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死にゆく心に火を灯せ!  作者: 啓上秋
5章「祭りの後、思い出す」
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45話「新聞部」

メイド喫茶から出てその後も色々なところで楽しんだ俺達だったが美古都さんが話したいことの時間確保の為にも少し早めに帰ることになっていた。


「じゃあ!最後!新聞を観てから帰ろうか!」


「と言ってもどこにあるんだ?」


「え?京屋知らないの?文化祭用に貼ってあるマップに小さく新聞部でも出し物があるって書いてあるよ?」


「本当だ……気づかなかった」


「もーちゃんと見なきゃ駄目だよ?」


「ありがとう、俺だけじゃ見つけられなかった」


「どういたしまして!」


そうして新聞部に向かう。


「ここか……」


まだ外は賑わっているのにここだけは人が閑散としていた。


「あれ?京屋さんと美古都さん?」


聞き覚えがある声がした。


「緑沢さん?どうしてここに?」


「私、新聞部に入ってまして……メイド喫茶のお仕事は終わったので今度はここで仕事してます……」


「何かメイド喫茶の時とテンション違うね緑沢ちゃん?」


「えと……まあ、私、普段はあんな明るい子ではないので……」


「大丈夫?やっぱりメイドの時無理してたんじゃ?」


「いえ!あれは……楽しかったので問題ないです」


「そう?ならいいけどね」


「それにしても緑沢さん以外部員が居ないけど?」


「実は他の部員はさっきまで居たんですけど先輩達には休憩に行ってもらいました」


「何で?」


「どうせ誰も来ないですし、それだったら休憩してもらった方がいいかなと」


「そうなんだ……」


「緑沢さんって何年生?」


「1年です……」


「この部活の部員数は?」


「私含めて3人です……」


「少な!少なすぎるよ!」


「そうだな……本当に大丈夫か?」


「大丈夫です……人も来ないし暇なので」


「それにそろそろ廃部らしいですし」


「そうなのか……」


「とっ、とりあえず新聞観せてもらったら?」


「そうだな!えーと……新聞観せてくれるかな?」


「はい!そこに貼ってあるのが出し物の新聞です」


「ありがとう、観せてもらうよ」


「私はちょっとトイレに行ってくるね」


「分かった」


学校内の生徒の生活や小さないざこざ、植物の成長記録など様々な新聞があった。


その中でも目にとまったのは絵本の紹介記事だった。


「この絵本……」


その絵本は先日俺が買った絵本だった。


「あ!それ……知ってますか?」


「知ってるよ、どうしてこの絵本を紹介しようと?」


「この絵本って家族の大切さがテーマじゃないですか……基本的に自分の親を皆想像すると思うんです」


「だけど私は違います、将来私と家族になる人とのことを想像しました、そうして読むと違った感情になるんです」


「そのまま読むと親と子の家族の大切さの物語でも、将来私とパートナーになる人との子供の話として読むと、大切な人と作り上げた命や物や人生、それが私にとって生きる意味で大切な物なんだって感じたんです、少し視点を変えるだけで新しい事に気づけるって事をこの本で理解したので紹介しました」


「ちなみに私がこの本を読むきっかけは、昔公園で遊んでた女の子が持っててずっと気になってたんです、そしたらこの高校の図書室にあったので読んで見たって感じです!」


「俺も似た感じだな」


「……そうですよね」


「?……でも何でそんな読み方をしたんだ?」


「それは……そんな未来を見てみたかった……からですかね?」


「どういうことだ?」


「……気にしないでください!」


そう彼女は笑顔で言った。


「まあそれはそれとして、この絵本の作者はそこまで深く考えてお話を作ってないと思いますけどね!」


「なんだよそれ……!」


「ふふっ!まあ私がそう感じるように読んだだけの話ですからねこれ」


……視点を変える、か。


「……まあとにかくありがとう緑沢さん!」


「どういたしまして!」


「ちなみにどうして新聞を観ようと?」


「それは、俺が来年からこの高校に行くからだ」


「なるほど……じゃあ私は京屋さんの先輩ですね」


「そうだな」


「ちなみに私の先輩でもあるよ」


「え?」


「いや?私も京屋と同じ高校に行くからね」


「そうなのか?……って戻ってきてたのか」


「うん!さっきね」


「それで同じ高校って?」


「私達パートナー何だから離れるわけないじゃん!」


「まあそうか」


「嬉しそうですね京屋さん」


「なっ!まあ……嬉しいよ」


「照れちゃって!まったく可愛いんだから私の京屋は!」

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