21話 貴族達
前回:――成果のまとめ。成長して無い奴、いない?――
海底探索から約1月経った。
あの日あった事をギルドに話したところ、ほぼ5等級ばかりで集まっていた組が、討伐がほぼ不可能とされている魔物を倒したという事実に、非常に騒がれる事となった。
なお、下手な竜などよりも危険でありながら、報奨などは全くないのだが、それについて気にするのは1人のみだった。
そしてその影響は、ギルドの宴会で済まなかった。
オクタンという魔物は、この国界隈でしか見られない生物であり、一部の美食家には足が垂涎の品。水袋などは工芸品や工業において、一定の評価がある品。そして何より、脅威としては海中にいる生物の中で、上位クラス。
そんな相手を倒し、その遺骸を持ち帰った彼らに、商人や一部の貴族は目を向けないはずもなかった。
当然、有名になれば有名税も掛かる事になる。それは、ネガティブな意味も含めて。
「あーあー……かーわの流れのー……」
しかし、既に慣れた有名税について、彼は気にしてすらいないらしい。いつも通り、キッチンで料理している。音痴な歌を唄いながら。
「ねえ、さっきからクサいんだけど、何料理してんのよ」
気楽に歌うオオカミが作る料理に、鼻を曲げたかのような顔で近づくマリア。その料理は、この国だけでなくこの世界に存在しないものだ。
「黒豆の煮物だ。じっくりと時間をかけて、甘くなるように煮込んだ豆だよ。作る時は猛烈な臭さだが、出来上がりは中々いい味になるんだ。できるまで、2週間くらい相手をしないといけないのがネックだけどね」
本来の手順とは多少なりと違いがあるものの、彼がやりたいという理由だけで作られている煮豆。ねっとりとした液体で煮込まれているそれを、マリアの後に続いてきたエイダも不快そうな顔をしてみている。
「それは……なぜそのような事を?かなり強烈な匂いですが……」
「ホント、その匂いが辺りに充満してるんだけど、止めてくれない?寝れなくなりそうじゃないのよ」
「お前らより嗅覚の鋭い俺やミーシャはもっときついんだけどな。それに、食べてみれば分かるよ。ほら、ちょっと味見。まだ出来が悪いんだけどな」
未完成の煮豆を皿に移し、2人の前に出す。一度酷い腐臭がする料理を経験した彼は、ちょっと臭い程度の料理には動じなくなっていた。
最も、今でも彼がホンオフェもどきを前にしたとしたら、口に入れる以前に失神するのは間違いないのだが。
「これは……本当に口に入れても大丈夫なのでしょうか?」
「いいから、ほら」
恐る恐る、差し出された皿の豆をつまみ、口に入れる2人。
その臭気を放っていた物が、彼の前世でゲン担ぎをする縁起物と知っている訳でもなく、また現代日本人で正確な作り方を知る者が少なくなっている品だと言う事も知らない。
故に、ゲテモノ料理にしか思っていないのだが……
「……甘い、ですね」
「うん、匂いの割に……結構好きかも、これ」
「だろ?前世の、新年の祝いには欠かせない品の1つなんだよ。まあ、こっちじゃ新年の祝いなんてこれと言ってないけどさ」
特に新年だからといって、何がある訳でもないのがブルラント王国。新年の祝いの代わりとして、雨季が明けた先に建国記念日がある。この日が、国で一斉に、祭りを催す祝日となっている。
現代日本人の感覚を知る彼とユウタからすれば、祭りに匹敵する日がほとんどないこの国は、少々退屈なのだ。
だが国民からすれば、安易に浮かれている間に、大問題が起きては困る。いつ魔物に襲われるか分からない世界だからこそ、余計な祝い事をしてもいられない。
とは言え、収穫祭などはそれぞれの村落には存在しているので、全く無いのではないが。
しかし、街には収穫祭はない。これと言った祭りが、街にはほとんど無いのだ。
故に、彼はあえて狭い範囲であっても、新年を祝おうとしている。……だが、
「新年だからって、何が有難いのよ……」
この世界の住人には、基本的に理解されない。所詮、異世界の風習でしかないのだ。恐らくそれは、バレンタインやクリスマス、ハロウィンや日本でローカルなイースターなども、同様であるはずだ。
