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龍人少女の召喚探究記  作者: スカイア=ライメト
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第三話 自主的な襲撃イベント

 結局は盗賊討伐でもしようかなと思って森に来たよ。今着いたことだし、送還しといた精霊達を呼んどくか。ギリギリ集団戦出来そうな所でよかったよ。

「【召喚術・召喚:黒武者】、【召喚術・召喚:黒武者】、【召喚術・召喚:黒武者】、【召喚術・召喚:白の武者】、【召喚術・召喚:白の武者】、【召喚術・召喚:白の武者】ッ!」

 く、口が疲れるッ!それに息が切れてきたね。頭もフルで使ったから糖分が欲しい。糖分に変わるデンプンがある穀物しか持ってねぇや。お米だけどね?嬉しいよそりゃ。でも今はチョコとか果物とかの甘い物が欲しいんじゃあ!

 ふう、すっきりした。六体は茂みとかの死角になる場所、草とか土とかで覆って疑似ギリースーツにさせて隠したよ。フフッ奇襲をしてやるからな!さぁ、フラグをドンドン立てていくぞぉ!声に出した方が成功率上がるかな?いや物欲センサーがあるか…。

「お…俺、街に帰ったら武器買うんだ!」

 出来ればナイフとか日用雑貨が欲しいんだよね。折角食料を貰ったから、料理した方が良いじゃん?それに、刀で一々耳切ってもねぇ?

「大丈夫、ちょっと休めばすぐに元気になるから」

 え?何がだって?勿論財布だとも!懐を温かくしたいからさ、仕方が無いよね。来てもらわなきゃ困るぞぅ!

「いま何かが……いや、気のせいか。まさかね、何も無いでしょう」

 来てもらわなきゃ困るから!(二度目)何かドキドキしてきた。可笑しいなぁ?フフッ楽しみだなぁ!まっ足元掬われないように気を付けるけども。

「先に行け!後で必ず合流する!」

 宝物とかね。合流地点はアイテムボックスかな?いやでも、そこまで良い物がない気がしてきた。

「いいか、振り返るなよ?絶対だからな。え?」

 ここで振り向く!居るかな?居るかな?うし、こんなもんかな?さぁこい!来るんだ!この叢を掻き分ける音は!来ったーーー!四人って丁度良い数なのも最高だね!

「ヒャッハー!こんな所に美少女が居るぞ!」

「ヒャッハー!掻っ攫って奴隷商に売り払おうぜぇ!」

「ヒャッハー!その前に一発やろうぜぇ!」

「ヒャッハー!」

 ご待望のヒャッハー!がセリフに付くお馴染みのモヒカン達、雑魚かもしれない者共だね。それにしても、全員喋り出しがヒャッハー!なのはどうかと思うけど。それに何かコピペ染みてるし、内容が陳腐でテンプレ過ぎやしませんかねぇ?

●◆●視点変更●◆●

 先ず隠れていた位置から一番近い一人から、二体の〔黒の武者〕の槍に依る奇襲を受け脱落した。

「はぁ!せいっ!」

 彼女が先ほどの攻撃で動揺している片割れを、気迫と共に一突き。だがその攻撃は狙っていた喉仏には当たらずに、股間に直撃し地獄の懲罰を受けたような声を上げる。

「ぎぃぃぃぃぃぃいいいいぃいいぃいあぁあああぁあっ!」

 残りの内一人は果敢にも鴉狐に斬りかかり、彼は危うく裂かれそうだ。しかし、余裕をもって対処することが出来たため、傷を負わなくて済む。よく見ると服の端が切れているのが見えるため、間一髪の方が正しいかもしれないが。

 そして、奇襲で仕留められなかった一人は、〔白の武者〕二体がかりで痛め付けられている。その様子は殺されずにいるよりも猶酷い。ある程度痛めつけられたところで、彼女は気付き思いついた。「そいつらの拠点に帰らせて、お宝を取ろうじゃないか」と。何て悪魔めいた発想だろうか。

 がわだけは美少女な彼女を標的にし戦闘を仕掛けた、盗賊がいっその事哀れである。ヒャッハー!などと宣言せずに襲えばいいものを。盗賊に堕ちた時点で学はお察しだし、性と言えばそこで終わってしまう。まぁ、盗賊に行き着き考えもせずに悪行を為し、為そうとした者共の末路はこんなものだろう。

●◆●視点変更●◆● 

「ひぃ!あ・・・あいつ何なんだよ!何なんだよ!」

 フフッフフフッフフフフフ。逃げてる、逃げてる!反省を踏まえて死体は早めに回収しておこうか。絵面が完全に殺人現場だからね。入れられるかな?…入れられました。嘘でしょう?流石に人だけは、入らないと思ったんだけど。アイテムボックスの画面を開いて、それに押し付ければ簡単に入れられると言う。何たるこの強引さ、嫌いじゃないね!盗賊は仕舞ったけど、血痕だけはどうにかならんのかね?死体を隠しただけじゃないですかー。やだー。

 この現場見ても、あまりグロくは感じないよ。フィルターでも掛かっているのかな?罪悪感が湧かないのも何とも言えないねぇ。RPGで慣らされたからか、現代の世情かな?一昔前、二昔前とかだったら違ったかもだけど。

[スキル〈身体狂化:1〉〈思考狂化:1〉〈思考強化:1〉を取得しました]

 レベルアップ以外で久しぶりに聞いたよ。だけど声音が少し違う気がする。この機械的だけど、綺麗で透き通るような女声は。にしても結構簡単にスキルが得られるんだね?難しいって書いてあったから拍子抜けだよ。だけどさ、失礼なスキル名だな!〈身体狂化〉とか〈思考狂化〉は物々し過ぎるよ。行動か?さっきの行動が悪いのか?〈思考強化〉は効果が良さそうだけどね?だけど他がね可笑しいよね。ねぇ?スキルの効果が良ければ、まだ許せるけどさ……。折角だし見ていこうかな。

・〈身体狂化〉

 効果:体を肥大化や巨大化させ、それに伴う近接系のステータスを増加させる。肥大化や巨大化の上限はレベルと比例する

 使用条件:身体狂化と念じ魔力を消費する。使用中は魔力が継続的に消費される。魔力が枯渇した場合、強制的に終了する


・〈思考狂化〉

 効果:思考が狂化状態に移行し、脳の上限を外すため近接系のステータスが10%上昇。ただし、限界を超えて酷使するため戦闘終了後に、ステータスが50%強制的に低下させられる。その時の状態により10分~1時間ほど継続する

上昇上限や低下上限、低下時間上限はレベルに比例する

 意識が途絶えた場合体が壊れるまで周りを殺し続けるだろう

 使用条件:戦闘行動をとる場合、自動で使用される。魔力は消費せずに使用できる


・〈思考強化〉

 効果:思考が強化され、物事を素早く考えられるようになる。

    加速度上限はレベルに比例する

 使用条件:思考強化と念じる。思考強化と再び念じられるまで効果は継続する


・狂化状態

 解説:敵を葬るために最適な行動をとり、体の限界を超えた運動を行う。制御をしなければ、敵か味方かの判別しか出来なくなる。長期間浸る場合は脳の深部まで浸食されるため、視界に入る全ての生命体を敵と認識するようになる

