表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勇者召喚に巻き込まれて、いろいろあって勇者を倒す立場になりました。

作者: 烏丸ちとせ

 ライトノベルを読んだ後に脊髄反射で書いた作品です。



 この世界に来て、多くの人に助けられた。助けられて、私の為に多くの人が死んだ。思い返せば、酷い話だ。


 勇者の召喚に巻き込まれて、勇者でない私は保護されることなく追放。行き場のない私を冒険者が助けてくれた。


 理由はおもしろそうな話を聞けそうだからという。例え、相手が利益目的だとしても助けられたのは間違いない。この世界で生きる方法を教えてくれたのだ。それと同時に、戻る方法を探すために必要な旅の知識も教えてもらった。


 だけど、この世界は厳しい。私と組んでいた冒険者は、強大な魔物から私を逃がすために死んだ。理由は単純だった。怪我をしてない私が生き残る可能性があったというだけである。


仲間は私を逃がすために囮になって死んだ。最後は、大きな断末魔が聞こえていた。その断末魔は、今でも思い出す。忘れることなんてできない。


 時には人の敵とされた魔族と共闘したこともあった。遺跡の罠にはまって、共闘しなければ生きられなかったからだ。この時、魔族との奇妙な縁の始まりとも言えたのかもしれない。


 そのあと、共闘した魔族は死んだ。魔族が平和に暮らす村人を勇者から逃がすために、戦って死んだ。私がたどり着いた時には虫の息だった。


「お前に夢や希望を託すよ」


 あいつは、そう言って私に刃が落とされた模造ナイフ“星のナイフ”を渡して死んだ。それは、私にとって主力武器の1つとなった。


 星のナイフは、星が生み出した道具と言われている。頑丈で破壊することができない逸品だ。触り心地はよく、適度な重さを保ち武器としては優秀だった。


 そして、星のナイフを託された私は村人を救いに行ったが、勇者にすべて殺された。生まれて間もない小さな赤子まで殺されていた。


「……」

 正義と掲げて戦う勇者がただの悪魔にしか見えなかった。私はすべての村人の亡骸を燃やし、残った骨を大地に埋めて大きな墓を建てた。 救えなかった自分を責めて、罪を償うように。それは、自分勝手な行動なのかもしれない。


「守るよ」


 私は、一足先に星に還った人たちに誓うように言って、旅を続けた。


 そのあとは、誰かを救いながら生き続けた。善も悪も関係なく救った。ただ、全力で救い続けた。例え、自分の体の一部を失ってでも救い続けた。誰かを犠牲に生み出す幸福が嫌いだったからだ。


「……」


 だとしても、何度死にかけただろう。気が付けば、私は魔族の守り人となっていた。一方的に勇者たちに虐げられる魔族を守るために戦うことになったのだ。


「ははは」


 私は乾いた笑いを上げながら、敵を見た。周囲には勇者側に付く人たち。それに対して、私は一人だ。体には何本か矢が刺さっている。


 左手に持った星のナイフに祈りを込めた。それと同時にオーラが生まれ、刀身が生まれる。


「……」


 ただの人間が悪魔の所業みたいなことをやるなんてと思いながら、近くにいた敵を切る。横から嫌な気配を感じたので、後ろに下がって周囲を確認。すぐにいる敵にとびかかって、切り裂く。


