第42話 ナガラーシャ決戦 後編
超遅くなりましたがご安心ください。
今回は超特大ボリュームでお送りします。
戦うにあたってジークモルゲンは未来からやってきたスキーマーたちの言葉を思い返しながら、あの時彼らの忠告を確かに聞いていれば良かったと後悔していた。
技術力も構成員もその能力の強さにおいてどの組織よりも頭一つ抜いているアンチノーマルが、たかが能力者一人によって劣勢に追いやられていると聞いて侮っていた当時の自分をぶん殴ってやりたいとも思っていた。
「ハァッ!!」
ただの正拳突き。
されどその正拳突きはジークモルゲンの属性の弾幕を消し飛ばし、ジークモルゲンを守る属性の壁を貫通させてきたのだ。
(なんて威力だ……!?)
聞いていた内容通りの化物具合。
ともすれば生で見ている今の方が衝撃が高いかもしれないと、消し飛ばされた弾幕を再び展開しながら思うジークモルゲン。
一方アッパーはというと消し飛ばしたジークモルゲンの弾幕を見て、手のひらを開閉しながら自身の身体能力の具合を確かめていた。
(やっぱり強化の度合いが跳ね上がっている)
アッパーが使ったのは『全力強化』ではなく拳に纏わせたただの『強化』である。
そんなどこぞの大魔王様のセリフと似たような文章になっているが事実としてそうであり、アッパーの基礎能力が底上げされたという証左であった。
ジークモルゲンの能力の出力は流石に暴走能力者の巨大な竜巻と比べると些か分が悪いが、彼の類稀な戦闘センスに『現象系属性型』特有の複数の属性を操る能力が加えることで、厄介さは寧ろジークモルゲンの方が上である。
だが『全力強化』を使えるようになったアッパーにとってジークモルゲンの持つ戦闘センスの高さはさほど脅威的ではない。
全力で『強化』を使って消し飛ばした暴走能力者の時よりも今の状態の方が余力を残してもなお消し飛ばせるということ、そしてジークモルゲンとの最終決戦ということからアッパーにとっては消化試合のようなものになっていた。
戦闘中であるにも関わらず澄ました態度のアッパーを見て何かに気付いたのか、ジークモルゲンは体をワナワナと震えさせて顔に青筋を立てた。
「……手加減しているのか? この俺に? 俺を殺そうとした奴らよりも強いこの俺を?」
「手加減している訳無いだろ? これはな、様子見というんだよ」
勿論ジークモルゲンの実力を様子見するのではなく、自身の力がどれぐらい強化されているのかという確認である。
そんなまるでジークモルゲンが眼中にないかのような雰囲気を漂わせるアッパーにジークモルゲンは察したのか、彼はより一層に青筋を浮かび上がらせた。
「ふざけるなよ!! 復讐を阻まれ、その元凶と相対しているこの俺に!! 貴様はあろう事かこの俺を取るに足らない存在だと認識しているのか!?」
怒りを奮い立たせて限界まで属性の弾丸を周囲に待機させたジークモルゲンだが、それでもアッパーの目に焦燥の色が見られないことから顔を歪めた。
「これは使いたくなかったが……!!」
ギリ、とジークモルゲンが歯ぎしりをして、彼の口の中から微小ではあるが何かが割れた音を聞いたアッパーが首を傾げる。
するとジークモルゲンから感じる気配が暴走能力者と同質の物に変わり、それに合わせて彼の周囲に展開されていた弾丸の大きさが膨張する。
「ハァーッ……!! さぁ貴様の余裕がいつまで続くか見ものだなぁ!!」
「野郎……歯にエリーゼと同じ試験用暴走薬を仕込んでやがったのか……」