 〈思考強化〉は常時発動出来るから、発動しておくとして……残りの二つはどうしよう?見た目とデメリットが酷過ぎること確実だよ!?〈身体狂化〉は見た目が悪くなることが確実だし、〈思考狂化〉は戦闘状態に為ったら勝手に発動するから止められないよね。デメリットが頭可笑しいんだけど!?最後の一文に闇を感じるね。

それに加えて、〈思考狂化〉の狂化状態の解説が怖いんだけど。制御かぁ………出来る自信がこれっぽっちも湧か無いよ?これは逆に連続戦闘が出来なくて、良かったと考えた方が精神を安定させられそう。〈身体狂化〉とか誰得だよ!誰も得しないよ!動きは絶対に鈍りたくない!……ふぅ少しすっきりしたね。

 追いかけるとしますか。血が見えるぐらい垂れてたから、大まかな方向は分かるからね。多量出血で死なないでおくれよ!〔黒武者〕と〔白武者〕達は森の中で動き難いし、金属が擦れる音でばれると嫌だから。送還といきましょうか。

「寄る辺の門よ 閉じよ【召喚術・送還:黒の武者】、【召喚術・送還:黒の武者】、【召喚術・送還:黒の武者】、【召喚術・送還:白の武者】、【召喚術・送還:白の武者】、【召喚術・送還:白の武者】」

 口が疲れるなぁ!これでも元の召喚よりかは楽だけども。セットでお得!みたいな召喚とか送還が出来ないものかね?まっ今は追いかけることに集中するとますか。

「はぁ、はぁ、はぁ。何なんだよあいつは!」

 それは必死になって走っている。俺のことを仲間たちに伝えるためだろうけど。だけど、今は宝物を捕らぬ狸の皮算用で満杯だよ。どんな宝物が待っているか、それらを得てどんな事をしようかと。多分歪んだ笑顔なんだろうなぁ。精霊達の鎧は曇ってて、見え難いんだよね。

 そいつが誤算だったのは、俺の居た方向に意識を向けさえすればね。さして気配も臭いも音も消せてはいないし、一定の距離を保ちながら付けているから。だからこそ、気づければ撒けていたかもしれないね。まっ本人は焦っていて考えも出来ないようだけど。

 考えが至らないって怖いよね。重々承知だからこそ気付き難くなると。俺も気を付けてはいるんだけど、中々いかないものだね。っと、盗賊の拠点(アジト)に着いたね。〔黒武者〕と〔白武者〕を静かに召喚しますか。え?追っていた盗賊はどうしたんだって?騒がれる前に殺ったよ。俺の存在が知られると、面倒ってもんじゃないからね。

 多人数戦闘は多分出来るけど、危険極まりないからネ!それに〈思考狂化〉が奇襲だと、発動しないのが分かったからさ。一人のために使うよりも、後の戦闘が無い状態で使い足し、それにデメリットが高いから使いどころは難しいけど、有効活用した方がいいしさ。

「【召喚術・召喚:黒武者】、【召喚術・召喚:黒武者】、【召喚術・召喚:黒武者】、【召喚術・召喚:白の武者】、【召喚術・召喚:白の武者】、【召喚術・召喚:白の武者】」

 早口でやらなくて良いね。突入前に疲れてたら意味がないし。潜入しますか!その前に中に居る盗賊共に、俺のことを伝えてもらっては困るから……。  

「見張り、ご苦労様」

「え?ガッ!」

 口を押さえて喉を掻き切る。うまく、声を出させずに出来たね。〔黒の武者〕と〔白の武者〕は隠密には不向きだから、先行して陽動してもらおうか。俺は後から陰に隠れながら、さっきみたいな暗殺者(アサシン)スタイルで遊撃(チョッカイ)に回ろうかな。いや、まだ増やせそうだから増やそうかな?でも、通路狭いからなぁ。減ったらでいいか。

「何だ!この不気味な鎧達は!国の武士団か!」

「俺たち〔黒の春雨〕はまだ国にはばれて無い筈だぞ!」

「ひっ!ひぃぃいいぃぃい!」

「ぐはっ!」

「ごべらッ!」

 お、最後の奴解ってるね。いやでも、この子達流石にここまで強くはならないよね?何でだろう。

「がはっ!」

「うっうう」

「げばらッ!」

 またもや良いセリフを吐いてくれた奴がいるね!おや?歩みと声が止まったぞ?最奥にまで辿り着いた感じかな?これじゃあ宝物には期待出来そうに無いね。せめて現金だけでも欲しいな!

「おい!てめぇが俺たちのアジト荒らしてくれた奴かぁ?」

「まぁね?あ、でもそっちに行った奴い無い筈なんだけど」

「はっ!声が聞こえたからなぁ!耳は良いんだよなぁ!」

「耳だけの間違えでは?」

「このアマがっ!俺が寛大な気持ちで、許してやろうとしてたのになぁ!泣いても許さねぇぞ!」

 挑発は上手くできたかね?禿げた頭が茹蛸みたいになっているから、成功と言ってもいいのでは?それにしても、陳腐だねぇ。もっとセリフは無いのかね?俺が言えたことじゃないけどさ。

●◆●視点変更●◆●

「くらえよなぁ!」

 スキンヘッドの大男――――〔黒の春雨〕の頭、マッジハーゲテル――――は大きく斧を振るが、鴉狐には当たらない。避けれなければ斧が〔黒の武者〕のように、大きい音を奏でながら二つに割れていたかもしれないからだ。実際、避けてはいられているのだが、当人以外から見るとハラハラしかしない危ういものだが。 

「フッ(この広さなら増やせるかな?一体やられたことだし)」

 ニヒルな笑みを…浮かべられはしないが、彼にはその笑みが挑発に見えたようだ。彼が更に頭を紅く染め上げている間に、彼女はお替りの如く三体ずつ召喚した。

「この糞野郎ぉがぁ!」

「野郎じゃないですぅ!美少女だよ!見て分からんのか!?」

「糞がぁ!!」

 怒りのままに斧を振っているが、〈思考狂化〉を使用されている彼女には、決して当たるころはないだろう。戦闘シーンに度々見られる、華々しくも激しい戦闘には為ってはいない。相手は赤々しく禿しい頭を持っているけれども。

 だが、後この戦闘も(じき)に終わるであろう。彼に疲労のかげが見え、息も切らしているからだ。何せ戦闘を主体で繰り広げているのは彼女ではなく、疲れ知らずの精霊達だからだ。物量万歳!疲れ知らずの兵士万歳!という話である。これには畑で兵が補充出来る国も驚きだろう、待たなくとも一声発し魔力を使うだけで出て来る兵士であるからだ。例え、質が上回っていたとしても、その質が十人力なら十一人で百人力なら百一人を用意すればいい話である。一騎当億などの英雄が出れば話は違ってくるだろうが、そんな者は早々いない。

