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7th ヒロイン 〜ギャルゲーに転生したと思ったら殺人事件が起きました〜  作者:


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3/19

3話

 ゲームの展開には無かったストーリーが進行している?今まで僕はゲームの流れを知っているから次、どう動けばいいか分かっていた。そのおかげでヒロイン達と仲良くなって行くことが出来たとも言える。というかそもそもの話、このゲームには事件等といった物騒な出来事は起きていなかった。思っている以上に良くないことが起きてしまっているのかもしれない。僕は終礼が終わった後も立ち上がらず考え続けていた。


 「お〜い、正人、どうしたの?」


 ずっと席に座り続けていたからだろうか。月村が僕の眼の前で手をブンブン振って呼んでいる。手の振りと共にポニーテールもブンブン振れていて犬の尻尾を思わせた。


 「あっ、ごめんごめん」


 「ぼけっとしてどうしたの?」


 「いや、事件って何が起きたんだろうって」


 変に嘘をついても不審がられると思い正直に話した。月村はそうそうとつぶやきながらスマホを取り出して何やら調べ始めた。少し待っていると画面をこちらに見せてきた。


 「さ、殺人事件?」


 「うん、夜に女性がナイフで襲われたって書いてあるね」


 スマホを借りて画面を凝視する。どうやら僕達の家の付近で二十代の女性がナイフで襲われて亡くなったそうだ。遺体は損傷が激しいとまで書いてあった。ニュースでは言わないが損傷が激しいという時は原型を留めていないことが多いと聞く。月村にそんな事を言っても不安がらせるだけだと思い黙っておく。


 「怖いね」


 「月村、絶対夜中とか一人でどこか行ったりするなよ」


 「分かってるよ〜、正人こそ気をつけなよ。じゃあ帰ろう」


 「えっ」


 僕は転生してからというもの放課後は他のヒロイン達との好感度上げの為に校内に残っているヒロインと会っている事が多かった。その為、月村とは一緒に下校するという事は少なかった。


 「えっ、先生の話聞いてなかったの?登下校時はなるべく誰かと一緒に行動するようにって言われたじゃない」


 どうやら考えすぎて先生の話を聞いていなかったようだ。どうやら話を聞くに事件の事もあり危険だから生徒達は出来る限り集団下校を勧めたそうだ。こんなに近くで物騒な事件があったなら当然の措置だろう。


 「それじゃあ、一緒に帰ろうか」


 僕は、鞄を持って二人並んで教室を出た。外は日が落ち始めて太陽はオレンジ色に僕達を照らしていた。


 「そういえば、正人って放課後っていつも何してるの?」


 「えっ……」


 下校中、不意に月村に問われてしまう。流石に他のヒロインの好感度上げをしていますとは言えない為、何と言おうか悩む。


 「正人って部活にも入っていないのに学校に残ってるの気になるよ」


 ぐうの音も出ない正論に目眩がしてきた。いや、数多いヒロインの好感度上げを狙っている僕が悪いんだけども。僕は必死に考えて妙案を思いついた。


 「いや、僕生徒会の手伝いしているんだよ」


 そうなのだ。僕は生徒会に所属している訳ではないが人手不足の生徒会を手伝うことがあった。理由としては『7th ヒロイン』の一人である金丸紫乃の好感度上げの為なのである。 


 「それって金丸さんがいるから?」


 月村はジトッとこちらを睨んでいる。何で分かるんだろう。女の勘というやつだろうか?いや、単純に教室で仲が良いのを目撃しているからだろうか。自分の顔から冷や汗が出ているのが分かる。


 「い、いや、彼女の手伝いをしているのはそうだけど。ほら、いつも忙しそうにしているじゃないか」


 「ふ〜ん、善意でやっているっていうんだ。でもそのせいで私と帰らなくなったじゃない……」


 ああ、彼女は本気で僕が放課後何をしているのかが気になった訳じゃない。僕と帰れなくなった事が寂しいんだと分かった。


 「ごめんって、でも今日こうして一緒に帰ってるじゃないか」


 「ふふっ、確かに」


 月村はニコッと笑い照れくさくなったのか少し早歩きになって前へ行く。夕暮れを背景にして前を行く彼女は絵画のように美しかった。


 「そういえば、正人、明日土曜日なんだし何処か遊びに行こうよ」


 「えっ」


 僕は考える、月村とデートをするイベントはゲームにもあったがこの段階でこんな話が出ただろうか。事件の事といい全く違う展開になっている。僕が何かおかしな行動をしているのだろうか。ゲームの内容を変えるような逸脱した行動をしていないと思うが……。


 「大丈夫?顔色悪いけど……」


 月村が僕の顔を覗き込んで心配していた。また僕は考えすぎてしまったのだろうか。何を迷う必要があるというのだ。彼女からデートに誘われているのだ。


 「ああ、いや全然平気。明日遊ぶっていっても何処か行きたい所でもあるの?」


 「ちょっと駅前のショッピングモールで買い物したいだけ」


 「分かった。じゃあ、後で時間とか待ち合わせはチャットで決めよう」


 僕達はこうして別れて自分の家へと帰っていった。

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