33話「流し込む」
「それで、俺はどうすればいい?」
リビングまで移動しソファに座る。
「じゃあまずはこれをつけてもらおうかな」
首輪だ……
「美古都さん……これはどういうことかな……」
「どういうことって、こういうことだけど」
カチッ!
首輪を着けられた。
「美古都さん!?」
「ふふっ♡これで私のモノだね♡」
仕方ない……こうなった以上、話し合うつもりだったが、恥ずかしいけど外に逃げるしかない。
「美古都さん!ごめん!!」
俺は急いで立ち上がり、すぐに走り去ろうとしたが……
すぐに持ち手を掴まれる。
首が締まる。苦しい。
「へーーーー逃げるんだ」
「どうして逃げるのかな、私達パートナーだよね」
美古都さんが近づいてくる。
腰に手を回され、身体を引き寄せられる。
!?
抱き締められた。
「京屋♡大好きだよ♡」
「だから、服従して♡」
そう耳元で囁かれた。
その瞬間、全身から力が抜け、膝から崩れ堕ちた。
心の種火が火に変わる、正しい火の点き方ではない。
正常な温度じゃなくなるのを感じる、熱さで思考が蕩けてきた。
そのまま気が狂うほど頭を撫でられながら耳元で愛を囁かれた。
――怖かった。
私のパートナーが他の女を見ていることが、私を見てくれなくなることが。
私との約束を破ることが。
だから植え付ける、毒を。
流し込んで、流し込んで、ワタシで支配する。
少しずつ、少しずつ、愛を囁くたび、彼の目が狂気で染まっていくのが分かった。
嬉しかった。とても。ワタシを見てくれることが。
だってこれが愛だから。