「頭がだんだん慣れてきた。それじゃぁ、付き合ってくれて有難うね?」

「なんの話しだぁ?」

 後ろから急に話しかけられ、彼は戸惑っているようだ。目の前に襲い掛かってくる精霊共に、対応を追われていたためであろう。動きが遅れたその瞬間、鈍い音を立て首が切り落とされた。切り口は綺麗ではないが上々の成果である。

こうして、技も拙く派手さの欠片も何もが無い、見応えが存在しない戦闘が終わった。彼も因果応報を噛み締めているだろう。地獄か煉獄かはてさて無なのかは、死んだ本人にしか分からない。奪う側が奪われる側に回るのは、何と呆気ないものであろう。こう言っては失礼だろうが、栄枯盛衰此処に極まれりである。

●◆●視点変更●◆●

 さて、お宝を守るボス戦も終わった事だし、おまちかねの漁りタイムと洒落込もうか。おっと、その前に少し数を減らしとかないとね。

「寄る辺の門よ 閉じよ【召喚術・送還:黒の武者】、【召喚術・送還:白の武者】、【召喚術・送還:白の武者】」 

 結局残ったのは五体で、残すのは一種類づつだね。少し生存が〔白の武者〕に偏り過ぎたね?やっぱり防御力あるんだ。それにしても禿げ頭は強敵でしたね。え?お前は良いとこ取りしただけだろうだって?そんなー。

待ちに待った金銀、財ッ宝ッ!良い物が在ったら良いなぁ、程度に思っとくとしますか。気分の落差は、少なくしたが方精神的にいいしさ。行くか!宝物庫(?)へ!

よし、着いたね。さあ、御開帳!と行きまs……ここには牢屋なんて物は無かった、良いね?「…あ…あの」何も聞こえない、良いね?「…えぇ。…だから…あの」聞こえない、良いね?「…聞いて…ください」聞こえなーい。俺には何も聞こえないヨ!………駄目だ、これ以上無視出来そうにないね。

「はて、何かな?」

「…助けて…下さい」

 聞き間違えだと信じたいね。いやこう考えるんだ、情けは人の為ならず。我が事のためであるt「…助けて…下さい。…お願い…します」ええぇ。もう少し考えさせてくれよ。

「嫌です」

「…なぜです?…あなた…鬼か悪魔…ですか?」

 何でかってねぇ?爬虫類系の尾と蝙蝠の翼を太く硬くしたもの、後ろに伸びる角を生やして、目が金色の蛇眼な幼女なんてね?厄介事の匂いしか香らないんだけど?だって、〔瑞穂〕を見ていて、誰一人ともいなかったからね。

……どうしようかな?夢溢れる金銀財宝を探しに、意気揚々と入った洞窟(盗賊退去済み)の宝物庫横の牢屋に、厄介事が匂う幼女が居たなんて……誰が想像出来たと思うだろうか?

 少しだけ竜っぽい幼女は置いとくとして、宝物を見に行くとしようか!「…無視?…返事して…無視…酷い」「酷く無いですぅ!」あ、やべ心の声が。

「じゃあ、少し用事があるからここで待っててね?」

「…そう言う…大人…嘘つく」

「俺は、俺が実行可能な事しか言わないよ?」

「…そう…なの?」

「うん、そうだとも!」

「…分かった」

「良い子にしててね?」

 お宝見に行くぞぅ!ええと、お宝は銀貨五枚、大銅貨十枚、銅貨十四枚と粗雑な武器や防具、大量の食料品や保存食、安そうな酒樽が三本、奴隷っぽい何かが八人で内ロリが四人…しょぼいなあ。

貨幣は種類が豊富だけど、普段使いの種類は少ないみたい。それに一桁の物が在るだけで、使い易さが段違いだから良かったね。

・貨幣価値:一覧表

・一般市民が日常で使う貨幣

〔一セル:鉄貨〕〔十セル:大鉄貨〕〔百セル:銅貨〕〔千セル:大銅貨〕〔一万セル:銀貨〕

・貴族の普段使い用の貨幣

〔十万セル:大銀貨〕〔百万セル:金貨〕〔一千万セル:大金貨〕

・国家予算を組む時に考えられる貨幣

〔一億セル:黒銀貨〕〔十億セル:大黒銀貨〕〔百億セル:白銀貨〕〔一千億セル:大白銀貨〕

・式典授与時に贈られる記念貨幣

〔一兆セル:黒金貨〕〔十兆セル:大黒金貨〕〔百兆セル:白金貨〕〔一千兆セル:大白金貨〕

・記録に存在しているだけの貨幣

〔価値不明:魔鉄貨〕〔価値不明:魔銀(ミスリル)貨〕〔価値不明:魔金(オリハルコン)貨〕〔価値不明:緋緋色金(ヒヒイロカネ)貨〕

一セル=一円

 円換算は公式に何故か載っていた情報ね。何故これだけ?分かりやすいから良いけどさ。違う価値で換算をやるよりかはましだし。まあ正直現金に食料品、保存食、安そうなお酒だけど嬉しいよね。こういう時はさ、テンプレでチート級の武器とか置いてないもんかねぇ。いや駄目だよね?精霊達で押し込める盗賊が持ってたらさ。

………現実逃避しても変わりはしないから、仕方ない戻ろうか。竜っぽい幼女と他七人は、ほんと如何したら良いんだろうか?俺人見知りだからさ、他人(ヒト)と接するの苦手なんだよね。他人と接する時はスイッチを切り替えるか、微笑みを浮かべると相手は喜ぶのを利用して誤魔化してるだけなんだよね。つまり、長時間居られるとボロが出やすい訳で。

 この奴隷風な八人をお役所か警察機関に託す?そうしよか。「…あの…場所…帰して」聞こえない、聞こえないっ!「…聞いて」聞こえませーーん!俺には何にも聞こえないし見えないよ。聞こえないったら聞こえない!「…聞いて?」「ええぇ」

「…返答…有り」

「……何かな?」

「…今気付いた…体で話す…な?」

「さてね、一体何のことやら」

 はて?何の事でしょうかねぇ?俺には全くもって分からないなぁ?…有言実行が出来そうならいいかもね?

「…元の場所…帰す…選んで?」

「何故、命令口調なの?」

「…依頼…元の場所…帰す…報酬有り」

 依頼主に為るからかぁ。それにしても、慣れ過ぎやしませんかね?気のせいかな?そうであってほしいなぁ!