 敵は切られてよろめきながら倒れる。


 長い戦いで大多数との戦闘はなれている。次から次へと敵を切った。多くの敵が私に向かってくる。


 とても辛かった。辛くて、もう頑張ったんだから、休んでもいいじゃないかと思うことがある。楽になりたいと思った。死が甘美な誘惑をしてくる。


「お前は楽園に住むことは許されない」


 でも、そんな誘惑を断ち切るかのように死神の声が私の頭に直接語り掛けるように響く。


「うぐぅ」


 お腹に剣が突き刺さった。激痛だ。片膝を付いたが、すぐに反撃。左肩でタックルを行い吹き飛ばす。


 敵は剣を離す。


「はぁはぁ」


 突き刺さった剣を抜きたいと思ったが、抜けば血が噴き出して死ぬ。


「お前は地獄に住むことは許されない」


 死神は楽園も地獄の入国を許さない。


「生と死の世界を永遠にさ迷うがいい」


 何度、膝を付いたり、倒れたりしても死ぬことは許されない。


 そして、私が諦めたら……平穏を望む魔族たちが虐殺されて、滅ぼされるだけなのだ。


「わかっているよ……」


 死んで来た人たちのために、私は戦いを続けなければいけない。


どうみても、死んでいるはずなのに私の体は動き続けた。戦う人がいる限り、私が戦いを止めることは許されない。


 例え、目に矢が突き刺さっても……。


 例え、右腕を失っても……。


 誰かを守り続けるために……私は戦う。戦って、戦って、最後の1人になるまで戦いつづけるだけだ。


「うぉおおおおおおおお」


 大きな声を上げながら、自らの魂を奮い立たせ、すべてを切り伏せる。

 戦いは私だけになるまで続けた。戦う者が私だけになるまで、戦い続けた


「……」


 戦いが終わった後、敵が倒れていた。


「……終わったのか」


 私に挑む敵はいない。それもそうだ、すべての敵の業を断ち切ったから。


 ただの人間が成すには、修羅とも言える道を選んだのだ。だけど、私はそうでなければいけないと思っている。


 1人を守るために、誰かを切ったら終わりはない。無限に続く戦いの螺旋が続くのだ。


「戦いを殺さなければ、戦いは終わらない。そして、戦いを終わらさなければ、戦いが私たちを滅ぼす」


 私は星のナイフに祈りをささげて、オーラを消して、刃を仕舞う。


「……帰ろう」


 私はよろよろと歩きながら、帰るべき場所へと歩み始める。


「……いつ、終わるのだろう」


 私は終わった後を見ながらつぶやいた。人がたくさん倒れていて、人が持ってきた兵器の残骸や武器がいたるところに転がっていた。


 だけど、私はそれらを拾う気にはなれない。なぜなら、これらは誰かを殺して、己の望みをかなえるための道具。生きるために、狩るための道具じゃない。


 それに対して、星のナイフは変わった武器だった。その人の心の在り方を示す武器なのである。故に、守りたいと願った先にたどり着いた答えは、誰一人殺さずに守り通す力だった。


 いずれ、ここに倒れている人たちは起き上がるだろう。死という記憶と共に……。それが、その人にとって幸福かわからない。だけど、戦いを止めるきっかけにはなるはずだと思いたい。