日本で中国の正月の風習を流行らせる、そんな歪さを感じられても、おかしくない状態と言える。
少なくとも、マリア達の目には、そう映っているようだ。
「まあ、ちょっとした娯楽のような物だよ。異世界どころか、異国の祝い事だって関係ない物なんだから、それくらいの感覚であんまり意味を考えるな」
元より彼は、それを知っていて行っている。やりたいからやる、それが理由だ。
「……ところで、少々お話があるのですが、宜しいでしょうか?先程、ミーシャさんとアリスさんが、戸惑った様子で帰ってきたのですが……」
「帰ってきたって、買い物からか?」
獣人が町を歩くと、嫌な目で見られるのは必然。だけならまだしも、明らかに迷惑行為や攻撃的な行動をする者が多く居る。
故に、彼の手によって幻覚魔術をいつもかけられているのだが、最近バレ始めているのでは?と疑っていた。
視線や発言が、徐々にきつくなってきていたそうなのだ。仕事へ行く時には、特に幻術をかけていた訳でもない。その瞬間を見られて、怪しまれていたのだろうと皆考えている。
そうなれば、内容は大体想像がつく。
「で、今度はどんな攻撃を受けたんだ?」
彼自身が受けた内容であれば、鶏卵やスライムをぶつけられた経験、通せんぼなどの子供じみた嫌がらせ、そして窃盗や傷害などの冤罪だ。
殊更、大事になりかねない冤罪については徹底して逆襲し、逆に相手の犯罪や弱みなどを論ってやり込めてきた経験すらある。
それでも拗れた時は、師匠か王女が出しゃばって、誰も文句が言えなくなっていた。それが彼の負担でもあったのだが。
「それが……」
「まあ、そう思うのは分かるんだけどさ……攻撃じゃないって言うのよ」
「あん?」
予想外の発言に、彼は首を傾げる。そして、可能性を上げ始めた。
「子供にたかられたとか、ペット扱いでもされたか?」
「でもないらしいのよ……なんか、歓迎されているみたいなんだけど……嘘を吐かれた訳でもないって。
しかも、何かわからないけどかなり好意的にすり寄られたとか……」
「相手はどんな奴だ?」
予想していた事も否定され、状況を教えられた彼は、相手の様子を聞き出す事にした。しかし彼女達はそこまで聞きだしていなかったのか、顔を見合わせている。
その様子にため息を吐いたオオカミは、本人に聞きだす為、調理を切り上げて、キッチンを後にした。
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「……ルヴィ嬢かルリア嬢の辺りか……」
いつも通りのエントランスの片隅、ソファに座り、事態を猫から聞いて、確信を抱いたオオカミは、頭を抱えた。
そして頭に浮かんだ相手の名を呟いている。これも、恐らくは例の有名税の影響ではなかろうか?彼はそう考えている。
「それって……」
「聞いた事無いんだよ、そんなヒト」
普段は街の者から嫌がらせしか受けなかったと言うのに、妙に歓待を受けただけでなく、様々な贈り物まで渡された挙句、誰かしらの家に拉致気味に連れて行かれそうになったらしい。
怖くなって逃げたという2人は、彼が何かを知っている素振りをしている事に驚く。
彼からすれば似た経験があり、該当するのが主にその2名だというだけの話なのだが。
「どちらも王女の友人で、獣人を好む側の人間だ。時として拉致まがいの行動をしては、周りに止められたりしているんだよ。2人とも、悪い人じゃないんだけどね……」
「まともな奴って、貴族に居ないの?ヴィンセントさん以外、まともな人って見た事も聞いたことも無いんだけど……?」
「全部じゃないんだけどな……あの2人は第3王女と親交があるから、この街の中では随分と顔が利くんだ。他の街だとちょっと煙たがられるんだけどね。
とりあえず、こっちからあまり関わり過ぎないように警告はして置くよ。ついでに、今までマトモに買い物できなかった事実をつけ足しておく。
王女以外に数名の貴族から圧力がかかれば、これから買い物をしやすくもなるだろう」
「……なんか後半、卑怯じゃない?今までが酷い環境だったのは認めるけどさ……」
