第5話 これは夢である。
「うーん、そうね私は頭がいいからよ!」
意気揚々と喋るこの女は、多分残念な女である。
「で、そんな自信満々に答えるアンタのアンサーは?」真っ直ぐと目を見ながら俺は聞いた。
「そうね〜私はあんたの心中にある磁石が惹き付けられてると思うわけ。」
胸に手を添え誇らしげに言うこの女に俺は宇宙猫になってしまったのだ。
心中の磁石?そんな元も子もない意見は多分不合格だな。
「いいや、元も子も無くともあなたの場合はそうね、突発的に発現したのかも 。てかっ!私の名前は胡田梅子よ!女女言わないでよ!。」
ふんっと、鼻を鳴らし腕を組んでいる。
「てことは、胡田さんもこの鍵を手に入れているのか?」
「私は持ってないわ。けれど、千狐に聞いた話だけれど鍵は性別も違う人達が複数人持っているらしいわよ。しかも全員いきなりよ。けれど鍵の形はあなたと同じ、アンティーク。刻印されているデザインはそれぞれ違うって感じかしら。」
ほう、つまり鍵を所有出来る人は、ランダムで選ばれるということか。どこで誰が手に入れているのかは知らないが手に入れた物は絶対にこの鍵を手放せない、呪いのような代物なのか。
こえ〜
「私あなたが近くにいてよかったわ。実験材料がこんなすぐに見つかるなんて。私今1番の幸せかもね。」
胡田さんは、一瞬の隙で俺の背後に回り何かを突き刺した。
「あ。」