「守り人様、ご無事で」


 女性の声が聞こえる。聞きなれた声だ。

 声の方を向くと、戦場に合わないドレスを見にまとった女性がいる。ただ、その頭には藍色のした角が生えており、耳はエルフの耳のように尖っていた。


「女王様……」


 世界の平和を願い続ける純粋な女王様。戦いの悲惨さを知らずに、純粋にすべての幸せのために1000年以上を生き続けた人だ。


「……」


 私は頭を下げた。


「ここまで来てくださって、ありがとうございます」


「当たり前です。あなたは、戦いを止めるために1人だけで勇者たちに立ち向かってのですから」


「……はい」


「でも、どうしてです。どうして、1人だけで戦おうとしたのです。あなたは1人でありません。どうか、自分だけで戦おうとしないでください」


「……すみません。それはできません」


 私はまっすぐした目で、女王様に言う。


 女王様は、とても悲しい表情をする。ああ、困った。女王様が泣きそうだ。何とかして、機嫌をよくしてほしいのだが、私にはそんな技量はなかった。


 ぽたぽたと落ちる涙を止めることができず、ただ立っているしかできない。


「……」


 女王の後ろに立っている、従者の方を見た。


 従者は首を横に振った。おそらく、どうしようもできないという意味なのだろう。


「……女王様。私は大丈夫だ。だから、泣かないでほしい」


「む、無理です………うぅ……む、ぐす」


 少しだけ泣きそうなのを我慢したが、女王の涙を止めることはできなかった。


「たとえ……たとえ……星に愛された人でも、心は傷つきます。例え、腕をもがれてもっ………たとえ、光を失っても…………それらが元に戻っても………」


 私は少しだけ、女王から視線を逸らして、下の方を見た。女王様の言うことは本当だ。この異世界の星に愛された私の体は、人であるかわからなくなっていた。


 すでに、失った体の一部は再生され、軽い傷はすでに怪我も治っていた。


「立ち止まるわけにはいかないです」


「…………なぜ」


 私は女王様に背を向けて、空を見た。


「この星に正義がある限り、私は…………戦いを止めることはできないのです」


 私はそう言って、白い飛行機雲を見つめた。かなり遠くに見えるが、その飛行機雲は私の方向へ伸びており、飛行機雲の先端には人の形している。


「下がってください。私が見える場所で、幸せに死ねない人を見たくない」


 従者が、女王を担ぎ上げる。


「まって………ください」


 女王が大きな声を上げて、暴れる。従者は黙ってこの場から立ち去る。


「……」


 飛行機雲は私のほぼ真上まで来た。


 そして、人の形をした……否、勇者が地面に着地。入れ替わるように現れる勇者が現れる。


 勇者は、16ぐらいの少年だ。


「見つけた。今日こそ、あんたを倒して世界を平和にする」


 勇者はロギウスと呼ばれる神が作った剣を抜いて、構えた。神々しい剣は、まさに妖刀と言ってよい品だった。


「無理だ。きさまが、正義を掲げている限りは叶わない」


 私は率直に勇者に告げる。


「魔族は、滅ぼさなきゃいけない。そうでなければ、人の世界は終わる」


 勇者は、私に向かって大義を語る。


「それは人の都合だ。結局、人の利益のために魔族を犠牲にして享受する幸せだ。何1つ、この星から戦いを終わらすことができない」


 私は星のナイフに祈りを込めながら、この場にいる人を巻き込まないようにゆっくりと移動を開始する。


「……はぁ」


 私はため息をついた。本人は、楽しい勇者ごっこだが、私にとっては悪夢でしかない。そして、勇者を憎んでいたとしても殺すことができないのが辛い。


「……どうした。何か言い返さないのか」


 私は死んだ目で勇者に言い放つ。


それに対して、勇者は私を睨んでこう言う。


「このままでは、人は滅ぶんだ。すでに、王都まで砂漠が近づいているんだ。あんたは、人を滅ぼそうとしているんだぞ」


「……」


 この星が抱える問題だな。魔族の間では、白砂漠化現象と呼ばれるものだ。その原因が何なのかは、すでにわかっている。世界でも有数の力を持ち、勇者を召喚した国によるものだ。


 便利な生活と共に、星の力の源を消費することで白砂漠化が進む。できることなら、私は勇者の相手なんてしないで、その原因を断ち切りたいのだ。


 何度か、勇者に説明したが、やつは何も信じようとしなかった。自分を引き入れる嘘としか感じていない。今まで、自分の行いが正しいと信じながら戦い続けた勇者は盲目的に正義を掲げて、私や魔族の言うことを信じようとしない。