否定しつつも、親友が受けていた嫌がらせが無くなるかもしれないという情報を聞いて、止められもしないマリアは、それでも発言したオオカミを苦虫を噛む顔で見ている。
彼が気に食わないのもあるが、何よりオオカミが親友の気持ちを踏みにじるというのに、彼女の為に行動をするのが気に食わない。
「何にしても、あまりひどい状況にはならないだろうさ。これからは安心して買い物に行けるだろうよ」
「……うん。それなら……その方がいい、かな?」
「……大丈夫なのかな?嫌な思いをするヒトが居なければ、それでいいんだよ……」
戸惑いながらも、彼の発言を肯定的に受け取る2人。直後、これよりあるだろう楽しい時間を想像し、顔をほころばせる。
2人の楽しい時間は、これから始まる事も多いのだ。何しろ一部には、オオカミの幻術を見抜く者達もいたのだから、邪魔される事もあった。勿論、ごく一部だが。
そして2人は、安心したかのように座っていたソファから立ち上がり、階段へと向かう。
「因みに、先程の2人の令嬢はどちらの家系でしょうか?一応こちらでも警戒しておくに越した事は無いでしょう」
一連のやり取りを眺め、事態の解決とまでは行かないまでも、一定の見切りを付けられることを確認したエイダ。
手持ちの情報網を活用し、相手の行動を監視するつもりで、相手の家系をオオカミに問う。その目論見を知ってか知らずか、オオカミは知る情報を返した。
「ルリア・クルーゼン。クルーゼン伯爵家の一人娘だ。今度輿入れが決まったんだが、その相手が今の伯爵領を継ぐ事になるらしい。
もう1人は、ルヴィ・エインズワースだ。家系については、以下略でいいな?」
「……!!」
オオカミの言葉に、エイダは絶句し、そしてアリスを見る。その頃には本人は、ミーシャと話しながら階段を上って、自室に向かおうとしていた。話は聞こえていなかったらしい。
「それって、従姉妹とかそういう関係って事?どんな偶然よ……」
「イトコならまだいいな。オバなんだよ。アリスの母親が長子。その後に長男、次男から5男まで続いて、ようやく次女として生まれたのが、彼女だ。しかも同い年なんだよな。
ついこの間、ギルドの用事で王女に会ったら打ち明けられたよ。2人を合わせるかどうかで、ミッチェルと王女の喧嘩が勃発したけどね」
通常運転をしている王女を思い出しているオオカミと、彼の語る内容に呆気に取られているエイダとマリア。そして、その話をすぐ傍で、ずっと静かに聞いていた者。
4人の溜め息が、同時に吐かれた。
「……ヴィンセント様、いつからそちらに?」
「フム、私は元々ここに居たのだ。陰になっているのもあって、皆気が付かなかった様だとは思っていたのだが……」
今、自身の存在感が、生まれてこの方、経験がないくらいに薄くなったように感じたヴィンセントは、もう一度ため息を吐いて3人のいる場所へと移動してきた。
そして、ふと考える。この3人、特に仲が良い訳でも無い様だが、何かと語り合う事が多いのだな、と。邪推する訳でも無ければ、嫉妬するでも無いのだが。
「しかし、叔母が同い年と云うのは珍しいな。年齢が近い事は間々あるが」
「ユウタに行ったら、『えええ!ぜってえありえねええー!』とか言い出すよ。何しろあっちじゃ、歳食ってから結婚するのが当たり前になっていたからね。
医療が進んで行った結果と、社会が進んだ結果、経済的な理由の3点が主な理由だろうけど、子供を産む歳が、この国においては生んではいけない年の領域だったりするんだ」
この国では、30を超えれば子供を産んではいけないとされる。それはとても分かりやすい理由で。
40歳以上は、生きられない事が多いのが、普通だからだ。子供が成人するまで育てられない事が多い。30代でも、死ぬ時は死ぬから、一概に言える物では無いのだが。
西洋医学が発達するまでは、日本でもほとんど同じだったはずだが、とオオカミは心で呟いた。
「……発展したが故に、後退したと言う事でしょうか?なるべく若い内に第一子を産むべきでしょう?」
「まあ、そうだろうけど……聞いてる限りじゃ色々とおかしい国じゃない。考えてもしょうがないでしょ。こっちの常識は通じないんだから」
