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21話「急な誘い」

彼女と俺の過去について話してから数日がたった、というよりもう休日前だ。


「旅行行こっか!」


いきなりそんなメッセージが美古都さんから送られてきた。


彼女とは過去を話した日に忘れていた連絡先などの交換を済ましていた。


とりあえず家に来てもらうことにした。


ピピッ!


どうやら来たようだ。


「悪いな、来てもらって」


「いいよ、あたし、京屋の家好きだし」


「それで、どうして急に旅行なんだ?」


互いに向き合いソファに座りつつ話す。


「それはね、よく旅行したら価値観が変わったって言うじゃない?」


「確かによく聞くな」


「だから私たちも旅行して価値観ってものを変えたら生きる意味が見つかるんじゃないかって!」


「一理あるな」


「だけど俺達中3だぞ?泊まれないだろ、それに平日に行くってのもなんか……」


「そこは大丈夫、世話係に同行させるし、明日から行けば休日でしょ?」


「え?明日から!?まだどこに行くか決まってないのに?」


「うん、だって今日金曜だし明日から土曜だよ?絶好の旅行日じゃん!」


本当に大丈夫か?


だが美古都さんに逆らうよりは従ったほうがいいことは明白なのでおとなしく言うことを聞くか。


「わかった、明日からならすぐ行先を決めないとな」


「そうだね!どこにしよっか?」


「休日に行くってことは2日間だろ?ならあんまり遠くよりも近場のほうがいいんじゃないか?」


「そうだよね!でも遠出したい気持ちもあるんだよね〜」


「よし、決めた!あえての東京旅行しよ!」


「いや、俺達も東京住みじゃん……」


東京?

都会に住んでるなら都心に旅行しても価値観は変わらないのではないだろうか?


「美古都さん、それじゃあんまり価値観変わらない気がするな」


「そんなことないよ?私達都心に出たことほとんどないでしょ?」


「まあ、そうだな」


「だから、まず近場で都会がどんなところか学ぶんだよ!」


「でも都心のホテルなんて高いんじゃ……」


「そこは安心して!と言いたいけど、確かに……」


都心ねぇ……


「あ!」


「どうしたの?」


「いや、うちの父さんの声優事務所の寮があるんだけど――」


「そうえば、驚かないんだな、声優事務所について」


「うん!調べたからね」


………怖い。


「話を戻すけど、父さんの声優事務所は稼ぎの少ない声優さん達が活動しやすいようにって寮を用意してあるんだけど、うちの事務所皆稼いでるから、事情がある一人以外誰も住んでないんだよね」


「だからそこを父さんに貸してもらえないか確認してみるよ」


「ありがとう!」


「よかった、まとまりそうだね!」


「そうだな」


「じゃあ私準備するから帰るね!」


そうして美古都さんは帰っていった。



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