「本当かな?」

「…本当」

 盗ろうとした盗賊団のお金が、残念過ぎたからなぁ。この話し乗って良いかも?いやでも、確実に払えるかどうか分からないからなぁ。目的は楽しく強くなること、それに旅も良いかもしれないね。


「元の場所は何処かな?」

「…〔竜国首都:エルドラド〕」

 どこに在るのだろうか?全くもって場所が分からなんだ。まぁ、そこまで遠く無いのかな?子供が一人で行ける距離って、大人が介入しない限り高が知れてるし。それに、ここの盗賊じゃあ遠くの国だと活動できないし?あいやでも、末端組織という線も……。何も無かったことにしよう。

「では、私の名前は鴉狐。依頼を受けましょう」

「…名前…ファヴニル・ドラクル・エルドラド」

 …お貴族様か王族に連なる者かな?厄介事が追加されたよ、今更だと思うけどさ。流石に子爵とか騎士爵とかなわけないよね?一国の首都の名を持っているし、流石にもっと上かな?…おおぅ。考えるだけで寒気が。

「…何…その目」

「いや?何もないけど?」

「…元の場所…帰す…契約」

「分かってるよ。返すけど、場所か方角は分かるよね?勿論、報酬は弾んで下さいね?」

「…分かってる…契約だから」

 今回で盗賊から盗った食料は、これで消えちゃうかなぁ?追加で買わなきゃ駄目かな?それも、この娘の消費量込みでか。エンゲル係数が跳ね上がるのか否か、そこが問題だね。

「〔竜国首都:エルドラド〕はこの場から、どの方角で何日かかるの?」

「…北東…馬車を併用…四か月」

 長い旅になりそうだね。馬車とか馬とかの移動手段持ってないからね。だけど、〔竜国〕からどうやって来たのかね?やっぱり末端組織の可能性が!

「お尋ねいたしますがエルドラド様「…ファヴと呼ぶ」…ファヴ様は「…様…要らない…口調…戻す」…注文多いね?」

 フランクで本当に良いのかな?あれ、俺は何時の間に心を開いた?短時間でここまで話せるのは珍しいね。

「…そう?」

「そうだよ。それでファヴは〔竜国〕からどうやって来たの?」

「…ダンジョン…探索…人攫い」

 訳分からん。いや、何となくしか分からないから、説明が欲しいなぁ!そんな以心伝心出来るほど仲良くないから!

「次の質問は良いかな?」

「…ん」

「ダンジョンを探索していたら攫われたの?」

「…違う…この近く…ダンジョン…飛ばされた」

 これは…ダンジョン探索の予感!それにしても、そんな遠くのダンジョンと繋がってるもんかね?いくら一方通行でも。

「…ダンジョン…埋まった」

 …チェ。少し覗いてみようと思ったんだけどなぁ!ところで実装はされているのだろうか?

「ファヴはダンジョンに、一人で潜ってたの?その歳で聞くからに危険地帯に?」

 危険地帯だと思われる場所ね。響きが格好よくていかにもファンタジー風なのが、職業訓練場みたいな場所だったりしないよね?ね?

「…ダンジョン…一人…18ある」

 危険は否定しないんだ。え?この身長で18歳あるの?完全に合法幼女(ロリ)にしか見えないけど?

「見た目が…その、小さいけど?」

「…竜種の血…純血近い…エルフと同じ…多分」

「さいですか」

 これは益々あれなのでは?さも竜を祀ってそうな〔竜国〕、こんな所に居てはいけないのでは?はあ、こっから〔竜国〕に行くのも準備不足も甚だしいから、一旦〔瑞穂〕に戻るとしますか!

「んじゃ、逸れないように付いて来て」

「…ん」

「「「「「「「はい」」」」」」」

 うん、何か全員目が死んでるんだけど大丈夫かな?盗賊にあれな意味で襲われたりしてない?心配なんだけど。それに、服が貫頭衣よりも粗末な無いよりマシ、な服だけど。新しいのに着替えさせた方が良い…かな?でもさ、服持って無いんだよね。このままだと目に毒だしなぁ。

 …仕様が無いか、盗賊共の服の方がマシだしね。臭いけど…ね?襤褸切れよりかは良いからね?我慢してほしいナ!サイズ調整は、森のその辺に生えていた蔦を縒って、簡単な縄を作ってから服を縛る!耐久性に難ありだけどね。よし、完成。

 八人組の目のハイライトが、さっきよも消えてるけど如何したんだろうね?サテ、ナンノコトヤラ。


よし、何事もなく…いや色々あったから嘘だけど。ゴブリンとかオークとか襲って来たから、返り討ちにした(主に精霊とファヴが)何でそんなに強さが有るのに、名前さえ知ることがあったか忘れた盗賊団から、逃げ出さなかったんだろうね?

「何で盗賊から逃げなかったの?」

「…全員…逃げたい…一人…抜けられない」

「良い子だね」

「…?救える…当たり前」

 本当にいい子だよ。根が正直と言うか、優しいというかさ?…節約のために男飯に為るけど良いよね?これくらい…許してくれそう。

用意する物は、〔竜国〕付近までで良いから地図と食料、足になるもの、護身用の武器だね。地図は冒険者ギルドに売ってるかな?当面の食料は大丈夫な筈だよ。足は…馬がそもそも高いし維持するのにも費用が嵩む。無理!新しい武器か護身用は手が届きそうだけど、良質な武器を買うにはお金が足り無さそうだね。今は貯めとこうか。冒険者ギルドに行って仕事がないか見ようかな。稼ぎが欲しいのよ。

 行く当てが無くて、着いて行きたいって言った以外の四人は、奉行?(この国の警察機関と思う)に預けたから一様安心かな。冒険者ギルド再び!ファヴ達は受付の余った席に座らせるか。地図は冒険者ギルド内にある購買に売ってるみたいだね。値段は…三万セルしやがる。高いなぁ!でも欲しいから買っちゃう。

「済みません、世界地図を下さい」

「一枚、三万セルです」

 銀貨三枚がぁ!折角の収入が消えていく。そう、翼を付けて舞い登る。あれ?顔が生えてきて微笑んできた。怖!

「はい」

「有難う御座いました」

うん、素っ気無い態度が好感が持てたね。…この地図大雑把過ぎてある意味凄いよ。うーむ粗雑な武器と防具が有るけど、使えそうにないから売ってしまおうか。邪魔だしアイテムボックスが圧迫しそうだし。これ等を売れる適当なお店はないかな?聞くしかないか、場所分からないしさ。あそこの人当たりの好さそうな人に聞いてみようかな。

「済みません」

「何だい?」

「武器や防具を売れる場所は知っていますか?」

「んー冒険者ギルドの、買い取り窓口で買い取ってくれるよ」

「教えて頂き、有難う御座います」

「いいよ、このくらいで畏まらないで。あ、君プレイヤーだよね?」

「え、ええ。何故、分かったのです?」

「ん?ああ、スキルの〈鑑定〉を使っただけだよ」

 え?じゃあ〈身体狂化〉と〈思考狂化〉とかヤバメのスキルばれたかな?…いやでも、初対面の人を鑑定とは。あいやでも、観察しながらとか目踏みしながらやるか。こっちの常識が分からないから何とも言えねぇ。

「成程」

「興味無さそうだね?」

 あまり興味ないもの。頭が可笑しいスキルとかバレたら困るけど!スキルが取れ難い位しか、分からないからさ。

「スキルとか見えるのですか?」

「ん?いや見えないよ。最近取得したばっかだし」

「そうなのですか。後、何でプレイヤーって聞いたのですか?」

「いやーフレンドが全くいないからね。折角さ、VRMMORPGをやってるんだしね?フレンドが欲しいけど、中々人に話しかけられなくてねぇ。そっちから話しかけてくれたから、切り出せそうで」