彼らの中では既に、異世界は異常な世界として認識されている。ユウタは否定するが、オオカミは肯定している為、皆それぞれの尺度で割り切っているのだ。
「異国の常識は非常識だからね。それはどこに行っても変わらないよ。異常を正常と思い込む異常者が、日本人だ」
まるで自嘲するかのように、前世の故郷を嘲笑って肩を竦める。
「その考えは、自重した方が良いのではないのかね?」
「……無理じゃない、こいつじゃ?」
マリアの言葉に、オオカミも含め皆笑い出す。これと言っておかしいと言うほどでもないのだが、それでも笑える事に感じる程、彼らは今の生活が満たされているのだろう。
そして、そのような幸福の時間というのは、続かないのがこの世界の常識だ。
「ヴィンセント様宛てに封書が届きました。こちらに置かせていただいても宜しいでしょうか?」
屋敷を清掃していたはずのフェネックの獣人、パトリスがエントランスホールに現れ、少し雨に濡れた封書を置いて離れていく。
外は酷い雨であり、たまに遠くに稲光が光っていたのだが、その割に濡れてはいない。封書を届けた者のカバンに、雨除けの結界でもかけられていたのだろう。
ヴィンセントは無言でその封書を手に取り、ナイフで封蝋を切る。
その封蝋の印が、ギルドの物であることを確認したオオカミは、瞬く間に表情を変える。ギルドから届く封書は、主に2つ。
1つは昇進などを伝える伝達。悪い情報を伝える事は、通常は無い。
1つは緊急招集伝達。こちらについては、朗報を伝える事は、有り得ない。
「……緊急……?一体、何があったと……」
最悪の言葉を一片零したヴィンセントは、その後に続く文章に目を通して、顔を蒼くする。
「エイダ、マリア。全員を集めろ。今すぐだ」
静かに、しかしはっきりと聞こえる声でオオカミは2人に指示を出す。表情は、直前までの落ち着いていた表情と打って変わって厳しい。
「何よ……緊急って……」
「災害の獣か、戦争か、それに準ずる内容だって事だ。これ以上言う必要があるか?」
最悪の2つと、それに相当する内容だと語るオオカミに、理解が追い付いていなかったマリアも蒼くなる。
その頃にはエイダも既に走り出し、庭にいたハルを窓から呼び、直後自室にいるだろうユウタとアリス達を呼びに、階段を上り出している。
「それで、内容は?」
手紙を読みながら、震え始めたヴィンセントにオオカミは内容を問う。その最中も彼の頭の中では、様々な可能性や仮説が駆け巡り、どう対応するかシミューレトを始めている。
「……内容は把握した。しかし……」
動揺して歯切れの悪いヴィンセントに、オオカミは歯噛みして小さく唸った。
「戸惑っている時間はない。さっさと話せ」
狩人の最上位クラスであり、冒険者の責任者代理人である彼には、暇を持て余している訳には行かない。
再度促しても動かない彼の手から手紙をひったくり、その内容を斜め読みして、その内容に驚きながらも、遠くを見据える目をしてすぐに考え始めた。
否、彼の中では既にほぼ考えが纏まっていた。後は事態に対応して行動するだけだったのだが、少し予想外な事実が含まれていた為、再度思考し始めたのだ。
「ねー、何?」
「なんや、緊急やとか……」
「……もう晩御飯の時間かよう……ちょっと早くないか?」
雨の中で独り修練していたハル、道具作りをしていたリリー、昼寝をたたき起こされたユウタ、言葉を発しないながらも、異常を感じ取ったミーシャとアリスがぞろぞろと集まった。しかし、誰からも緊張が感じ取られない。
対して、緊張感に包まれているオオカミとヴィンセント。彼らの表情は、全く違うのだが。
それには全員、首を傾げる。
「緊急招集状だ。『災害』に匹敵する問題が起きた。まあ、これもある意味、大災害だ」
「災害って……何が起きたんだよう?土砂崩れとか、この時期は多いよな……?」
緊張感が足りないにしても、尋常ではない事態であることは理解したらしいユウタは、しかしズレた発言をしている。
「魔物相手が冒険者の仕事だって、分かってるよな?
