないだなんて、ふざけている。


俺は何も成せていない。何者にもなれていない。


全て母親のせいだ。


父親は母親が俺に怒鳴るのを渋い顔で見るだけの空気みたいな存在で、同級生にはスクールカーストでしか人間の価値を測れない馬鹿しかいなかった。


教師は俺の事情も鑑みずに周りに見世物にするようなクズで、俺はいつだって孤独だった。味方なんていなかった。


せめて何かを成し遂げたい。いや、そうじゃない。悪い人間に罰が下って、俺は良い人間だから下らなくて、それで、奴らを見返したいだけだ。その欲求はいつまで経っても収まらない。


二年三ヶ月ぶりに1階に降りた。母親が夕飯を作っている。


悪い人間には罰が下るべきである。


天罰じゃなくていい。呪いなどという手段は必要ない。母親が背後に迫る俺に気づいた。


俺はそのままその心臓にハサミを突き立てた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。