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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【5章・死刑囚は変わり果てた】
98/282

【5ー1】

【5ー1】


「よう」

「え、あ、……ふ、……伏見?」


非常用階段の陰に居た村山に私は声をかけた。ここに人が来るとは思っても居なかった様で酷く狼狽している。


「……な、なんでここに?」

「私の特等席だから。むしろこっちの台詞だよ」


村山の座っている階段の一段上に腰を下ろす。ビニール袋を漁って村山にパンを一つ投げた。


「うわっ」

「間違ってクリームパン嫌いなのに買っちゃったんだけど、食べてよ」

「え、……い、いいの?」

「あげる。お前弁当捨てられてたし」


気にしてみると村山の受けているイジメは酷いものだった。自転車にチェーン錠なんて可愛いものなのかもしれない。


「あ、ありがとう」

「このメロンパン、中にクリーム入ってないタイプじゃねーか。間違えたぜ」


新商品だったから買ってみたら失敗した。


「メロンパンの中にクリーム入ってないのとか、口パッサパサになるんだよなぁ。ねぇ?」

「ぼ、僕はクリーム入ってない方がす、好きかな。い、異論は認めない」

「中にクリーム入ってないとか、やる気ない商品だと思うよ」


メロンパンの表面の形を作るだけで満足してるんじゃないよ。

仕方ないが、とりあえずかじる。

口の中パッサパサ。


「あ、あの」

「んー?」

「じ、自転車の鍵はどう、やっては、はずしたの?」

「だから秘密だって」

「ご、ごめん」

「魔法みたいなもんだよ」

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