 それどころか、私が人を殺さないことで、人の味方だと思っている部分があるのかもしれない。


「同じ世界から来たのに、どうしてわかりあうことができないんだ」


 勇者は、今日も同じことを叫んだ。もう、飽きてきた。早く戦いを終わらしたい。


「……」


 私は勇者と戦って、誰も被害がでない場所へ移動し終えると戦いに備えて構えた。


「さっさと終わらす」


 私はそう言って、先手を取った。

「ぐっ」


 私の繰り出す攻撃を、勇者は剣で受け止めた。やはり……神が作った剣を破壊することはできなかった。


 失った右腕があれば、右ストレートをお見舞いしたい所だが再生中なので叶わない。やっと、足腰が正常に動くようになったのだ。それだけでもありがたいところである。


 勇者は私との距離を話そうと、胴への攻撃を行う。後ろに下がれば避けられる攻撃であるが、追撃を選択。星のナイフで受け流しながら、蹴りによる攻撃を行う。


「くそぉ……」


 勇者という圧倒的なパワーによって勝ち続け、何1つ学ぶことのなかった勇者は弱かった。


 それに対して、多くの経験によって得た力の前には無力とも言える。


「……終わりだ」


 何度かの一方的な攻撃によって、勇者は体制を崩した。それが意味するのは敗北である。


 斜め横へと剣を振って、勇者に止めを刺そうとした。


「……む」


 しかし、障壁に阻まれた。


「勇者様」


 勇者の仲間たちがやってきたようだ。戦場にはは、合わない美少女たちである。女戦士、聖女、メイド。どこぞのアニメと思いたくなる奴らだ。


 この防壁は聖女が生み出したものだろう。私は何度か、剣を振り落として防壁を破壊しようと試みる。しかし、壊れない。


「やった、女神エルヘルネの秘術が効いている」


 女戦士がそう言いながら、自分と同じ背丈のある大剣を振り回してくる。まともに受ければ、大けがは免れない。


 たとえ、死神から楽園と地獄から追い返されて死ぬかとが許されなくとも、負ければ魔族が虐殺されるのだ。この戦いに負けることは許されないのだ。


 勇者がまとう防壁を破壊するのをあきらめて、勇者から距離を話す。


「今です。今なら、あれが使えます」


 メイドが声を上げた。本当に、アニメでありそうな展開である。


「……ああ、そうだな。みんな、俺に力を分けてくれ」


「「「はい」」」


 勇者の仲間たちは、勇者を取り囲み膝を付いて祈りをささげた。


「ここに希望を一つに」


 綺麗な歌を歌ように聖女が言葉を紡ぎだす。


「穏やかな夜を」


 メイドが両手を広げて言葉を捧げる


 まずい、なんか大技を使うつもりだ。是が非でも止めなければ、敗北しか見えない。だとすれば、私はやつらを妨害するしかない。


 できることは、投げナイフで投擲するぐらいである。


 かきん


「……」


 防壁で防がれた。


「……それは、夢の為に」


 女戦士が剣を掲げる。


 勇者が持つ剣が輝きだした。


「すべての希望をここに。我は勝利の化身」


 勇者が剣を振り上げた。結論から言おう。勇者側の立場なら、きっとわくわくするシーンなのだろう。だが、悪の立場から言わせたら、地獄でしかない。


「星よ……どうして、受け入れた」


 私は星に文句を言いながら、これから起こること身構えた。


「いけぇええええええええええええええ」


 勇者の声と共に放たれる光。


「避けたい。逃げたい」


 でも、逃げることは許されない。ここで逃げるわけにはいかないのだ。

 星のために死んだ人、平和のために死んだ人、私のために死んだ人。

 星に還った命に答えるなければいけない。


「生と死が回る星。答えてくれ、生きる価値のある者たちの笑顔の為に……」


 星のナイフに祈りをささげた。星を守りたいと願った。星のナイフは、私の願いを聞き遂げるかのように、青いオーラが生まれ、光を防ぐ盾が顕現する。


「防げるか」


 願うしかない。願って、止まらなければ世界が滅ぶ。この光は世界を滅ぼすだけの力を持っている。


「ぐっ……」


 勇者が放つ光を受け止めると同時に、衝撃が来る。足を踏ん張り、その場から吹き飛ばされないように必死に耐える。


「うぉおおおおおおおおおおおおおおお」


 私は声が続く限り叫ぶ。叫んで、叫び続けて、勇者が放った必殺技を耐えきった。


「はぁはぁはぁ………神様てのは本当に人のことを思っているのか。まだ、私の世界にいた神様のほうが人間のことを考えているぞ」


「そんな、ばかな」


 倒れなかった私を見て、勇者は驚きの声を上げた。反応がワンパターンでつまらない。


「そんな……勇者の為に封印された悪滅の光を使っても勝てないの」