「フレンドになりますか?縁が出来たことですから」

 シンパシーが感じるんだよね。似た者同士と言うか何と言うかね。初対面の人と話しかけたり続けたりするのが、苦手そうな感じが。

「え?良いのかい?」

「ええ、勿論良いですとも」

「じゃあ、宜しくお願いするよ」

「こちらこそ」

 あれ以外のフレンドを手に入れた!こういうのって、機会がないと中々出来ないからねぇ。

「あ、自己紹介をして無かったね?僕の名前はアレクサンドル。気軽にアレクとでも呼んでほしい。由来はいるかい?そうか。アレクサンドル・デュマ・ペールの作品が好きで、いつか作家になりたくてね。生憎、事情で旅行とかできないから〔ESO〕をやって、感性とかを磨いてるって感じかな?」

 口調は元に戻して、自己紹介をしようか。偶にやるけどさ、何て言えばいいのか分からないのよね。

「じゃあ次は俺だね。名前は鴉狐。略称は鴉とか、好きなあだ名を付けてもらって構わない。名前の由来は、黒い狐と鴉のイラストを一目見たときに、好きに為ったからかな。名前は種族名みたいなものだけど、獣人じゃ無いからね。それに、なるよりも見る方が好きだから」

「じゃあ、またいつか会おう」

「ああ、いつか」

 良い人だなぁ。何て言うか、雰囲気で分かる?感じかな。フレンドを交換したところで、買い取ってもらうとしますかね。マイナスが付かないと良いけど。粗大ゴミを出すときみたいにさ。お、買収窓口は今の所列はそんなに出来てないね。混む前に並ぶとしますか。

「すみません、中古の武具の買い取りは可能ですか?」

「ええ、勿論やっていますよ」

「これ等の買収をお願いします」

「はい、分かりました。少々お時間を頂きますので、あちらの椅子にてお待ち下さい。査定をしますので」

「分かりました」

 値段は…そこまで高くは成らないだろうなぁ。ゴミにならないで売れるだけ、ましかなと思うとしますか。

「査定が終わりました。こちらの武具は、合わせて四万セルになります。武具の質としてはFランクに届くかな程でしたが、量が有りましたので資源として再利用をする形となります。そのため、素材として高めに買収させて頂きました」

 そこまで時間が掛らなったね?それにしても高めに買い取ってもらえて、良かった良かった。やっぱり、売る側としては高ければ高い程嬉しいからさ。

「では、お受け取り下さい」

「有難うございました」

 お金手に入ったけど、もうログアウトのお時間なんですが?どこでログアウトしようかね。宿が一番安全なんだろうけど…ログアウトの為だけに、一々使ってたら財布が持たないだろうしなぁ。何か、良い方法ないかなぁ?時間がないし案も出ないから、宿を使うとしますか。ログアウト中に良案を考えとこうかな?

「…ん」

 裾を引っ張らないで、心がトゥンクするから。いきなりやられたら吃驚して、心臓に悪いからね。

「ん?どうしたの?」

「…旅…調理セット…買う?」

 完全に存在を忘れてたね。旅の途中で食費を節約するために、買った食料を調理するのに必要な簡単な調理用道具のセットとか、ファヴ達の夜露や寒さを凌ぐ為の防寒具とかさ。俺はログアウトするから大丈夫な…筈!

 テントや馬車とかの雨風を防げるもの?甘えるんじゃないよ!高いから買うことが出来ないよ!(値段は見てないけどネ!)護身用の武器は…無くても良い気がする。ファヴには素手で頑張ってもらおう!え?酷いって?戦闘を見てて思ったんだけど、あの子〈拳闘士〉系の職業持ってるか、徒手空拳系の武術仕込まれてるからね?普通にゴブリンとかオークを撲殺してたけど、何か?最悪精霊に頑張ってもらう、以上!他の三人は持っていても無駄になりそうだから、精霊(ry。

 結局、買う物は調理セットと防寒具だね。防寒具はマント系になるかな?普段着にも寝る時にも使えるからね。分厚いのと薄いのを一着づつでセットにして、四セット買おうか。

 防寒具で思い出したんだけどさ、新しい服も必要だよね?今の服は二回り大きいから、適当に縄で括っただけだし、臭いと汚れが酷いからね。特にファヴだよ。魔物倒した時の返り血が全身に浴びて、しかも水で洗い流しただけだから、猶更酷いことになっているからね。

 買う場所はさっきの購買にしよう。服飾以外で調理セットはあったからね。まぁチラリと見えただけだから、それとは別かもしれないけどね。 一番安いセットで四万五千セル。内訳はフライパンと鍋、包丁、お玉、深めの木皿五枚、火打石、何故か付いてきた解体用の小刀が二本だけだね。火を絶やさずにするための木炭とか石炭は、高かったから止めたよ。

 まぁ森で枯れ枝とか、枯れ木を集めればいいしね。フライパンとか鍋を置くための台は、石を重ねれば作れるからね。

 工作は得意なんだよ、裁縫?知らんね。菜箸と箸は自作でマイ箸と洒落込みましょうか。本格的に金が無くなってきましたな!依頼をこなすか盗賊を襲うかの、どちらかの選択肢しか残ってないね。日雇いで働く気は無い!

一様、俺のランクでも受けれそうな討伐依頼が残ってたから、良かった良かった。えーと何々、ゴブリン討伐?討伐証明は右耳で、右耳一個につき百セルと。ファヴと精霊達に狩って行ってもらってる間に、箸を作ってればいいし。戦闘は、上手い奴が、やればいい、字足らずってね。うーむ、洞窟内だと色々準備が必要みたいだけど森の中だからね。十分注意しておこうか。

「済みません、これを受けたいのですが」

「冒険者カードをお出し下さい」

 えーとアイテムボックスの中だから…有った有った。大事な物だから安全な所に、入れておくのが一番だよ。ポケットとか付いてないしこの服。

「はい、ゴブリン討伐ですね。依頼は右耳五個からとなっておりますので、五の倍数個をお持ちでしたら依頼が複数達成となります。依頼の受領が完了しました。又のご利用をお待ちしています」

「…お腹空いた」

 忘れてた。最初に持ってた俺の携帯食料をあげよう。鮮度は保たれるとは言っても、賞味期限が近い方から食べてもらおうか。何故鮮度の話が出たかって?死体が腐敗していなかったからね。

「はい、今はこれで我慢してね」

 やば、全部渡しちゃったよ。…余っていたら御の字と言うわけで。ログアウトを早くしなければ!宿屋に四人を抱えて直行して、一人部屋を取って〔白の武者〕を一体置いて…狭いけど我慢してもらおう。そんで、ログアウトッ!!

 あともう少しで、強制ログアウトされる所だった。宿屋の店員、凄く顔が引いてるように見えたけど何でだろう?そんなに顔が鬼気迫ってたかな?もしかすると、少女がロリを抱えて現れたからか?はて?

 ふー二時間で戻ってこれたけど、ゲーム内では三倍の時間で進んでるんだっけか?と言うことはだ、今は六時間経ったことになるのかな。

「…戻ってきた…暇」

 …早々に駄目出しを貰ったね。あれ?〔白の武者〕が強くなっている気がするけど?それは良いとしても、せめて宿代だけでも稼ぎに行きたいよね!

