【4ー7】
【4ー7】
何処から調達してきたのかは知らないが、東京都立西部区第三高校の制服を二着持ってきたので私と璃瑠はそれに着替える。
カムフラージュ位にはなるのだろうか。
あぁ、下には防弾チョッキは着てるけれど。
犯人の所在は分からないが、恐らく校内の何処か。校舎裏の通用口から侵入する事にして、そこまで近い高校の自転車置き場に回った。
柵の辺りに手を伸ばすと、何も見えないが何かにぶつかった。目を凝らすと光が少し歪んでいる。
ガラスの様だ。
これが結界である。
「私と璃瑠が通れる位の穴を結界を崩壊させて作る。自動的に結界が修復する可能性もあるけど通過するには十分な時間がある筈だ」
黒蛇を肩に担ぎなおすと、一歩前に出る。
空間じゃない。そこには確かに魔力の結合がある。そしてそれからなった物質がある。
左手を顔の横に持ってきて肘を突き出す。
眼の裏側に力を込めるように。
脳が沸き立つように。
私を生温いような冷たいような感覚が包み、魔力がみなぎるのを感じる。それが登ってきて私のこめかみの辺りを刺激する。
歯を食いしばる。激動が身体の内側から連打するように響く。
「5.02B-Xスライドシフト」
左手を横に振り切る。視覚に膨大な情報が流れ込んできて、私を通過する。
狙いを定めた辺りが揺れ動くのが見えて、古い映写機のように風景がブレる。幾つもの線が縦に筋を入れて、景色が二重三重になり重なりが崩れる。
目の前の透明な壁の一部が崩壊した。
触れる事なく結界の一部が崩壊した。
空いた隙間から私と璃瑠は身を潜らせる。
中にはいると空気が少し変わったように感じた。
狭山に振り返り敬礼をする。
「健闘を祈る」
「検討しとくよ」
「見当違いですね」