表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇ましき者が極めるは道 ~任侠道を極めた漢、ダンジョン世界を無双する~  作者: ヤミマル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/112

七十九の道 追加の使命依頼

「話は解ったがよ、何とも受け取り辛え代物になったな、コリャ」



 正直に言えば、マジックバッグや回復魔法の魔導書は欲しかった。ジゴロムの子孫が見つかったら、譲ってくれと交渉する気でもいたのだが、まさかこの遺産が原因で一族が滅んでいるとは思わなかった。


 で、一族が滅んでいるから、遺産は見つけた俺の物だと言われても、気持ち良く受け取れる物でもねぇ。かと言って、一族の墓に埋めるのも荒らされるだけだし、売りに出そうもんなら、わざわざ騒ぎを起こす様な物だしな。


 まぁ、こうなりゃ有り難く受け取るがよ。いつかヴェルデスタ家の墓に手を合わせに行かねぇといけねぇな。



「受け取り辛い気持ちは、俺も解るがな。ジゴロムって男の事を思うとな、何ともやりきれないからな。だが、それもこれも百年以上前の話、もう伝説だ。有り難く使わせて貰えよ。ただ、言うまでもねぇと思うが、それが『ヴェルデスタ=ジゴロムの遺産』だって事は誰にも言うなよ。リューマはもちろん、ケーシン達とショウもだ。特にショウは、ギルドの人間にも漏らさない様に注意しろ」


「解りました」


「い、言いません!」



 ネガーの言葉にケーシンとネル、それにショウは即座に頷いたが、マルザは首を傾げた。



「黙っとく必要あるんですかソレ? だってヴェルデスタ家はもう無いし、遺産もこれで全部見つかった訳ですよね?」


「それでもだ。緑のダンジョンは多層式ダンジョンだしな、その一つで見つかったのなら、他にもあると考える奴は多いだろう。今の状況で冒険者が殺到してみろ。大きな事故も起こりかねん」



 そりゃ確かにそうだ。Dランクで遺産が見つかったなら、その上のランクにも有ると考える奴は多いだろう。



「それにな、当時から『ヴェルデスタ=ジゴロムの遺産』があるダンジョンとして、緑のダンジョンは最有力候補だったんだ」


「ん? そうなのか?」


「ああ、『ヴェルデスタ』ってのは古代語で『緑に輝く星』って意味でな。緑繋がりな上にジゴロムが亡くなる前に訪れたダンジョンの一つなんだ」


「なるほど、そりゃ確かに怪しいな」


「繋がりがあったのは確かですよね、あの幽霊みたいに現れたジゴロムさんも言ってましたし。それに他にも隠された財宝はありますよね。『他にも財宝を隠した』って感じの事を言ってましたからね」


「「……………………うん?」」



 ふと、ショウが言った事が気になった。ジゴロムの爺さんが、他にも財宝を隠したって言ってた? 言ってたか? そんな事。


 ネガーは俺と顔を見合わせてから、ショウを見て説明を求めた。



「どういう意味だ? 説明しろ、ショウ」


「え? あの、ここです。『このダンジョンを選んだのは、我が家名との縁を感じたからである。そしてこのダンジョンが多層式である事も理由じゃ。その真意は…………己で考えよ』って所です」



 ショウが示したのは、ジゴロムの爺さんが言った事を書き留めたメモだ。その中では確かに、家名との縁があると言っているし、…………多層式である事も理由だと言っている。


 多層式か。一カ所に遺産を全て置くなら、そんな事は理由にならないか。なら確かに、他にも財宝は隠されている事になる。



「…………マズイ。これはマズイな。ダンジョンで起きた事は本部と国には報告の義務があるんだが、確定情報として『ヴェルデスタ=ジゴロム』の遺産があるとなれば国が乗り出して来る事も有り得る。最悪、王族と貴族に冒険者とダンジョンに殺到して収拾がつかなくなるぞ…………! せめて数とどのランクにあるのかが分かれば先んじて手も打てるんだが…………!!」


「ネガー、何かヒントはねぇのか? 例えば、名前とか。ヴェルデスタに意味があったなら、ジゴロムの方には意味はねぇのか?」


「…………いや、無いな。家名については知られているが、個人の名前の由来なんて知られていないのが普通だろ」


「まぁ、そりゃそうだな」



 例えば長年連れ添った夫婦だとしても、名前の由来なんて中々話さねぇだろうな。あぁでも、俺は龍馬なんて名前だからよく聞かれたなぁ。


 俺の名前は俺の爺さんが付けたそうだが、由来はもちろん坂本龍馬だ。本当か嘘か、爺さんのそのまた爺さんが坂本龍馬と同門の剣術を習ってたとかで、その強さに惚れ込んでたらしい。そんで、自分の孫(俺の爺さん)に龍馬と付けたかったらしいが、当の本人が暗殺されちまってたから縁起でも無いと却下されたらしい。


 そんでその話と、俺の爺さんも坂本龍馬のファンだった事もあって、漢字はそのままに読み方を少し変えて『りゅうま』にしたそうだ。


 日本じゃよく『りょうま』と読まれて面倒臭ぇ思いもしたが、俺は気に入っている。それに漢字をそもそも使わねぇここだと、リューマで通ってるからな。何気に新鮮な気分だったぜ。



「…………リューマ、追加で指名依頼を頼みたい」


「内容は想像つくが、今はダメだぜ。先に牧場の方を何とかしてやりてぇ」


「解ってる。その後でいいから受けてくれ。依頼の内容は、『緑のダンジョンに『ヴェルデスタ=ジゴロムの遺産』があると知られる前に、回収する』だ。どうか頼む!」



 テーブルに両手をついて頭を下げるネガーを見て溜め息を吐きつつ、 俺は『牧場をなんとかした後で』と言う条件付きで了承した。


 俺も遺産を受け取ると決めた以上、無関係では無いからな。せめて遺産が、変な奴の手に渡らないようにはしてやりてぇじゃねぇか。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