 宿代ってなかなかに高いんだよね。一回につき三千五百セル、稼ぎの大半が吹っ飛ぶよ。ゴブリン換算で三十五体分。集落かな?おっと依頼にあったゴブリンのいる森はここだよね?結構近いのね。ゴブリンを狩るのはファヴと精霊を二種三体づつで行ってもらうか。無駄飯喰らいは養えないから!こっちの護衛は〔白の武者〕二体だけでいいよね?殲滅力は無いにしても、守りは必要だからさ。

 オークが未解体のまま五匹[アイテムボックス]に入ってるんだよね。残りの三人は解体は出来るのかな?オークを何で残しているのかって?食肉可能らしいからさ!フフフ、これで食費を抑えられる筈だね。ゴブリンは右耳を剥ぎ取って土に還したけど、何か問題でも?

「解体できる人いる?」

「はい、私が出来ます。父が狩人でしたので手伝をしていました」

「あ、君の名前は?」

「私の名前はソティです。あてのない私を旅に同行させて頂き、感謝に堪えません」

 言い方が硬いね。柔らかくしてもらっても良いんだけどね。嫌ですって言うからさ。ソティに釣られて、他の子も名前を言ってくれて助かった。他の子はレギーナとノーディンって言う名前だね。

 ソティは黄色の髪色と目でミディアムヘアー、レギーナは赤褐色の髪と目でショートヘアー、ノーディンが深緑の髪と目でソティより少し長めのショートヘアー。うむ、中々に育てば美人ぞろい。

「この小刀でオークの解体宜しく。俺の方の作業が終わったら、見学しても良いかな?」

「分かりました。ええ、勿論ですよ。人手に精霊様を貸して頂いても、宜しいですか?」

「良いよ。二体で良いかな?」

「ええ、はい」

「我に宿るは白き守り抜く力【召喚術・召喚:白の武者】、我に宿るは白き守り抜く力【召喚術・召喚:白の武者】」

 〔黒の武者〕より体格は大きいからね。呪文を全部詠唱しなくたって良いだろだって?こっちの方が魔力消費が少なく済むからね。なるべく戦闘時以外は抑えたいからさ。よし、枯れ木とか石を集めて早速作るとしますか!

 ふーこんだけ有れば十分かな?先ずは縦穴を作るとしますか。まっすぐな面を持つ石を倒れないように立てて、その左右に平たく大きい石を置く。これじゃあ竪穴が低いから、石をその上に重ねていく。横穴を作るための石を前方に置いて、さらに高くするためにもう一段重ねる。その上に大きく平たい石を載せて、周囲から石を立て掛けて崩れないようにする。隙間を埋めるために採取した粘土を隙間なく詰めていって、完成っと。

 縦穴のてっぺんの面は、載せる鍋よりも若干小さく、高さがそろっていると鍋が転びにくくなるんだよねぇ。この竈で一番の問題は、アイテムとして認識出来るかなんだよ。[アイテムボックス]に入らないと、一々現地で作らないといけないからね。おお!入って良かった。登録されたアイテム名は【簡単手作り石竈】で説明が書いてあるね。

アイテム名

・【簡単手作り石竈(いしかまど)

 作製者:鴉狐

 等級(ランク)通常級(ノーマル)・D

 説明:石と粘土で作られた石の竈。凝った作りではないが、丁寧な仕上がりである。アイテムボックスで持ち運びをするとは、作製者はケチな性格だと思われる。そもそも本職でない者手作りの時点でお察しであるが。

 効果:無し


 余計なお世話だよ!特に説明文の最後の方。褒めてたのが急に貶しやがってさ!寧ろ悪口だよね?まぁそれは良いとして、菜箸とか箸とかちゃっちゃと作るとしますかね。皿が在るのに口へ運ぶ道具が無いからね。口に運ぶためのさ。それにしても久しぶりに感じる。こうやって木を削る工作をするのが。懐かしいなぁ。

「解体が終わりました。どうぞこちらを」

「解体てつだったー!」

「私も~」

「ありがとね」

 お姉さんっぽい口調のがソティで、順にレギーナとノーディンだね。解体の結果は【オークの右耳】が五個、豚丸々一等は在る【オークの肉】が五匹分で結構多い。因みに、この世界では普通にオークとか魔物は食べられていて、オーク肉は美味しいらしよ。んで、【オークの睾丸】が三組か、睾丸って売れるのかね?オークの持っていた【粗雑な棍棒】が五本と服が五着、小さい透明な石らしき物が五個だね。中粒の大きさのが五個か。

「この、小さい石って何か知ってる?」

「それはね~魔石って言うの!」

 これが魔石か、結構小さいのね。この世界での魔石の立ち位置が全く分からん。ただのエネルギー源なのか、毒素を出す物質なのか。どういう感じかな?

「鴉狐様」

「ん?何?あ、様付けは無しでね」

「分かりました。鴉狐さん、魔石は魔物の体内にある石のことです。魔物の等級で、大きさが変わるのですよ。魔道具の燃料に使われています」

「魔石は大きいほど高いの~」

「成程ね」

 え?そんなに顔に出てた?いや、エスパーかな今の応答内容はさ。いやーありがたい。この世界の常識を知っている人が居ると。

「魔道具って一般的に売られているの?」

「ええ、簡単な構造の物でしたら庶民でも買えますよ」

 ほーん。つまりパソコンとスパコンみたいなことか。まぁ今の技術力が分からないけどねぇ。瑞穂では電化製品は見た事が無いからなぁ。

「あ、電気って知ってる?」

「電気ですか?勿論です。照明や冷蔵庫に使われているものですよね?」

 あるぇ?そんなに発展している気配がないんだけどなぁ?技術の差が可笑しいことになってない?道路もアスファルトではないけど舗装されてるし。何て言うんだっけ?…ええと、マカダム式舗装…なんだよね。時代が微妙に合ってないなぁ!江戸に無い筈でしょ?うーむ。制作側の意図が全然分からん。

 話を戻すとして、強い奴ほど高いってことだね。解体物で依頼証明になるのがオークの右耳か。オークの依頼は受けられるかな?受けられたらいいんだけどね。報酬がもらえるし。オーク肉は消費用、オークの睾丸は買取、棍棒売れ無さそうだから燃料に回して、服は素材かな?なると思えばなる!ゴミも資源だから。魔石は一応使えるかもしれないから、取り措いておこうか。

ふう菜箸と皆の分の箸と次いでの串を作り終わったね。地味だけど、割と良い出来で満足だよ。使う前に洗うよ?研磨用の石は河原(ここ)にでも落ちてないかな?