 聖女の言葉に、私は都合のいい解釈だよと思った。私から言わせれば、環境破壊の光だよ。こんなものを使われた世界が滅ぶ。この力を封印した人は英雄だといっていい。


 そんなことおより、この場ですべてを終わりにしてやる。余計なことを言うと、変な援軍が来るからな。


「終わりだ」


 勇者たちは、神々の加護を受けているので、殺しても蘇る。だから、私は容赦なく勇者たちを殺そうとした。


「諦めな、勇者たちよ」


 どこからか、ファイヤボールが飛んできて、勇者たちを殺すプランが阻まれた。大きな爆発が発生して、土煙が上がる。


 視界が防がれたが、私は冷静に耳を研ぎ澄ます。


「まだ、戦える。私が来たからに安心だ」


 勇者を助けようとする者の声。方向は……そうか、特定した。


「我が一族に伝わる秘法。これを使えば、悪逆非道の魔族の為に人を裏切りし者を屠ることがあぁあああああああああああ」


 土煙を抜けると、おぼっちゃまと言えるような金髪イケメンがいた。私はそいつの顔を思い切って殴った。


 そして、星のナイフで生み出したオーラで心臓を突き刺した。もちろん殺してないが、死という体験をさせた。それから、秘法と呼ばれる物も回収。白砂漠化を止める可能性があるかもしれないのだ、利用しない手はない。


 それから、その辺にいる奴らも切り伏せておく。いい加減に、終わりにしたい。この悪ふざけを終わりにしたい。


「終わりを始める。幻想を殺す。夢を殺す。希望を殺す」


 私は星のナイフに祈りを込め、オーラを生み出す。そして、それは……勇者を殺すだけの威力を秘めたものだった。


 私は躊躇することなく、勇者とその仲間を殺した。


 なに、私は生き残るために多くの獣を狩ったのだ。それに比べて、何度も蘇る勇者に躊躇なんて必要ない。心を破壊して、2度戦いをしたいと思わせないことが大切なのだ。


 勇者を倒し終えると、勇者とその仲間は光の粒となって消えた。勇者の援軍は、仲間であるが、加護がないので、殺さない程度にしているので、そのままだ。どうせ、起きたら撤退するだろう。


 私も撤退だ。できたら、おいしいエールが飲みたい。冷えたエールを飲みながら、ボードゲームでも楽しみたい。


 私は薄気味悪いと言われた笑みを浮かべながら、魔族が営む酒場へ歩み始めるのだった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


■登場人物紹介


・私


 魔の守り人


 悪役


 勇者召喚に巻き込まれた存在。神々の加護を受けることができなかった哀れな人。人の世界から見ればできそこないである。代わりに、星に愛された人である。結論から言えば、不死者である。


 多くの生と死を見守り生き続けた先にたどり着いた声は、戦いは不殺。生きるために、食べ物を得るため以外の殺生はしないことを誓った人。


 なお、女王様との関係は友達であり、恋愛に発展することのないハードボイルドな関係。いずれ、元の世界に戻る予定の身なので、愛しあう関係にはならない。


・私と共闘した魔族


 真に平和を導こうとした主人公


 魔族と人が手を取り合って幸せに過ごせる世界を作ろうとした人。だが、自分にはその力が無いと理解しながら、戦い続けた。

 そして、その可能性を秘めた私に自分の夢や希望を託して、星のナイフを渡した存在。


はっきりいえば、こいつが主人公。そして、この物語は後日談である。いってしまえば、続編だろうな。


・魔族の女王様


キングオブ聖女


 ただ、すべての者たちに幸せを願い続ける無垢なる心の持ち主。花を持って戦いはやめましょうと本気で実現しようとする人。

 ただ、現実を見ている部分もあるので、理想で終わらずに現実の夢として必死にかなえようとして生き続けている。


 女王様ルートだったら、私とのいちゃらぶるーとに発展するはず。しかし、そんな予定はなく。私の願いを理解するがゆえに、ハードボイルドな関係である。


 また、本人も自分の夢があるので、友だちの関係である。しかし、その絆はダイヤモンドのように固く、砕かれようと、幾千の結晶として残り続ける。



・従者


 超真面目な人


 今回では、出番がほとんどないモブ扱いだが、連載かしたらメインキャラとして大活躍。超優秀な従者。

 女王様のよき理解者であり、絶対的な忠誠を誓っている。



・勇者


 ただの敵役


 ライトノベルでは、主人公ポジション。かわいい女の子と一緒にいちゃらぶ魔王を倒すために大冒険。世界を平和にして、ハッピーエンド……のはずだったが、私という存在と、この世界に隠された事実によって、ただの敵としてなり下がった存在。


