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勇ましき者が極めるは道 ~任侠道を極めた漢、ダンジョン世界を無双する~  作者: ヤミマル


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九十の道 採集のナイフ、解体のナイフ

 農場ダンジョン七階層。



「あ、ちょっと待って! あれだけ採取したい」



 森の中を歩いてると、ケイネスがそんな事を言い出した。ケイネスが指差す先にあるのはヒョロリと伸びた植物。


 枝分かれもせず、葉も無い一本の茎の先に、ドングリの様な実が幾つか付いていた。


 初めて見る植物だ。記憶の中を探っても、コレに似た植物を思いつかない。なんだコリャ? いったいにしてどう言う植物だコレ?



「アレは中々見つけられない植物なんだけど、領主様が高く買ってくれるんだよね」


「父上が? …………もしかして、『シャアルハーブ』か? へぇ、こんな姿をしていたのか…………」



 領主が高く買うと言う情報は、俺的にはこんなモンを? 程度だったのだが、サゲンには違った様で植物の名前にまで行き着いていた。


 ってか、俺もその名前には聞き覚えがあるな。もしかしてアレか? あの髪が生えて来る様になる香辛料だ。なんか想像とだいぶ違うな。もっと葉っぱみてぇなモンを想像していたぜ。



「ちょっと待っててね。これ、慎重に採取しないと実が弾けちゃうからさ」


「実が弾ける? 意味が解んねぇな。…………おっと、そうだケイネス、ちょっと待てよ」


「え? 何かな」


「ちょっとコレ使ってみてくれ」



 採取するって聞いて思い出したぜ。俺のマジックバッグの中には採取専用のナイフがあった事を。いつか使ってみようと思っていたが、こりゃ丁度いい機会じゃねぇか。



「…………これ、ナイフ?」


「ああ、ちょっとしたツテで手に入れた『採集のナイフ』ってアイテムだ。多分使いやすいぞ?」


「多分?」


「ああ、使った事はねぇんだ」



 俺に渡された『採集のナイフ』を手に首を傾げるケイネスだったが、取り敢えず使ってはくれる様だ。ナイフを手に、シャアルハーブの実に手を掛けた。


 そして手際良く実を採集すると、ピタリと動きを止めた。



「…………ん? おい、どうしたケイネス」


「…………はっ! リューマ、これ凄いよ! このナイフ!!」


「なんだ、そんなに使いやすかったのか」


「そうじゃなくて! コレ!!」



 ケイネスが横に避けてシャアルハーブを指差す。いったい何を見せたいのかと俺達がシャアルハーブに目をやると、そこには、採取された実を『付けたまま』のシャアルハーブがあった。


 ん!? 何だ、どう言う事だ!?



「コレ、同じ物から二回採取出来るナイフなんだよ! 前にこう言うナイフがあるって父さんから聞いた事はあったけど、まさか本当にあるなんて思わなかった!!」


「嘘だろ…………」



 中の時間を止めるってマジックバッグもヤベェとは思っていたが、コイツも大概だな。じゃあ何か? このナイフを使って米の収穫なんてした日にゃ収穫量が単純に倍か? いや凄ぇな。本気で意味が解らねぇ。なんでこんなもんが存在するんだよ。



「コイツも魔法かぁ。ん? って事はコレもそうか? こっちは『解体のナイフ』って名前なんだがよ。もしかして、二回解体出来るとかじゃないだろうな。そんなの面倒臭いだけだろ」


「んーー。それは知らない。でも、解体するって言っても、ダンジョンだと消えちゃうよね? ウチの牧場みたいに、モンスターそのものがドロップアイテム扱いになるなら使えるかもだけど、それ専用とか? いやでもさ、そもそも解体用だとしたら小さ過ぎない?」


「確かにな。よく考えてみれば、この刃渡りで解体ってのは無理があるぜ。ドスの方がまだ使いやすそうだ」


「どす…………?」



 こいつは本格的にお蔵入りかもな。そんな風に考えながらマジックバッグに仕舞おうとしていると、ラベクがそれに待ったをかけて来た。



「待って下さい。『解体のナイフ』なら、知っています。知っている冒険者が持っていましたから」


「本当かラベク」


「ええ。それはダンジョンのモンスターを消えない様にすると言う、ダンジョンでの解体専用のナイフです」



 ラベクによると、普通に倒したモンスターが消える前に、何処でもいいからこのナイフを刺すと、ナイフが刺さっている間はモンスターが消えず、素材を持ち帰る事が出来ると言うナイフだそうだ。


 それは考えて無かったぜ。何せ、そもそも解体とか素材を取るって頭が無ぇんだよな。魚とか鶏程度なら捌けるけどよ。オークの肉は食うが、アレを捌くとなると一苦労だぜ。


 そう考えると、やっぱり使わねぇんじゃねぇかと思ったが、ここの常識だとモンスターの素材はお宝らしいからな。これも欲しがる奴は多いんだろう。



「まぁ、機会があれば試してみるさ。ケイネス、そっちの採取も終わっただろ?」


「うん。 …………ねぇリューマ。そのナイフって、売ってもらう訳には…………」


「うーーん。悪ぃな、コイツらはちょっと訳ありでよ。売って金にするってのはちょっとな」



 コイツは遺産として子孫に遺された物を、関係ねぇ俺が譲り受けた様なモンだからな。流石に売れねぇよな。信用出来る奴に託すなら、抵抗も少ねぇんだけどよ。



「そっか、そうだよね」


「だからよ、しばらく貸しといてやるよ。取り敢えず、このダンジョン抜けるまではな」


「いいの!?」


「おう、まずは使ってみてくれ」


「うん。ありがとう!」



 ケイネスにならナイフを譲ってしまっても良いとは思うんだが、ケイネスはあまり深い所まで潜らねぇって話だったからな。俺も使ってみてぇし、取り敢えずはレンタルでいいだろ。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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