26話「久しぶり」
「で?見つけたけど買うの?」
「買ってみる」
「そう!おそろいだね!」
「絵本のおそろいってなんだ……?」
「気にしない!ほら買うよ!」
絵本を買い、店を出る。
「だいぶ回ったしそろそろ帰ろうか!」
「そうだな……よし、帰るか」
寮に戻ってきた。
「お帰りなさいませ」
「帰ってたんだ、渡鳥」
「はい、少々買い物をしました」
「ふーん、何買ったの?」
「はい、調理器具を買いました」
「調理器具?今さら?」
「美古都が京屋様に作る料理を更に美味しくするためです」
「むー、変な気を遣って……」
「だな……」
「変なとは、何ですか……」
「まあ、それは置いておきましょう」
「美古都、スーパーに夜ご飯の食材を買いに行きましょう」
「わかってるって」
「俺も行くよ」
「京屋様はゆっくり寮でお休みになってください」
「そうそう、京屋は休んでてよ」
「……そうか、わかったお言葉に甘えさせてもらうよ」
「はい」
「渡鳥、ほら行くよ」
「かしこまりました」
そうして美古都さんと渡鳥さんはスーパーに買い出しに行った。
……一応確認しとくか。
ピピッ!
「はーい」
扉が開く。
「!京屋じゃん、久しぶり!」
会えた!
「久しぶり、今日もしかして仕事だった?」
「いや、ちょっと出かけてただけだよ?」
「それより京屋がどうしてここにいるの?」
「いや、ちょっと東京観光に来てて、そこで父さんに寮を貸してもらったんだけど、隣の部屋だったから挨拶にと」
「ふーん……事情はわかったけど一人で来たの?」
「いや、三人でかな」
「それって彼女?」
「!?……違うし……」
「あー!照れた!」
「照れてないよ!」
「うん?三人?」
「は!もしかして二股!?」
「違うし!そもそも性別言ってないし!」
「もーそんな焦んないでよ、冗談だよ!冗談!」
「まったく……」
「部屋上がる?」
「じゃあちょっとだけ……」
こうして買い出しに行った二人が帰って来るまで知り合いの部屋で過ごした。
数年ぶりに会ったが、やっぱりこの人と居ると安心する。