「…採った…お腹すいた」

「飯を作るから待っていてね。作っている間にソティとレーギン、ノーディンはファヴが持ってきた魔物を解体してきて。ファヴは疲れているだろうから、休んでいてね」

「はい、分かりました」

「分かったの~」

「分かったー」

「…ん…寝る」

 作り始める前に、研磨しないと。川の近くに陣取っていて良かった。解体中に肉を冷やすのにも使えるからね。今回は解体し終わったオーク肉を使って、簡単お手軽ステーキと盗賊から盗った食料で昼食にしようか。朝食?知らんな。

 寄生虫が怖いけど、焼けば多分大丈夫な筈!肝臓は栄養豊富だから食べたいよね。だけど、危険性を鑑みて他の内蔵は断念。俎板が無いから急遽、綺麗な川で洗った大きめの平たい石を使っているよ。肉に寄生虫が居ないことを願って!水のことも考えろって?一様大丈夫そうだし、死んでも生き返るからワンチャンあるし、煮沸したから使えると思うよ?よ?いけるいける。旨い旨い……田舎の水道水が恋しいなぁ。

気を取り直して作ろうか。先ずはオーク肉を適当な厚さに切って、少し切れ目を入れる。ミートハンマーとか無いから、包丁の柄で叩いていくよ。ステーキって言っても、ナイフが解体用しかないしフォークも無いから、箸で食べやすい大きさに切っておこうか。

 セージっぽいハーブ―――パッチテスト擬きはしといた―――を採ってきたから、今回は肉の臭み消しに使ってみようかね。ハーブと肉を一緒に揉みこみ、そして塩をまぶして焼く。塩は盗賊の食料に有ったけど、胡椒は無かったね残念。世界観は中世に近いから高いのかも?パンと一緒に皿に載せて完成っと。美味しく出来てると良いなぁ。パンには一応切り込みを入れておいたから、サンドにも出来るよ。

「作り終わったよ」

「直ぐに行きます」

「今行く~」

「私もー」

「…ご飯」

「はい、どうぞ。んじゃ皆で頂ますしようか」

「「「「……?」」」」

 え?もしかしなくても、頂ますを知らないのかな?名前違いの似た風習はあるのだろうか?神に食物を感謝するみたいな祈りとかさ。

「済みません、頂ますとは何でしょうか?」

「えっと、頂ますって言う言葉は俺の生まれの言葉だね。意味は色々あるけど、食材の命を頂き自分の命の糧として感謝する言葉かな。昔はもっと長くて、詩か俳句があったらしいよ?まっ俺には命を頂くのが一番しっくり来るんだよね」

「良い話だと思いました」

「「うん」」

「…お腹空いた」

 すっげぇ興味無さそう。やっぱり小難しかったかね?皆の顔が、そんな事よりご飯って顔してるしね。お腹もステータス上では空いてるし、食べようか。

「まっ頂ますは言おうか。食事開始の合図だと思ってさ」

「分かりました」

「「うん!」」

「…ん」

「それじゃあ、頂ます!」

「「「頂ます」」」

「…頂ます」

 ん、美味しいね。良かった、良かった。お、皆も美味しそうに食べてる食べてる。でも野菜とか温かい汁物が無かったのがねぇ。今度から気を付けようか。栄養バランスってゲームにも適用されるのかな?健康な体作りで強さを得るみたいな。ヘイ!マッスル!

 ふう、食べた食べた。結局、皆がおかわりをしたから、新しく焼くはめになったけどね。そんなに食べて胃とか腸が大丈夫かね?急激に入れると胃が吃驚するらしいけどね。まぁそこは若さかね?あれだけ有ったオークの肉塊が二分の一しか残って無い。勿論一匹だよ?流石に全部は無理だし。

 と言うか食べてれたら化け物だよ。エンゲル係数跳ね上がるから猶更嫌だね。少し休憩して、ソティ達が解体の続きをしてもらったる間に、ファヴは狩りの続きで俺は洗い物でもしてるか。雑用だけど、やらなければならない重要な仕事だからね。終わったらムクロジでも探しに行こうかな?洗剤代わりにさ。天然の界面活性剤らしいからね。どう言われようとも節約してやる。

 洗い物が少なくて楽だけど、腰が…痛い!屈んで洗うのは辛いね、昔のお母さま方は良く出来たと思うよ。解体どれくらい進んでますかね。…何か小さな山?丘?が出来てるんですけど!?可笑しいなぁ!

 いつの間に狩って来たんだファヴ。俺も経験値が欲しいから、もう一度戻って来たら一緒に付いて行こうかな。

「どれくらい進んだ?」

「はい、ファヴが随時運んで来ているので…中々終わりそうにありません」

 あ、うん(察し)。精霊が荷物運びだけにしか使われてなさそうな予感!それにしても、張り切ってますなぁ。

「解体が終わってるのは、どれかな?」

「はい、あそこに置いてある物全てです」

「あ、切れ味悪くなってるでしょ。これ使って」

「良いのですか?」

「良いよ、良いよ。今日はもう使わない予定だし」

「ありがとうございます」

 じゃあ、後で洗って研いでおかなきゃね。ナイフ用の研磨石に丁度いいのが有ったし。解体してあるのはこれらか。【ゴブリンの右耳】が五個で【オークの右耳】も五ね。前回のあれと同じだけどまだありそうだしなぁ。【オークの睾丸】が二組に【オークの肉】が五塊、【粗雑な棍棒】は十本、【粗雑な服】も十着、【魔石(微小粒)】は五個、【魔石(小粒)】は五個だね。他には特に無いかな。これらは前回と同じ配分で良いか。

「…ん…持ってきた」

 また増えたねぇ。

「次、俺も一緒に行くから。良いよね?」

「…ん…了…休憩」

 ファヴの休憩が終わるまで、手伝おうかなぁ解体。手持ち無沙汰だし、折角教えて貰える機会があるんだったら挑戦してみたいしね。

「手伝おうか?」

「いえ、良いです。これから、狩りに行かれるのでしょう?お休みになられた方が、良いかと」

 …拒否られた。少し準備運動でもしてるか。体が鈍っていたら駄目だしリアルと連動してるのか分からないけど、ギックリ腰の気配がヒシヒシと感じるんだよね。

「…行く」

「あ、追加で精霊を置いてくからね」

「分かりました」

 行動の指示は指揮の移譲だね。指示系統の大部分をソティに移動…多分これで出来たかな?召喚したら少し試してもらえば分かるか。

「我に宿るは黒き切り開く力【召喚術・召喚:黒の武者】、我に宿るは白き守り抜く力【召喚術・召喚:白の武者】」

「ソティ、少し指示を出してみて」

「分かりました。〔黒の武者〕、その魔物を持ち上げて置き、三回転半跳んでみてください」

「次に送還が出来るか試してみて」

「やり方が分からないので、教えていただけませんか?」

「あ、知らないのか。寄る辺の門よ 閉じよ を言ってから対象の名称、今は〔黒の武者〕のを入れて【召喚術・送還:黒の武者】と続けざまに言えばいいよ」

「分かりました。寄る辺の門よ 閉じよ【召喚術・送還:黒の武者】」

 複雑な命令が出来ているみたいだけど、送還とかの呪文を介したものは出来てないから、無事に一部分移譲出来てるみたい。良かった。魔力は依然俺の方から消費されているみたいだけどね。よし、これで準備が終わったかな?何か忘れてることは無いよ、ね?