腐っても皇族であるため、元の能力の高さが暴走薬と融合して一般市民の暴走能力者と比較にならないほどの出力を出すジークモルゲン。
それでもなお余裕の表情を崩さないアッパーは、冷静に次の確認を実行した。
「――『全力強化』」
体全体に張り巡らされる『強化』の力が限界までアッパーの力を強化される。
「喰らえェ!!」
その直後にアッパーに向かう属性の弾幕。
先程までは大量の数の弾丸が寸分の隙間なく展開されてまるで壁のような弾幕だが、今回はそれに加えて巨大さが増している分傍から見ればまるで超極太ビームのような弾幕になっていた。
そんな弾幕をアッパーは冷静に全て打ち潰した。
下手すれば強化感応現象を発生させていた暴走能力者よりも巨大な弾幕を、アッパーは冷静に拳の連打だけで一つ一つ潰したのだ。
やがてジークモルゲンの弾幕が途切れ、そこに現れたのは全く無傷のアッパーにジークモルゲンは口を開けて呆けた。
「ば、馬鹿な……」
「……なるほど、こんなもんか」
アッパーのその言葉はジークモルゲンに言ったのではなく、自身の『全力強化』状態の自分に対して言った言葉である。
だがジークモルゲンはそれが自分に向けて言った言葉だと勘違いし、雄叫びを上げながらアッパーに向けて属性の弾丸を放った。
今度は先ほどの弾幕よりも数は少ないがその分一発一発に込められた威力はその比ではなく、炎に当たれば蒸発、風に当たれば千切り、水に当たれば貫通、土に当たれば木っ端微塵になるほどの威力を誇る物だった。
「――」
だがアッパーはそれらの弾幕に向けて悠然と歩き出した。
「何!?」
静かに、ゆっくりと、しかし確実に前に進むアッパー。
そんなアッパーに弾幕が着弾するかと思われたその直前、アッパーはまるでガードするかのように右の前腕を突き出してアッパーに当たる弾丸を一つ一つ弾き消したのだ。
目を見開くしかない。
口を呆けるように開くしかない。
まるで絶対的な存在として歩むその姿に、自身が放った渾身の力をまるでハエのように叩き落すその絶対的な生物の頂点としての格の差に愕然とするしかない。
「どうしたジークモルゲン」
「……!!」
「バカの一つ覚えにただ弾幕を張り続けるだけか?」
「貴様ァ……!!」
メタリカの『硬化』よりも硬く、クロノスの倍速を用いた『時空』の速さよりも速く、一つの区画を破壊する暴走能力者の力を消し飛ばすほどのパワーを持つ相手に遠距離からの攻撃以外に有効な手立てはあるのだろうか。
「うぅ、うぅ……ッ!! うぅぅおおおおおおおお!!!!」
だがそれでも、それを言われたジークモルゲンはアッパーに向かって駆け出すしかなかった。
何故ならもうジークモルゲンは敗北していた。
ジークモルゲンは既に終わっているのだ。
計画は既に崩壊し離脱するための飛行船もその部下も失っていたジークモルゲンには既に逃げ場はなく、なおかつ勝利の可能性が絶望的な相手であるアッパーと戦っているのだ。
遠距離から撃てば破滅の時を延期できるが打開できるわけでもなく、もう後がない彼はこのまま撃つよりも彼が得意とする接近戦で挑んだのだ。
それともう一つ理由があった。
ジークモルゲンのこれまでは自身の戦闘センスという才能で大きな作戦を任せられる立場まで成り上がった。
それゆえに彼は自身の身体能力に付与された属性で戦うインファイトスタイルを好んでいたが、先程のアッパーの言葉によって彼はこの国の能力者と同じく遠くから能力を撃っている戦い方と同じだと言われているような物だった。
(この俺が、この国の奴らと同じだと!?)
