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勇ましき者が極めるは道 ~任侠道を極めた漢、ダンジョン世界を無双する~  作者: ヤミマル


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九十五の道 六つ目のリョク

「赤い三つ目? 赤い三つ目。あぁ、セキの事かなぁ。アイツは自分の事を隠そうとしないし、本能の

 まま暴れるからなぁ。…………あれ? でも今って起きてたっけ?」


『やはり知っているんだな! 赤い三つ目の居場所を!!』


「知ってる、けど知らないなぁ。セキが何処で何してるかなんて、俺には興味がないものなぁ。それよりも、コッチが大切だ」



 必死の剣幕であるイエモリを軽く流しながら、緑の六つ目はフォレストノームが閉じ込められている茨の檻を抱き寄せた。



「俺とこんなに相性の良いモンスターは初めてだなぁ。暇つぶしに人間で遊んでいたけど、それも飽きて来た所だったんだよ。コレがあれば、もっと面白い遊びが出来そうだ」


「テメェがいったい何をしたいのかは知らねぇがよ。…………させると思うか? ソイツ返せや」



 地面を蹴り、ニタリと笑う緑の六つ目との距離を詰めて拳を振るう。だがその拳は、緑の六つ目によって、手で軽く払われる様に防がれた。そして次の瞬間には、ゆったりとした服の袖から尖った木の枝が、俺の顔面めがけて飛び出して来た!


 俺はその木の枝を首を捻って避けると、貫手を六つ目向けて放ったが、その瞬間、背後から飛んで来る物を感じ取った俺は体の向きを無理やり変えて飛んで来た物を打ち払った。


 重い衝撃と共に地面を転がったソレは金棒だった。そして飛んで来た先を見ると、そこにはカラカラに乾いた身体から木の枝を生やしたミイラが、物を投げた形のまま固まっていた。


 アイツはまさか、さっき殺された金棒を持っていた大男か? あの六つ目に殺された結果があの姿か…………。どう見ても、生きてねぇもんなぁ。


 よく見りゃあ、大男以外の奴らも枝が生えたミイラになってやがる。間違いねぇ、六つ目のスキルってヤツだろうな。



「アレはお前のしわざだな? テメェ、あれはお前の仲間だったんじゃねぇのか?」


「仲間? 愉快な事を言うね。俺と彼らじゃ種族が違い過ぎて仲間になんかなれないさ。君だって、虫けらを仲間にはしないだろう? アレは俺の玩具だよ。人間は煽てるとよく踊るから、面白いんだよ」


「成る程、とことんクソな訳だな」



 ニヤリと笑う六つ目と少し距離を取り、俺は軽く身構えた。フザケた上にクソな奴だが、コイツは強ぇ。俺の拳を軽く払いやがったからな。



『やはり変わらぬ。貴様も、三つ目も、この世に居てはいけない者だ!』


「浮いてる刀には言われたくないなぁ。お前こそこの世に居ちゃいけない類だろ? アレかな? セキに家族でも殺されたのかな? それは残念無念だね。それで化けて出た訳だ」


「お喋りな奴だな。ついでにお前が何なのかも教えてくれよ」


「なに? 俺の事を知りたい? 龍だよ。俺はリョクリュウ。言っとくけどドラゴンと一緒にするなよ。トカゲはもっとダメだ。俺は高貴な存在だからね」



 龍だぁ? リョクリュウ、…………『緑龍』って事か、緑だもんなぁ。じゃあ赤い三つ目はセキリュウか?



「ハッ、安直な名前だな。って言うか、正体は隠すクセに名前はそのまま使ってんのか」


「虫けら相手に隠す意味ないじゃん。…………まぁいいや、君達の目的はここのダンジョンマスターになる事だろ? 別に邪魔しないよ。もうパーティーで受けた依頼もどうでもいいし。そこの刀だって、用があるのはセキなんだろ。見逃してあげるから、用だけ済ませて帰りなよ」


「見逃す…………ね」


「ああ。俺は今、ずっと欲しかったタイプのモンスターが手に入って機嫌が良いんだ。それに…………君が『ナニ』なのか知らないけど、君と戦うのは厄介そうだ。ここは笑顔で別れようじゃないか」


「そりゃどうも。だがよぉ、残念ながらそうもいかねぇ。そのフォレストノームはダチのダチでな。テメェなんかに渡せねぇんだよ。…………それに何よりよぉ、テメェが『龍』を名乗っている事が許せねぇ。俺の前で龍を貶めるんじゃねぇよ! それは俺に対する侮辱だぜ!!」



 気合入れてリョクを睨みつけると、リョクの六つ目が禍々しくニヤリと歪んだ。



『リューマ殿、拙者を…………!』


「下がれイエモリ。アレはお前の相手じゃねぇだろ。俺の敵だ」


「クククク…………! 怖いねぇ、お前は一応人間なんだろ? 龍である俺の手が、ホラ少し震えているぞ?」


「嬉しそうに何言ってやがる。俺の名は煉獄龍馬だ。…………お前の名も、改めて聞かせろや」



 上着とシャツを投げ捨て、俺は首と拳を鳴らした。



「六番目の首、リョクリュウだ。リューマ、お前を殺したら、その死体はしっかり喰ってやろう。龍は強者しか喰わないんだ。自慢していいよ?」


「そうかよ。だが俺はお前の死体は喰わねぇぜ。腹を下したくはねぇからな!」



 挨拶は終わりだと、俺はリョクに向けて歩き出し、リョクは抱き抱えている茨の檻を身体中から伸びた枝で包み込んだ。



「テメェ何してやがる!」


「せっかくだから見せてあげるよ、このモンスターのスキルをさ」



 リョクがそう言うと同時に、地面が何箇所がボコッと盛り上がり、そこから土と木で出来た人形が幾つか出て来た。その人形は、フォレストノームによく似た人形だった。そしてそれは、徐々に形を変えてリョクに似た人形になっていった。



「これがコイツの能力さ! 自分の眷属を作るスキル! 強さは元になった奴の一割程度だけど、解るだろ? このスキルの厄介さが…………!」


「お前が使うと、その人形の強さはお前の十分の一な訳だ。なるほど、厄介だな!」



 言いながら俺は一番近くの人形の頭を殴り潰し、胸倉を掴んで振り回し、別の人形共にぶつけて破壊した。


 強さが十分の一でも動きがダメだ、ぎこちねぇ。コレじゃあ俺の敵にはならねぇぜ。

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