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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【4章・審判は下された】
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【4ー9】

【4ー9】


リノウムの床の上は思ったより音が響く。

学校の廊下を足音なんて気にして歩くことになろうとは思ってもいなかった。ここに戻ってくるとも思わなかったが。


「どうしますか、犯人の所在は不明です」

「出来れば騒ぎ立てたくないから、集団に突入は無しだ。なるべく隙をつきたいし」


相手の実力は不明。この結界が5ナンバーかも不明。


「ここは一階の廊下だから、教室は無いけど事務室と保健室はある。ひとまず誰か居ないか探して回る」

「そうですね。学生を集めておくなら、恐らく体育館でしょう。逃げ出そうとした生徒が居ましたから、何処かに隠れている可能性もあります。

美樹さん、狙撃用バレル持ってきて居ますか?」

「持ってるよ」


事務室には誰も居なかった。慎重にドアを開けて損した。保健室に向かってみる。ドアを開けると消毒液の匂いが鼻をついた。鼻腔を拡げたのでないかというほどに消毒液の匂いは鼻に通ってくる。

だが、その強烈な匂いの中に確かに違うものを感じた。

結論から言うと保健室にも誰も居なかった。

死体が二つ転がっていたが。

それらを見て璃瑠は不機嫌そうに舌打ちをした。

学生と保険医か、無差別なものと見ていいだろうか。


「お知り合いですか?」

「保険医の方は知ってる。保健室世話になったことないけどさ」

「感傷は禁物です」


どちらの死体も、背中の衣服が破れ切り傷のようなものがある。傷口は焼けただれているが焦げてはいない。

深い傷ではないので、もう一つの刺し傷が致命傷になったようだ。


「深さの割には傷口は綺麗です。鋭利な刃物でないと不可能ですね」

「魔法か」

「恐らくは」


ただ、と璃瑠が続けようとした時、物音がした。

即座にその方向に黒蛇を向ける。璃瑠に顎で指示する。ゆっくりと保健室のベッドのカーテンに手をかける。

合図と同時に璃瑠がカーテンを勢いよく開けた。

銃口を向けた先に見知った顔があって私の手は止まる。


「ふ、伏見さん……?」


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