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はじめに  作者: 師走
61/629

61

暖かい

陽だまり

犬は

寝転んだまま

頰を

緩める

なだらかな

坂の上

川土手にも見えるが

山の上である

周り一面

細やかな草

風はゆっくり

犬は

耳をピクリと震わす

湿った土の感じ

そこへこの暖かさ



「あっ、あんな所に!」

カンタは叫んで駆けて行きます。

寝ているミントを起こすためです。


「こら!どこほっつき回ってるのかと思ったら!ダメだろう?勝手に脱走なんかしちゃ」


そう言うと、ミントはむっくり頭を起こしてカンタを見ました。

ほんの少し、尻尾を揺らします。


「もう!立てって!帰るよ!!」

カンタはミントの腹の下に手を入れました。

すると、途端にそこに温もりが伝わってきます。


「わぁ、あったかい!」

カンタはストンと力を抜いてしまって、しばし、ミントと一緒に寝転ぶことにしました。

春の陽気です。

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