表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇ましき者が極めるは道 ~任侠道を極めた漢、ダンジョン世界を無双する~  作者: ヤミマル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/112

四十八の道 借金奴隷

 奴隷とは、大きく三つに分類される。


 犯罪奴隷、戦争奴隷、借金奴隷だ。


 一度落とされたら最後、二度と浮き上がる事が出来ないのが犯罪奴隷だ。彼らは過酷な労働や、危険極まりない場所の作業で使い潰される。


 彼らに自由は無く、呪いによって主従関係を刻まれているので、例え主人となった者が死んだとしても解放されず、即座に彼らも死ぬ様に縛られている。


 次が戦争奴隷。戦争で負けた国において、戦い関わった者達が戦争奴隷となる。捕虜と同じかと考えていたのだが、どうやら捕虜より重いらしい。


 一応彼らには希望がある。関係のある国や家族等によって賠償金が支払われるか、奴隷となった国からの恩赦で放免される事もある。ちなみに犯罪奴隷にも恩赦はあるが、その場合の放免は現世からの放免である。もう苦しまなくて良いよ、ってやつだ。


 最後に借金奴隷。彼らは単に、法でガチガチに縛られただけの労働者だ。


 主人となった者は彼らの生活を面倒見る義務が発生し、酷い扱いをすれば主人の方が犯罪者として捕まる。


 仕事をすれば給金が発生し、それらを使って自分の借金を完済すれば契約は満了となり放免される。借金奴隷は一種の職業ともみなされているので、普通よりは面倒だが、正規の手続きを取れば結婚したり家を借りる事も出来る。まぁその辺は主人次第だ。


 と、言う訳で。俺はサゲン達の生活の面倒を見る義務が出来ちまった。とは言え、俺とて冒険者ギルドで世話になってる身だ。


 一応、金もあるが新参者の俺は信用がねぇ。取れる手段も多くねぇ。そりゃイーレッド子爵家の名前でも使えばイケるだろうが、それは筋が通らねぇ。二人の身柄を引き受けたのは俺だからな。頼るツテがあるとすりゃ、それは俺のツテだ。



「…………って訳で、取り敢えずここに連れて来た。世話になってる身で肩身が狭いが、コイツらも宿舎に住まわせていいか? 俺の部屋に三人でも構わねぇからよ」


「…………ギルドで起きた騒ぎは知っているし、リューマが領主の屋敷に向かって走って行った報告も受けている。…………これでも俺は心配していたんだぞ? それが、何がどうなったらこうなるんだ?」


「それを今、説明したとこなんだがな」



 冒険者ギルドのネガーの執務室で、ネガーは対面のソファーに座っている俺と、ソファーの後に立っているサゲンとラベクを見て溜め息をついた。



「改めましてサゲンです! 何でもやりますので! よろしくお願いします!」


「ラベクです」


「知ってる。…………いや待て、お前は本当にサゲンか? 俺の知ってるサゲンとずいぶん態度が違うが…………」


「俺は間違いなくサゲンです! 兄貴の拳を喰らって目が覚めただけです!」


「…………兄貴?」


「俺の事だ」



 イーレッド子爵邸でサゲンと再会した時、サゲンはまず最初に頭を下げた。そして、俺とケーシン達に対しての謝罪を口にした。


 ケーシン達への謝罪については本人達に言えと突っぱねたが、俺との事についてはもう話がついている。サゲンとラベクは、二人とも俺の借金奴隷になる、と伝えた時。


 サゲンは俺にもう一度頭を下げ、「弟子にして下さい! 師匠!!」と口走ったのだ。


 当然のように俺は拒否したのだが、教えてくれなくても俺の姿を見て勝手に真似ると言うサゲンの言い分が気に入って、なら兄貴と呼べと言ったのだ。



「師匠は嫌で、兄貴呼びは良いのか?」


「慣れてるからな」


「…………? まぁいいや。取り敢えず話は解った。仕方ないから、宿舎の一階にある三号室をサゲンとラベクで使ってくれ。足りないベッドは使ってない部屋から自分達で運べ」


「おう、助かるぜ」


「その代わり、二人にもギルドで働いて貰う。宿舎を貸すんだから当然だがな。ちょうど人手も欲しかった所だったからな」



 サゲンは俺との初対面ではアレだったが、子爵家の次男だ。当然ながら一通りの学歴がある。ラベクも冒険者としてはベテランなので、それなりに学んでいる。


 まだこの国の字が書けない俺よりは、数倍頼りになる人材だ。イーレッド子爵家の事もあって、粗略には扱われないだろう。



「すまねぇな、世話かけるぜ」


「いや良いさ。これでリューマとの繋がりがより強く成るなら、むしろ得の方が大きい。だがなぁ! やり過ぎるなよ! くれぐれもだ!!」



 急にテーブルに手を置いて身を乗り出し、目を血走らせて大声を上げるネガーに、俺は身を引き、サゲンとラベクは一歩下がった。


 ネガーが言っているのはアレだ。Eランクの緑のダンジョン・九階層の話だ。俺は確認していないが、あの後ネガーはダンジョンまで確認しに行き、あの九階層が焼け野原のまま定着しているのを見て来たそうだ。


 ダンジョンの階層環境は大きく変化しない。それが今までの定説だった訳だが、俺がそれを覆してしまった。環境はおろか、モンスターもそこから取れる魔石すらも変わっていたと聞き、実際に赤い線の入った魔石を見せられた時は、流石に少し悪い事をした気になったぜ。



「解ってるよ、何度も聞いたぜ。完全に約束は出来ねぇが気をつけるからよ」


「…………はぁ。いや俺だってそうそう有る事だとは思って無いが、アレのせいで俺の仕事が倍増したんだよ。上にも国にも他支店にも報告書を書かないといけないんだからな。…………ウンザリなんだよ」



 深い溜息と共に項垂れるネガー。こりゃマジで苦労しているみたいだな。今度なにか、甘い物でも差し入れてやるとしよう。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