「行こうか」

「…ん」

 …戦っている描写が欲しい?残念、在るわけ無いじゃないか!技もへったくれも無い力技だったからね!例えばそうだね、ファヴがゴブリンの首を持って握り潰したり、ゴブリンの睾丸を足で蹴飛ばして胸側が凹凸状に抉れたり、オークの喉仏に手を突っ込んだり、オークの脳天かち割ったりね。いやー15禁ものでしたわな。

 俺?俺は骨に当たらないように心臓を一突きしたり、脳天を潰したりしたよ。この【丈夫な刀】が、刃毀れしないから出来ただけだしさ。突いたから血糊に血脂が付いて大変だったよ。それに達人と呼ばれるほどの技術が無いからさ。

 それにしてもこれ、丈夫じゃなくて不毀に変えた方が良いと思うんだよ。この刀の耐久性は最早異常の域だから。

 ようは、ゴブリンとかオークをサーチアンドデストロイして来ただけ、と言うただのスプラッター?R指定は確実な光景だったね。そろそろソティ達の所に戻ろうかな。ムクロジに似た実も無事に見つけられたからさ。旅先?…何とか補充して見せるしかないよネ!

 …どうしてこうなっている?精霊が解体の本格的な手伝いしてるんだけど。力仕事だけの筈だったのに何で?いやまぁ、やれることが増えるのは大歓迎だけども!はぁ、聞かなければ分からないか。

「ソティ、精霊達が解体の大部分をしているの?」

「少し量が多かったものでして。駄目でしたか?」

「あ、うん。別に良いよ。でも何で〔黒の武者〕が包丁を持てているの?」

「何故か、手伝いたそうに見ていたので。持っていただき解体を始めました」

「最初の方は汚かったの~」

「でもどんどん上手くなったのー」

「私が教えましたので」

 ドヤ顔がチラつくなぁ!…やっぱりこの精霊達には学習能力有るね。今度からファヴが暇な時に、戦闘技術仕込んで貰おうかな?え、さっきの戦闘?ナンノコトヤラ。頼んだら顔が凄く面倒くさそうになったんだけど。あ、もしかして手を抜いたんじゃない?

「…してない」

「あ、はい。…んんっ。うん、事情は分かった。じゃあ今度からも宜しくね。後、追加でこれ等も宜しくね」

 食事の準備を始めましょうかね。丁度良い時間だしね。

 今回は、時間が掛かるけどハンバーグを作ろうか。デミグラスとかのソース?塩と野生のハーブしかないから作れないね!素材の味で良いじゃないか!え?デミグラスなソースが無いハンバーグは、ハンバーグじゃない?他にも鍋が有るんだから、鍋物にすればいいだって?醤油とか鶏ガラとか無いですが。昆布無いから出汁がとれませんが何か?

 野菜を入れれば何とかなる?そんな殊勝な物は、盗賊共の食料には入っていませんが。くそう!圧倒的なビタミン不足に悩まざるをえない。とまぁそんな訳でつなぎは塩、味付けも塩にハーブのハンバーグを作ろうか。つなぎには、卵とかパン粉は必須なんじゃないのかだって?いや、そんなに問題じゃ無いから。塩だけでつなぎとして、十分いけるからね。因みにパン粉とか卵を使うのって、世界であんまり見かけないらしいよ?

 じゃあ早速、オーク肉を挽き肉にしなければ。挽き肉が無かったら、何も始まらないからね。先ずはオーク肉を薄切りにして、俎板変わりの平たい石の上で、包丁で叩くと挽き肉が出来ると。まぁ、挽き肉の大きさが不揃いなのはご愛敬ってね。ボウルとかで、挽き肉と塩を根気よく揉みこんでタネを作るんだけど、ボウルとかが無いから今回は深めの木皿を使おうか。熱を加えないようにしたいけど、冷やせないから気にしてはいけない。勿論、衛生面考えてきちんと洗うからね?煮沸消毒しなきゃなぁ。

 なるべく、纏まった量が欲しいから今回は多めに作ろうとしますか。出来たタネを手に取って成形していき、タネを楕円形にしながら軽くまとめて、表面をならして形を綺麗に整えていく。そして、皆が良くやるような片手から片手に、軽く投げるようにして空気を抜いてくだけだね。仕上げに焼いたときに崩れないよう、真ん中を少し凹ませる。

 この作業をタネが無くなるまでやるんだけど、これが地味に辛くてね。途中途中に休憩を挟みながらも、次々回分位まで作れた筈だから。多分持つはず。持つよね?俺と皆の分の四個を焼いていきますか!

 焼き目が良い色だね。串を刺しても透明な肉汁しか出て来ないから、中もしっかり焼けてるよ。今回もパンと一緒に食べるから、深皿にハンバーグとパンを一緒に乗せて完成だね。改めて思うけど、野菜が欲しいね。ビタミン、カルシウム、鉄、亜鉛とかその他諸々の栄養素が圧倒的に足りないよ。

 どこかでビタミン採らないと壊血病とかに為るからさ。果物でも野菜でも良いから欲しいんだよね。今回の殲滅で報酬が出たら考えても良いかも?それは貰ってから考えようか。

「おーい皆、夕食が出来たよ」

「…ん…お腹空いた」

「今行きます」

「わ~い」

「わーい」

 うん、こんなにも楽しみにしてくれるのは、凄く嬉しいものだね。一人暮らしってそういう機会とか無いからさ。

「じゃあ、皆で言おうか」

「「「「「頂ます」」」」」

 うん、塩だけでも十分な味が付いてて結構美味しいね。でもデミグラスっぽいソースが掛けてあったら、もっと美味しくなると思うのになぁ。はぁ、今回の狩りで得た戦果に期待するしかないかな?うぅドンドン出費が重なっていく。ソティ達の解体はどのぐらい進んだのかね?全部終わってると良いんだけど。

 おおぅ、結構シュールな光景が目の前で繰り広げられてるんだけど?薄々気付いてはいたんだけど、精霊達が黙々と解体作業している姿を見るとね。しかも前見た時よりも、格別動きが良くなっているしね。本当、どうしてこうなった。ま、まぁ動きが良くなるのは良いことだしね。…うん、戦闘技術以外でも伸びるのは嬉しいよ。やっぱりファヴに稽古をつけてもらうしか?

精霊達のシュールな光景は一旦措いて措くとして、解体の結果を見るとしますか。【ゴブリンの右耳】が十五個、【オークの右耳】が二十個、【オークの睾丸】が五組、【オークの肉】が二十塊、【粗雑な棍棒】は数えるのが面倒くさいからパス、どうせ燃料行きだし。【粗雑な服】が三十五着、【魔石(微小)】も三十五個。今回は結構多く狩ったから、やっぱり量が多くなるよね。

 と言うより、これらを手際良く終わらせる精霊の学習能力はいったい?いや、俺の召喚獣だけれども!だけれども!学習能力高すぎませんか?どっかの学習するゴーレムじゃあないんだからさ。まぁ、精霊だからかもしれないけど。んじゃ、一旦〔瑞穂〕に戻ってお金に換えるとしますか。


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