弾幕を展開しながら駆け出したジークモルゲンは、その途中で自身の体に風を纏わせるとジークモルゲンの体が浮くようになった。
それと同時に手のひらかまるでバーナーのように炎を噴射させ、その推進力の勢いで飛んだ。
自身のプライドを賭けて、接近戦で挑むしかない。
弾幕の隙間から見えるアッパーの笑みに恐怖を抱こうとも、ジークモルゲンはこの自殺同然の行為をしなければまるで過去の自分を否定しているようなものだと思ったのだから。
◇
『ハァーッ!!!』
二人の少女の口から発する気合とともに放たれる様々な属性の弾幕が互いの弾幕とぶつかり合い、蒸気やら火花が散っていく。
「ふん! 叔父様から聞きましたわ! 貴女のそれは薬によって齎されたものだと!! 所詮まがい物の力で皇族、ひいては我が皇国に仇なそうとは能力者いいえ、人間の風上にも置けませんわね!!」
「そっくりそのままその言葉を返すよ……!!」
方やこの国の第二皇女、方やこの国の第三皇女でありながら皇族と認められなかった少女。
まさに因縁と呼べる関係である二人は、自身の能力を使って相手に放っていた。だが劣勢なのはまさかのアトリだ。
「く、うぅ……ッ!!」
額に脂汗を滲みながら、アトリは苦しそうに自身の能力を操る。
一見互角に見える二人の対決だがしかし、エリーゼは日頃から訓練しておりその能力の出力は暴走薬に底上げされているため、常に余裕の表情。
対してアトリは暴走薬投与されているとはいえ、日頃から訓練はしておらず、していたとしても『偉大な炎』を発現するための訓練かたった数週間の戦闘訓練だ。
それでもアトリが未だに倒されていないのは一重に暴走薬によって引き出された彼女の高い潜在能力によるゴリ押しであり、そして頭の中に響く懐かしく、慈愛溢れる声だった。
――みぎ。
「! ――ハァッ!!」
――ひだり ななめ うえ。
「やぁッ!!」
「ッ! フェイントまで対処された……!?」
その声に従ってアトリが能力を動かすと、アトリの弾幕を縫って向かってくるエリーゼの攻撃を迎撃したのだ。
アトリ自身、頭の中に響く声についてこれだと思った確証はない。だがそれでもそのアトリが分かるほどの愛に溢れた声を聞いて心当たりがあるのか、その顔に笑みを浮かべて嬉しそうに涙を流す。
(ありがとう! ありがとう……!!)
その声に向けて心の底からの感謝を送ると同時に、アトリの奥底から湧き上がる『何か』が彼女に気力を満たしていく。
産んでくれたことへの感謝。
ずっと愛してくれたことへの感謝。
ずっと共にいてくれたことへの感謝。
そして、アトリと一緒に闘ってくれることへの感謝。
感謝の気持ちがアトリの心から溢れ、彼女の能力がアトリの想いに応えてくれるかのように威力が増していく。
そんな笑みを浮かべているアトリに何か脳裏を掠めたのか一瞬呆然とするエリーゼだが、ふと我に返り侮蔑を込めた眼差しでアトリを見た。
「戦の中でその笑み……舐めていますの!?」
「ううんお姉様……! 私は感謝しているんだよ!!」
「感謝……!?」
「やっぱり私はお父さんの娘だって!!」
愛してくれた存在がいた。
死んでもなお自身を愛してくれる存在だ。
愛してくれる存在がいる。
例え離れてもなお自身を愛してくれる存在だ。
「その事に私は気付いた……!!」
やはりどう考えても最終的に行き着くのがそれであった。
例え離れ離れにされても、例え『偉大な炎』が出せなくとも、愛さえあればそれこそが家族の証だという単純な帰結にアトリは気付いた。
否、気付いていた。
もうとっくに気が付いていた。
なのに自信がないせいで目の前にあったものが霞んで見えなかった。『偉大な炎』を出せなかったせいで、周りが認めないせいで気付いていた物に目を背けた。
「違う!! 貴女は『偉大な炎』を出せなかった!! 皇族である証、親子である証である『偉大な炎』を出せない時点で貴女は皇族と何も関係がない!!」