今回の災害は、単体じゃない。ゾンビの、大軍隊だ」
オオカミの発言に、全員の表情が青白くなっていく。当然だろう。ゾンビィは時折現れる。
しかし、大抵はダントン1人で事足りる。聖騎士である彼以外には、とてもではないが対処しきれない事の方が多いのだ。
むしろ、戦えないと言った方がいい。
かすり傷が、致命傷なのだから。
「大軍隊?……それって……ダントンじゃ無理なのかよう?」
たった1人、ダントンを信じているが為に理解に及ばないユウタは、それでも常軌を逸した状況に恐れ始めて、手が震えている。
「軍隊相手に、1人で勝てる奴がどれほどいる?
悪いが、師匠譲りの魔術師の俺は可能だ。逆に言えば、今の俺と同等以上の魔術師じゃ無ければ、単独で軍隊を相手取る事は不可能だ。
接近戦で可能なのは、ロイのみ。それ以外は、正面からは相手にできない。それくらいは分かるだろ。
ダントンは良くも悪くも普通の範疇なんだ。押さえるだけの力はあるが、軍隊をまとめて独りで、完全制圧は、不可能だ。
何より、今回のゾンビの襲撃を受けている場所が、広域すぎるんだ。これからその襲撃を受けている個所を上げる。
1つ、クルーゼン伯爵領。1つ、エインズワース侯爵領。さっきアリス達との話に上がったお嬢2人の領地だ。この街から西方にある領地だ。
それともう1つ……
ハートフィールド領」
最後のオオカミの声に、全員が息を呑み、ヴィンセントは跳ね上がった。そして立ち上がり、決意した面持ちを見せている。
が、何かを言う前に、
「ヴィンセント、お前の実家の方はダントンが先手で向かっているらしい。俺達が向かうのは、クルーゼン領だ。家族が心配なのは分かるが、今は抑えろ」
睨みつけながら、リーダーに指示を出しているオオカミ。そうでもしなければ、彼は今に出も走り出していただろう。
歯噛みしながら、どうにか堪えている彼は、オオカミの眼を直視できず、血が流れるほど強く拳を握る。
「……ヴァン、今……」
同じく驚愕した、自身の字を呼ばれた少女は、逢った事も無い家族が、脅威に晒されている事実を、今ようやく知る。
決して逢いたいと願った訳でも無いのだが、しかし見捨てられる訳でも無い。
「クルーゼン領、エインズワース領は今のところ誰も出撃していない。
そして、ダントン以外にアンデッド大量発生に決定打を持つ、数少ないギルドの戦力は、俺とエリナさん、エヴァさんのみだ。
お前達は俺に同行、村人の護衛と俺の補助だ。俺達の行動に並行して、月狼傭兵団も行動する。
殲滅は、俺がやる」
厳しい目を向ける彼に、誰も異を唱えられずにいる。
そして、自身の血縁の者が脅威にさらされていると知り、震える2人は、思考が追い付かなくなっていた。
精霊のボヤキ
――黒い豆って……何で?――
マメに暮らすとか、そんな意味がある。それだけ。
――腹黒いとかはないの?――
いや、何でそうなる……?
――だって黒いし――
腹黒いマメなヒトって、どんなだ?




