ロックンローラーは泣かない
ある男がいた
男はこの前亡くなった
俺は男とは親友だった
色々なバカをした
一番の若気の至りはろくにギターも弾けないのに
ドラムも叩けないのに
流行っていたからという理由で
バンドなんかやったりした
ロックンロールに憧れて
雰囲気だけでもできるんだ
俺はロックンローラーだと
思っていた
馬鹿な事をしていたが
お前と一緒の時は一生分笑った
最近では家庭もできたが
年に何度か会ってたらふく酒を飲んで
昔話ばかりしてまた笑っていた
それなのにこんなに早くお前が逝くなんて
思ってもいなかった
お前の友人や家族はなんであんないい人がと
話し泣いている
でもお前の墓の前で俺は笑いたい
男の別れに涙は似合わない
笑顔で送り出そう
いかん雨が降ってきた
頬に水滴が流れ落ちる。
読んでいただきありがとうございます。