【4ー14】
【4ー14】
「ぼ、ぼくらみたいのは、こう、こうでもしなきゃ、みを、みを、ま、守れないんだぁ!」
何故こうなった。
何故こうなってしまった。
村山が無差別殺人を起こすなんて事態に、なぜ誰もブレーキをかけられなかった。
こいつは、気弱で軟弱で篭りがちで。でも誰かが泣くより自分が泣いたほうが良いとまで言い切れる人間だ。
「……村山、投降しろ」
止めるなら私が止める。
「ぼ、僕は悪くない! 悪いのは、腐った奴らの方だ!」
「投降しろ」
「ふ、伏見まで、そんなこと言うのは、信じられないよ! き、きみだって、こっちの人間だろぉ!?」
「投降しろって言ってるんだ!」
「ぼ、僕は今絶対的なんだ! 口答えするなよぉぉぉ!?」
村山が手を振り上げた。周りの空気を掴む様な動作で淡い緑光が収束する。それは瞬く間に長い刃としての形をとって。
それを村山は振り下ろそうとした。
動けなかった。
「村山!」
後ろから凄まじい力で引き倒されて、私は尾骨の辺りを冷たい体育館の床でぶった。璃瑠が、その私を跨ぐように踏み込んで躊躇なくハンドガンを引き抜く。
乾いた銃声が響いて、思い出したかの様に悲鳴が上がる。仰け反りながら村山は苦痛で顔を歪め身体をかきむしる。
血飛沫はあっという間に血溜まりとなり、村山の流血は制服を汚しながら床の血溜まりへと這っていく。
「璃瑠!?」
射撃姿勢のまま璃瑠は動かなかった。
「何をしてるんだよ!?」
「美樹さんが危険だと判断したからです」
「もっと上手い方法があるだろ!?」
「これが最善です」
村山が苦しそうに身体を丸めた。うがいの様な音を喉がたてて、血溜まりの上で足をふらつかせる。
村山は操り人形の動作で振り返り、歩みを進める。芯の定まらない歩き方で出口から出て行こうとする。璃瑠がハンドガンを構えたまま、それを追おうとした。
それを私は掴んで止める。
「待て、璃瑠! あいつを撃つな!」
「美樹さんは殺す人間を選ぶんですか!」