表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇ましき者が極めるは道 ~任侠道を極めた漢、ダンジョン世界を無双する~  作者: ヤミマル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/112

二十の道 スキル《モン紋》

「よし、話がまとまった所で、まずは冒険者としての登録だな。これは身分証にもなるから、作っておいて損はない。ギルドとして、リューマにはいきなり迷惑を掛けたからな。登録料や書類の作成はこっちでやっておくから、幾つか確認だけさせてくれ」


「ああ、よろしく頼む」



 俺はネガーに言われるままに質問に答えていく。何の事はない、名前やら出身やらの確認だ。



「得意な武器や魔法はあるか?」


「好きなのはステゴロだが、武器なら一通り使えるぜ? ちゃんと習ってはいねぇがな。魔法は使えねぇ。使ってみてぇとは思うが」


「ふむ。…………ステゴロってどんな武器だ?」


「ああ、要は素手って事だ。やっぱ自分の拳で殴るのが一番しっくり来るんでな」


「…………そうか素手か。そういう奴は珍しいな」



 ネガーは微妙な顔をしながらも、手にしたボードに付けた用紙に書き込んでいく。…………そうか、考えてみればここの奴らが相手にすんのは、あのオークやらミノタウロスやらって人外ばかりか。他にどんな奴がいるのかは知らねぇが、竜くらいなら居てもおかしくないのだろうな。となると、当然武器で戦う事になるから、素手でって奴は他に居ねぇんだろう。



「何かスキルは持ってるか?」


「スキル? …………あぁ、得意なもんか? そうだなぁ、博打のツボ振りとかテキ屋の店とか、シノギになりそうなのは一通りこなせるぜ? 一番得意なのは喧嘩だが、普通の仕事には役に立たねぇか」


「あ、いやそうじゃなくて、スキルだよ。…………えっとそうか、決闘の最後にラベクが使っていた《身体強化》とか《ウォークライ》とかの事だ」



 スキルなんて言うから、何か仕事に役立ちそうな特技やら特別な免許やらの事かと思ったが違ったらしい。どうやらネガーが言っているのは、あの喧嘩の最後にラベクが急に強くなったヤツの事だな。あれも魔法の一種なんだと思うが、どう違うんだ?



「んん? …………うーーん。よく解らねぇが、魔法の類いは…………あ? いや待てよ。そういや決闘の最後に、スキルがどうとかって声が聞こえたな。紋々がどうしたとか…………?」


「…………声? …………まさか『神の声』か!? ちょっと待ってろ!」



 ネガーはボードを放り出して立ち上がると、自分のデスクの引き出しから一枚の紙を取り出し、それを持って来て俺の前に差し出した。


 何も書かれていないが、妙にゴワついて古臭い紙だ。大きさも葉書よりは少し大きいってくらいだな。



「なんだ? 何か書けばいいのか? でも俺は日本語しか…………」


「いや違う。コイツは『スキルシート』って言う、ダンジョン産の魔道具だ」


「…………ふぅん? 俺にはただの紙に見えるが。それで? どうすればいい?」


「この紙の真ん中に、血を一滴落としてくれ。リューマが何かスキルを持っているなら、それで解る。ただ、一つ覚えておいて欲しいんだが、スキルってのは基本的に秘匿するもんだ。持っているのが珍しいスキルや強力なスキルである程、面倒事も増える。最悪、スキルが原因で拉致されたり殺されたりもある程だ。スキルを他人に知られるのは、それだけ危険だって事だ」


「ふーーん、なんだかよく解らねぇが、覚えておくよ。で? ここに血を落とせば良いんだな?」


「おい、本当に解ってるか? お前は『迷い人』だ。ギルドの記録にある情報では、『迷い人』はその殆どが、珍しいスキルを持っていたって話だぞ? 『レアスキル』や、『ユニークスキル』なんてのもあったらしい」


「レアは解るがユニークって何だ? そんなに面白い能力だったのか?」


「ユニークってのはな、レアより希少で特殊なスキルって事だ。そんなのは特に人に知られない方がいい、上手く利用しようって輩がわんさか出て来るからな。だから、俺達に知られたくないなら言ってくれ。本来ならこの魔道具を使う以上ギルドには報告義務があるんだが、今回だけなら俺はよそ見をしてても良い」



 ずいぶんと気を使われているな。しかしユニークねぇ。まぁ考え過ぎだと思うが…………。



「何にしても問題ねぇよ。ケーシン達は信用できるし、あんたも悪い奴とは思えねぇ。それに、変なアヤつけて来る奴がいたとしても、この拳で黙らせるだけだ」


「アヤ…………? リューマの言葉は、ちょいちょい訳の解らない物が混じるな…………」


「…………因縁ふっかけるって意味だ」


「まぁリューマの言い分は解った。俺達に知られても問題ないなら、血を落としてくれ。ほら、ナイフだ」


「おう」



 ネガーから借りたナイフで小指の横に小さな傷をつけ、拳を握って紙の中心に血を一滴垂らした。すると一滴の血は小さく分裂すると紙の上を滑る様に広がっていき、徐々に文字として読める形になっていった。


 小虫が這ってるみたいで気持ち悪いし、どう見ても血の量より文字数の方が多いだろうと言う疑問も湧いて、俺はちょっとだけ身を引いた。


 そして文字が全て書き上がり、血の跡が黒く変色すると、ネガーが俺の前に紙を押しやって来た。まずは俺に読めと言う事か。



「リューマは書けないだけで、読む事は出来るんだよな?」


「ああ、何でだか知らねぇが何故か読めるな。見た事が無い言語なのは変わらねぇのにな」


「それも『迷い人』の特徴だな。まぁ、まずは読んでみろよ。そんでやっぱりマズイと思うなら、話せる範囲だけ教えてくれ」


「気を使わせたな。じゃあ、先に読ませて貰うぜ」



 俺のスキルとやらが書いてある紙には、こんな事が書かれていた。



 《モン紋》

 ・自身が戦い倒したモンスターで、戦いの最中に認め合い、ある種の絆を築けたモンスターの能力をその身に宿す事ができる。

 ・発動中はそのモンスターの姿絵が紋章として背中に現れ、それに応じて身体的にも多少の変化が現れる。服や鎧で紋章を覆っていてもスキルは発動するが、外に出ていた方が威力は上がる。

 ・『現在使用可能な紋章』

 ☆炎斧のミノタウロス



「うぅん? なんだこりゃ?」


「どうしたリューマ? そんなに難しいスキルだったのか?」


「いや、書いてある事はわかるんだが、理解が追いつかねぇと言うか、要は入れ墨が入るのか? で、その分だけ強くなる? …………炎斧のミノタウロスってのは、あの牛鬼の事だよなぁ。確かに拳を交えたし、あの闘争心は見事だったがよぉ…………」


「…………リューマ、見ても良いか?」


「おう、むしろ見て教えてくれや。ケーシン達も頼むぜ」


「俺達も良いのか? …………解った」


「正直言って気になってたぜ」


「うん」



 で、その場の全員に見てもらった結果、俺のスキルとやらは間違いなくユニークって奴だそうだが、やはりネガー達にも良く解らないらしい。まぁ折角だ。取り敢えず試してみるか。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