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勇ましき者が極めるは道 ~任侠道を極めた漢、ダンジョン世界を無双する~  作者: ヤミマル


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六十八の道 遺産の中身

「これは魔導書か? 前に見たヤツより豪華な装飾をされてるな。…………えっと、『回復の魔導書・中級編』? おぉ、回復の魔導書だったか」



 ダンジョンの物とは少し様子の違う、地面に固定された宝箱に入っていた魔導書は、探していた回復の魔導書だった。…………チッ。いやぁ探していたんだが、ここで出るかぁ…………。



「回復の魔導書!? しかも鍵付きの中級編!? おいリューマ! それとんでもないお宝だぞ!! こんな所にあっていい代物じゃない!!」


「ホントだぜ! それをオークションにでも出したら一生遊んで暮らせるぞ!! 教会どころか、国が買いに来るからな!!」


「うるせぇ! 騒ぐな!! お前ら勘違いすんなよ? こいつは他人様の物だ! しかも遺品、俺達が手を付けて良いもんじゃねぇ!!」


「「「「……………………えぇっ!?」」」」



 俺が一喝すると、何故かネルやショウまで驚いた顔を見せていた。こいつらマジか。子孫に向けて遺された遺品なんだから、まず遺族に返すのがスジってもんだろうに。欲しい物の交渉を遺族とするにしたって、そりゃ返した後の話だ。



「とにかく少し黙ってろ。俺は遺品を確認しなきゃならねぇ。おいショウ、手伝ってくれ」


「え…………。あ、はい」



 なぜか呆けた顔でフラフラやって来るショウを隣に座らせて、俺は他の遺品も見てみた。



「この丸めた紙はなんだ? 紐で纏められてるが、何も書いてねぇな」


「えっと、それは『スクロール』って言って、魔法を封じ込める物です。封じ込めた魔法は元の半分の威力になるし、一度しか使えませんが、使う時に魔力がいらないので誰でも使えるって言う使い捨ての魔道具です」


「…………よく知ってるな?」


「スクロールは偶にギルドに売られますからね。要らない人は要らないみたいで」


「ふぅん、それが二本か。この革製のバッグは何となく解るぞ。マジックバッグってヤツだろ?」



 俺が革製のバッグを持ち上げると、宝箱に入っていた折り畳まれた紙が一緒に付いて来て、地面に落ちた。


 ショウが拾って中を見たのだが、どうやらその紙は宝箱に入っている物の説明書だったみてぇだ。ショウはそれを読み、俺が持ってるバッグと照らし合わせた。



「みたいですね。しかもこれ、使用者を設定出来るヤツみたいです! これも凄い高級品ですよ? 設定した人しか使えないマジックバッグなんて、普通出回ったりしませんからね!」


「へぇ、そりゃ良いな。設定出来る人数は一人だけなのか?」


「いえ、五人までと書かれています」



 俺はそれからも、ショウと一緒に説明書を読みながら遺品を確認していった。


 次は二本のナイフだ。説明書によると、この刃に独特な紋様が刻まれたナイフは、一本が『採集のナイフ』、もう一本が『解体のナイフ』と言う、作業効率を上げる為の魔道具だった。


 さっきの爺さんは、冒険者をやっているであろう子孫の為に遺したとか言っていたが、確かに便利そうだ。


 だがよぉ、ここまで入って来れる冒険者なら、もうとっくにナイフを持ってると思うんだよ。意味あんのか、コレ?


 で、宝石はただの宝石だった。特に力は無ぇが、装飾品なんかに使われるから高く売れる。宝石についてはそのくらいしか書かれておらず、これらの宝石は本当にただの遺産だったみてぇだ。



「こんなとこか。じゃあ後は纏めてギルドに報告だな。ショウ、これ仕舞っといてくれ」


「いやいやいやいや! 本気かリューマ!? これ別に、発見したお前が全部手に入れて良いものだぞ!? だってダンジョンにあった物なんだから!!」


「そうだぞリューマ! マジックバッグも欲しがってただろ!? それ、かなり良い物だぞ!!」


「馬鹿野郎!! これはただ隠してあったんじゃねぇ! 子孫の為に遺されたジジィの気遣いだ! こいつに手を付けるのは仁義に反する! 持ち主が解る財布を拾った様なもんだ。そんなもんただ懐に入れたら、懐が寒くって腹壊すぜ。コイツはまずギルドに届ける。ギルドなら、家名があるなら子孫を探せるだろ」


「それはまぁ、大丈夫だと思いますけど…………」


「しょうがないよね。リューマだもん」



 ケーシンとマルザは呆然とし、ショウとネルは苦笑していたが、取り敢えずこの遺産の事はギルドに任せる事になった。



「さてと、せっかくの安全地帯だし、ここで休んでいくか。星も月も見える所で休めるなら、気分も良いだろうしな」


「…………はぁ。解った。マルザ、ネル、野営の準備をしよう」


「…………あぁ、そうだな。…………あーー、勿体ねぇ。いや別に、誰かの物にするんだとしてもリューマの物だけどさぁ…………」


「ボヤかないの。夜の森は冷えるから、テントも張ろうか。ほら、マルザ手伝って。ケーシンは火をお願い」


「「はいよ」」



 三人が野営の準備をする中、俺は念の為周囲の安全を確認し、ショウは洞窟内の壁にある紋様を、一部だが書き写していた。


 なんでもダンジョンの中に物を残すなんて事は、これまで不可能とされていた技術らしい。ショウとしては、その不可能である筈の事を可能にした技術に、興味があるそうだ。



「これは多分、元々安全地帯にあった洞窟を岩に偽装していたものです。今までは結界でその状態を維持していたのでしょうが、結界が壊れた今、そのうち元に戻ってしまうでしょう。なのでせめて一部でも、記録に残しておきたいんです!」



 一心不乱に記録するショウの姿を見て、コイツはまだ子供に見えるが、一端のギルド職員なんだなと、俺は感心したもんだ。

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