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はじめに  作者: 師走
9/601

10

さよならさえ言えなくて

うじうじ立っていたのだけれど

彼も待つわけにはいかないよね、やっぱ

さっと遠のいてくの

電車が向こうからやって来て、私を焦らせてくれれば

もしかしたら、何か声をかけられるのかもしれないのだけれど

それに、彼がこちらを向かないで、背中を見せてくれれば、そう、こんなにつっかえることもないだろうに

彼からしてみると、私はどう映っているのだろう

何も言わず、追いかけもしない私を、理解してくれているんだろうか

どちらにせよ歯痒い

どうしてこんなに馬鹿なんだろう、私

ちょっと息を吸い込めば、後は成り行きに任せるだけでいいのに

ああ、彼の姿があんなにも小さい

もう声も届かないだろうね

そう思えば

急に喉を占めていた力が緩んで来た

あれ、どうしてだろう

こんなにも惜しいのに、

離れていくたび、

リラックスできてしまう

でもそれじゃあ

やっと口が自由になっても

彼はいない

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