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勇ましき者が極めるは道 ~任侠道を極めた漢、ダンジョン世界を無双する~  作者: ヤミマル


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八十二の道 歩む者達

 ウルミが鍵を開けた事で、回復魔法の魔導書は正式にウルミの物となった。ウルミは自分の物となった回復魔法の魔導書をまだ開かずに、その表紙に手を置いてみたり文字をなぞったりしている。



「ウルミ君。これを君にあげよう」



 オルーガが、腰に付けていたポーチから同じ物をもう一つ出して見せた。引退したとは言えゴールドの冒険者だから、当然の様にそのポーチは両方ともマジックバッグだ。


 しかも使用者登録が出来るマジックバッグであるらしく、オルーガはまだ使っていない物をウルミにくれてやるらしい。



「え!? これ、マジックバッグですよね? オルーガさんが持ってるヤツとは色が違うけど」


「一人だけだが、使用者登録が出来るマジックバッグだ。容量は小さくて、木箱一つ分といった所だが、魔導書を入れとく分には問題ないだろう」


「こ、これも高いんじゃ…………」


「値段はそうでもない。あまり使える容量でも無いからな。いまリューマが何気なく使っている最高級のマジックバッグと違って、中の時間が止まる事もない、ごく普通の代物だ」



 …………ん? 今なんか聞き捨てならない事を言わなかったか? 中の時間が止まる? いやいや、流石にそれは無ぇと俺でも解るぜ。…………無ぇよな?



「も、貰えませんよこんなの…………」


「いいから使いなさい。その魔導書が表に出る事の方が余程マズイのだから。それに気にしなくても、貸しはリューマに付けておく」


「は? 何で俺だよ」


「お前が持ち込んだ事なのだから当然だろう。この貸しは、何かで返せ」


「そ、それ! 私も混ぜて下さい!」


「あぁ?」


「貸しじゃなくて、借りです! 何か私に出来る事があればお手伝いさせて下さい! あんなの貰ったら、そうでもしないと…………後悔しちゃいます!」



 …………む。後悔と来たか。そう言われると、無下には出来ねぇな。…………いや、待てよ?



「そう言う事なら、さっそく一つ相談があるぜ」


「え、もう? い、いえ! 言ってみて下さい!」


「コレなんだけどよ」



 そう言いながら俺がマジックバッグから取り出したのは、魔導書と同じく遺産の中にあった丸めた紙、スクロールってやつだ。



「なんか、魔法を入れて使える魔道具らしいんだけどよ、コイツに魔法を入れといて欲しいんだ」


「二つありますね。解りました。回復魔法を覚えたら、入れておきますね!」


「…………そうか、回復魔法も入れられるんだよな。うん。なら一つは回復魔法で頼みてぇが、もう一つにはよ、死霊魔法を入れてくれ。あの骸骨が出るやつだ」


「死霊魔法…………ですか? た、確かに入れられますけど…………」


「リューマ、スクロールに死霊を入れて何に使う気だ?」


「別に悪用はしねぇがよ、ちょいと試したい事があってな。どうだウルミ、頼めねぇか?」


「…………死霊魔法を使うのを頼まれたのは初めてです。…………解りました! やらせて下さい!」


「おう、頼んだぜ」



 スクロールに魔法を入れるのは結構な集中力と魔力を使うらしく、いますぐには出来ない。まだ図書館が開館もしてねぇのに、いきなり疲労困憊だなんてのは洒落にならねぇからな。


 だもんで俺は、スクロールをウルミに預けて早々に図書館を後にして牧場へと向かった。


 牧場への道すがら、サゲンやラベクとも合流したのだが。二人共、革製の鎧に金属を付けた様な鎧に身を包んでおり、サゲンは円盾と剣を、ラベクは大盾と戦斧を持っていた。



「おお、装備出来てたんだな。まぁ似合ってるぜ」


「ありがとうございます! 兄貴、これで俺も一緒にダンジョンに行けますよ!」



 サゲンがそう言って意気込みを見せると、ラベクも俺を見て力強く頷いて見せた。


 あぁ、そうか。牧場にある農場ダンジョンの事はコイツらも知っているからな。ダンジョンの後継者であるケイネスを護衛しながらダンジョンに潜る俺に、ついて来るつもりなんだろう。


 正直、そりゃ考えて無かったな。二人には、俺が居ない間の牧場を領主の騎士達と一緒に護っていて貰おうと考えていた。明日からはケーシン達も来てくれる事になっているから過剰と言えばそうなんだが…………。



「リューマ殿。ぜひ、俺も同行させて下さい。貴方から見れば頼りないかも知れませんが、俺とてそれなりに名の売れた冒険者です。俺達の戦いぶりを、その目で確かめてください!」


「お、俺も! 俺もお願いします!」



 深く頭を下げるサゲン達に、俺は現役だった頃に部下だった若衆達を思い出した。



「テメェの身はテメェで護れ。それが条件だ」


「冒険者としての基礎ですよ、それは。もちろん自分の身は自分で護ります!」


「俺だって訓練して来ているし、ダンジョンだって初めてじゃないです! やれます!」



 ウルミと言いサゲンと言い、良い目をするじゃねぇか。若ぇ奴がしっかり前を向いて歩いている姿ってのは清々しいもんがあるよな。


 …………農場ダンジョンがどういう所だかは、一応、資料を貰ってあるし、軽く目は通している。これはネガーが先んじて用意してくれていた物だが、俺はそれをサゲンに渡した。



「これは…………?」


「農場ダンジョンの資料だ。暇があれば読み込んでおけ」


「はい!!」



 しっかりと頷くサゲンの心意気に期待して、俺はこの二人も一緒に農場ダンジョンへと連れて行く事にした。


 確証はねぇが、キナ臭いモノも感じているからな。信頼できる人の手なら、多い方がいいだろ。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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