エリーゼの反論と共に彼女から放たれる弾幕が濃くなっていく。
「『現象系』の貴女ならば我が国民として丁重に扱いましょう!! しかし『偉大な炎』を出せない貴女が国民を導く皇族の一族として扱われようとするのは我慢なりません!!」
「くぅっ!!?」
「国民を導けない貴女が皇族になろうだなんて、なんて恥知らず!! 貴女のような存在はねぇ……!! 穀潰しというのです!!」
アトリの弾幕をエリーゼの弾幕が侵食し始める。
それと同時にアトリの能力が衰え始めた。
「やはり所詮薬の力!! 貴女の能力が元の力に戻りますわよ!!」
アトリには最早エリーゼのフェイントに対処する余力も残されておらず、できることといえば弾幕を濃くして押し負けないこと。
だがそれでもアトリの弾幕を縫ってエリーゼの攻撃がやってくるのは止められず、甘んじて受けるしかなかったがアトリの体には傷が見当たらない。
(ずっと……目に見える証として『偉大な炎』が欲しかった)
皇族の証である『偉大な炎』の発現こそが目に見える親子の証だと思った。
しかしノウンの検査によって『偉大な炎』を出すことは根本的に無理だと教わり、それでも『偉大な炎』を求めたアトリにアッパーが言った。
『出せないから諦めて次だ。アトリはまだ可能性が残っていて、『偉大な炎』だけが親子と証明できる証じゃないってことを探すんだ』
――今思えばこれは奇跡なのかもしれない。
アッパーが気遣って敢えてアトリに『偉大な炎』の代わりとして目に見える証を探そうと言ったのだが、それ自体かなり難しいというよりも不可能なことはアトリ自身も自覚していた。
だがここに来てアッパーの言葉は思いも寄らない意味となって現れた。
アトリの能力が勝手に風の力を発動し、彼女に襲ってくる攻撃を防御する。
ただアトリは弾幕に集中するだけでよく、勝手に発動された能力はアトリのリソースを割くものではなかった。
(もう見えていた……目の前に証があった……!!)
風の力がまるで輪郭を帯びて女性のような姿を取る。
それはアトリだけ見える姿なのかもしれないが、それがアトリにとって嬉しいことだった。
(いなくなってもずっと私を愛してくれていたんだ……!)
エリーゼの弾幕を受け、その輪郭が抉れてもその女性はアトリを守っていた。
それと同時にアトリの体の中に残っていた暴走薬の効力が減っていき、能力が劣ろいていく。
(ありがとう……お母さん。もう大丈夫だから、これからは私が自分の力で認めさせる)
手を伸ばす。
だがその風に触れる直前にその女性がアトリに振り返り笑みを浮かべたような感覚がすると女性の原型がなくなった。
「くっ!?」
だがエリーゼの弾幕がアトリに着弾するその瞬間、残った風が最後の力を振り絞ってエリーゼの弾幕とアトリを離すように吹き飛ばしたのだ。
「きゃぁ!?」
エリーゼの叫びを聞きながら、アトリは瓦礫の街を転がっていく。
「う……うぅ……」
「はぁ……びっくりしましたわ……ですが、これで終わりですわよ」
地べたにうつ伏せて倒れているアトリに、先ほどの風の爆発から汚れた服を叩き落としながら近付いくるエリーゼ。
これで終わりだという彼女に、アトリの口が開いた。
「……終わりじゃないよ」
「ふん、強情なことで。ですが事実は揺らぎませんわ」
「……お姉様」
「チッ、まだ私の事を性懲りもなくお姉様だなんて――」
「――私、思い出したんだ。あの日お姉様やお兄様と出会った最初の日の事を」
「……え?」
その瞬間、エリーゼの脳裏に過去の思い出がフラッシュバックするがその記憶を頭を振って消した。
「何を……!?」
混乱するエリーゼにアトリはゆっくりと立ち上がる。
「差別のなかったお姉様……あの時してくれた事が私の中でもまだ残ってた」
「くっ風よ!!」
アトリに何か嫌な予感をしたエリーゼは自身に風を纏って後方に移動して、アトリに向けて属性の弾丸を放った。
