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はじめに  作者: 師走
20/629

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草が伸びているね

黒く汚れた

プラスチック製の工場の壁が

すぐ迫る地面に

細く小さく控えめに

けれど

草なんだね

最初に生えた草は

鳥にでも運ばれてきたのだろうか

それとも、風かな

緩やかそうで

何よりだよ

往来を歩く人たちを

ずっと見ているわけだろう?

目がちゃんと開いているなら、それを見てなにを思っているんだい?

踏みつけられるのが怖いかな

いや、みんなそうやって遊ぶ余裕もなさそうだよね

せかせかしてるって思うかな

それとも

動き回れることを羨ましがってる?

ほら、太陽だよ

このところ局地的な雨ってのが

多いよね

それでもこうやって元気なんだね

犬からシッコをもらうことくらいはあるだろう?

我慢するのかい?

耐えるな、発散しろ、という人もいるかもしれないけれど

君達はそれができないものね

でもさ

居住地が決められて縛り付けられて逃げれなかったら

もう諦めがついてさ

かえって楽かもしれないね

逃げるか逃げないかの選択肢が残されてないんだもん

ああ、揺れてるね

君は立派だと、

思ってみたりもするよ

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