 ただ、高校生である。若さ故の過ちと言えばいいだろう。誰もがヒーローにあこがれるのは仕方がないことである、あるいみ熱血系の物語では十分、主人公として活躍できるだろう。


 とにかく、召喚された場所が悪かった哀れな存在である。


 私にとっては、正直、いなくなればいいと思う存在。こいつがいることで、人は正義を信じて戦い続ける。そして、白砂漠化現象を加速だけさせる愚か者である。


・女戦士


 勇者のヒロインA


奴隷であり、生きるために戦い続けた女性。姉ポジションで、お胸は大きい。超えたブドウ畑の持ち主。

 私にとっては、大剣を使って多くの魔族を殺した悪魔。人々を守る戦士として崇められているが、そこに隠されたのは、血なまぐさい真実である。


・聖女


 勇者のヒロインB


 清純系ヒロインとして、勇者と旅をする少女。教会のエロ爺に、いろいろされそうになったりしたところを、勇者に助けられて、一目ぼれ。ちょっとえっちな事件を起こして、勇者をむふふさせる少女でもある。いっちゃえば、ライトノベルのヒロイン枠Bである。


 私にとっては、腐った悪魔。自分の立場を利用して、多くの人を戦場に送る悪魔としてか見ていない。


・メイド


 勇者のヒロインC


 ご奉仕系ヒロインとして、主人公の旅を支える少女。いろいろ超優秀で、よくありがちな、勇者とメイドのラブロマンスで、らぶらぶな関係になるのだが、しょせんその程度である。

 一応、いいとこのお嬢様だったらしいが、家が没落してメイドに。その知識は勇者の旅を支える存在である。


 私にとっては、勇者を慕うかわえそうな人。


・勇者を助けた奴


 ただの愚か者。だが、頭は回る。


 人々の安寧を願う若者、勇者を永遠のライバルとして、何度も対戦を挑んでやられる役。連載かすればギャグ要因としてあつかわれる、かわえそうな役を押し付けられるだろう。


 私にとっては、一番話が通じる人。本編では、そっこうで蹴散らされたが、私との話で、自分の行いに疑問を思い、独自に白砂漠化現象を調べている。


 ネタ枠扱いされているが、シリアスな場面では、しっかりと決める存在。はっきりいえば、勇者よりも役に立つ。



■用語


・白砂漠化現象


 青いオアシスから始まった白砂漠。それは徐々に広がって、いずれは世界を覆うとされている。

 原因は、人が利用する魔導エネルギー。このエネルギーを使い続けることで、木々が枯れ砂漠化が進む。

 多くの街を白い砂が飲み込んでおり、豊富な自然資源がある魔族を進行するのは自然的な成り行きとおもいえる。また、白砂漠化現象とともに、クリーチャーの凶暴化が発生。それを利用して、権力者は人と魔族の戦争を起こしている。


・勇者召喚


 使い勝手のいい人間呼び出すシステム。ライトノベルでは、困った時にはこいつで解決。必殺の技法である。

 今回の召喚では、強大な力を持った勇者が複数召喚された。しかし、極悪な存在も呼び出してしまった、ポンコツシステム。


 正直、このシステムがなければ、私はのんびりした生活を行えていた。また、真の主人公が願った魔族と人が取り合う世界も簡単に作れていた。


・星のナイフ


 主人公が使っていた武器。のちに、私に託される武器。星に愛された人にわたる定めを持ったナイフ。

 心の持ち方で多くの希望を生み出す。


 私が時折言う言葉は星のナイフにかける願い。その願いは、平和を願う死者たちの願いである。


 悪役から見れば、勇者は悪魔ですよね

 あと、戦いのはてにたどり着く先、私が誰も殺さない限りたどり着く答えはハッピーエンドです。

 ここまで読んでいただきありがとうございます。

また、ご意見ご感想、お待ちしております。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