だがそれと同時にアトリは後方に下がったエリーゼに向けて走り出す。
――そして。
『ラピッド、ブラスト、アサイン』
「『散れ! ブラストレイン』!!」
付与の完了したディディスの音声と共にアトリは、その銃口をエリーゼの弾丸に向けて放つ。
なんと風の爆発によってアトリが転がった先が、紛失していたディディスの場所だったのだ。
「そんな!? 私の能力が!?」
弱くなったと思ったアトリの能力が自身の能力を相殺したという事実にエリーゼは驚愕し、その一瞬の隙がアトリを近付けさせた。
「それでも!」
エリーゼは近付いたアトリに対して再び能力を使う。
かなりの至近距離で、アトリもエリーゼの能力を回避する余裕も相殺する時間もない。
だがその瞬間、アトリに当たる能力を彼女は自身のディディスを使って防御したのだ。
「――なっ」
ディディスが破損してアトリとエリーゼの間に吹き出す煙。
どうやらアトリが事前にディディスに『煙』の属性を込めたことで、破損したディディスから煙が吹き出したのだ。
その余波を受けて咄嗟に更に後方へと下がるエリーゼだが、目の前に現れた人物に目を見開く。
何故ならそこに現れたのは同じく余波を受けてエリーゼから離れるはずのアトリだったのだ。
(足に風の力……それを推進力にして……)
アトリの様子を見て、一瞬の内に答えを導き出したエリーゼ。
「これが私の――」
もうエリーゼに回避する時間は残っていない。
ディディスを破損してもなお、アトリはエリーゼに接近した。
「能力だぁぁぁああああッ!!!」
その手に野球ボールと同程度の大きさを持つ炎を発現させながら、アトリはその炎をエリーゼの懐に叩きつけた。
その瞬間、腹から感じる巨大な爆発の余波と圧力にエリーゼは吹き飛んでいく。
(あぁ……その髪型……まだやってたのね……)
吹き飛んでアトリから離れていく中、エリーゼが見えたのは自身と同じ髪型に同じ髪色をしているアトリの髪だ。
思い出すのはアトリと最初に出会った日のこと。
当時はアトリが『偉大な炎』を出せないという事が知らなく、エリーゼは初めて出来た妹に心から喜んだことがある。
『ねぇアリス、皇族というのはね人々を導かなければならないのですわ』
『分かったおねえさま』
『ふふふ素直ねぇ……。あっそうだ! 実は皇族の女性は皆髪の毛をツインテールにするんですのよ!』
『でもお母さんはやってなかったよ』
『ふふ! やるのは皇帝の血を引く直系だけですわ!』
『へぇー』
『さぁこっちに来なさいアリス。私が結ってあげましょう』
『はーい』
そうしてエリーゼはアリスの髪を二つに纏め始める。
自身と同じ美しい金髪の髪を左右に纏め、縦ロールにする。
できた、とアリスに言い、アリスが頭の重みに違和感があると思ったのか暫く左右に揺れるロールをブラブラさせたが、何か納得が行ったのかアリスがエリーゼに振り向いて感謝の言葉を言う。
『ありがとう! おねえさま!』
『ふふっお揃いですわねー』
(ずっと、やっていたのですね……アリス)
過去の思い出から帰ったエリーゼは、薄れいく意識の中で自然と笑みを浮かべて絞り出すように口を開いた。
――ごめんなさい。
「……――!」
僅かに呟かれた言葉。
だがその言葉は『風に乗って』アトリの耳元に届いた。
「……お姉様」
倒れたエリーゼの姿を見て、アトリはゆっくりとエリーゼに近づいて行く。
その瞳に涙を浮かべながら、アトリはエリーゼの傍で膝をついて彼女の手を持った。
エリーゼの顔は穏やかなものであり、アトリは長年自身を苦しめた出来事から解放された感覚がした。
これにてナガラーシャ皇国編終わり!
というのもお次はナガラーシャ皇国編エピローグを更新して、烏丸家編に投稿していなかった登場人物と今章の登場人物を含めた物を更新して終わりになりますのでその時までよろしくお願いします。




