37話「道案内」
数日が経ち、いよいよあの人が来る日になった。
迎えに行きたかったが「大丈夫だよ?」と一蹴されてしまったので家で待つことにする。
「美古都さんも呼ばなきゃな」
美古都さんにメッセージを送った。
すぐ既読がつき、こちらに向かうとの連絡が来た。
さて、大人しく待つか。
――私は今、道を聞かれていた。
「あの……このマンションってどっちでしたっけ?」
目の前の女性は私と同じマンションに行く予定の人だった。
しかし……この人、どこかで……
「そのマンションなら、私も行く予定だから、案内してあげるよ!」
「ありがとう!助かるよ!」
そうして歩きだす。
「ごめんね!大人が子供に道を聞くなんて、情けないよね……」
「うーん、確かに大人が子供に道を聞くのはどうなんだろうね……まあ、私は何にも思ってないよ!うん……」
「え!?何その、うん……って含みがあるよね!?」
「いや……大丈夫!大丈夫!ね?」
「……はぁ、仕方ないか!何か思っててもお姉さんは許します!」
「え?なんか私、いつの間にか、許されないかもしれない状況だったのか……」
少し話してみて思ったがやっぱり、この声聞き覚えがある気がする。
どこで聞いたんだっけ?
うーん……思い出せない。
まあそのうち思い出すかな?
うん!思い出す!思い出す!
そんな考えをしてるうちに目的地に着いたようだ。
「ここだよ!」
「ありがとう!おかげで助かったよ!」
「どういたしまして!さ、中に入ろう!」
「そうね!入りましょうか!」
合鍵を使って、エントランスの扉を開く。
そうえば、ちゃっかり、合鍵なんて貰ったけど、あんな暴走した翌日によく渡してくれたな。
あんな事しちゃってごめんね京屋。
許してくれて本当にありがとう京屋。




