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はじめに  作者: 師走
55/629

55

小さく飛び出た岩の上へ

犬一匹に、二人の男

彼らは皆一様に下を見ている

犬は少し足踏みをしながら頭を傾け

男らは目を大きくしながら腹ばいになっている

眼下の景色は

ところどころ突き出ている濃い緑の木を除けば

掴み所がないような様相で

恐怖心より期待を大きく煽り

その時には風も大人しい

有刺鉄線を一本隔てて

彼らは突き出た岩の上

不安定な天気の繰り返される空模様よりも

クラクラする程の森に気を奪われる

冷えた体もようやく収まり

どうしようもなく鎮止していた


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