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死にゆく心に火を灯せ!  作者: 啓上秋
3章「旅行」
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25話「絵本」

昼食を済ませ、街に出た。


渡鳥さんは何やら用事があるようで今は美古都さんと二人きりだ。


とりあえず近場の有名な場所は回り終えて、今は商業施設に来ていた。


「どこ行こっかなー」


美古都さんは施設内地図を見て考えていた。


「よし!京屋の服を買いに行こう!」


はい?俺の服を?


いや、いや、いや、お金はそこそこ持ってきたけど、都心の服屋なんて流石に高いし、買えないだろう。


「美古都さん、流石にお金が足りないんじゃないかな?」


「む?言われてみれば確かに今あるお金じゃ買えないね」


「うーん……じゃあ、とりあえずどこ行くか決めずに見て回ろうよ!」


「そうだな、それがいい」


こうして、商業施設の中を見て回ることにした。


しばらく見て、3階にきた。


3階にきて最初に目に入ったのは本屋さんだった。


「そうえば、あのこと……聞いていい?」


「あのこと?なんだっけ?」


「ほら京屋が母親に買って欲しかった本のこと」


「あぁ……俺が買って欲しかったのは絵本だよ」


「絵本?どうして?」


「小1の頃に出会った子がその絵本を持ってて、それで俺はもっとその子と仲良くなりたいから内容を知るために欲しいと思ったけど見つからなくて、小2になってからたまたま本屋でその絵本を見つけて、その子に次に会った時のために買って欲しかったんだよ」


「まぁ、その子とは数回遊んだだけで学校も違うし小1以降会ってないんだけどね……」


「!……そっか……そうだったんだね……」


「どうかしたのか?」


「別に!?どうもしてないよ?」


「なら、いいけど」


「ただ、絵本持ってたその子と、再会した時に何か約束をしてたはずだったけど、忘れてしまったんだよな…………約束忘れて最低だな、俺」


「まあ、最低だね!」


「?どうして美古都さんが笑顔で言うんだよ?」


「別に!せっかくだから本屋でその絵本探そうか!」


「何で美古都さんが楽しそうなのか分からないけど、本屋に行くか!」


――約束、忘れてるのは分かってた


………誑かしたくせにね。


でも出逢いは忘れてなかった。


今はそれだけでいいんだ。


――本屋に入店した俺達は、絵本を探し店内を見て回った。


「あった!これだよ!これ!」


「確かにそうだけど……何で美古都さんが知ってるんだ?」


「私、この絵本には色んな意味で思い入れがあるんだ」


「そうなのか?だとしたら凄い偶然だな」


「偶然じゃなくて運命(執念)だと思うけどね」


「なんだそれ?」


「気にしないで、独り言だから!」


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