【4ー6】
【4ー6】
「悪いように取るな。期待しているわけだな。昨日の戦闘で上層部は魔法使いの有用性を見直し始めているんだな」
「何にせよ、私たちのやる事は変わりません。内部に突入し、犯人を確保します」
璃瑠の言葉に頷いて、狭山は高校内の見取り図を広げた。
勝手知ったる場所だ。
犯人の目的は不明。殺害した人数も不明だが、目撃証言がある。結界に阻まれて逃げようとしても動けなかった生徒を殺害したらしい。
少なくとも、十五名。
今だその死体は結界で阻まれなければ手の届く距離に倒れているらしい。
璃瑠が舌打ちをした。
結界は無色透明だ。しかし前述の死体以外、中の様子は分からないらしい。
窓にはカーテンが閉められ中から人が出てくる様子も無いと。犯人が恐らく脅しをかけていると思うが。
犯人は男子学生というのは分かっているが、個人の特定までは至っていない。
「人質の生死、犯人の生死も問わない。魔法を目撃されても構わん。何としてでも犯人を確保しマスコミが嗅ぎ付ける前に解決しろ」
たった二人でか。むしろ動きやすいともとれる。
校内なら記憶が定かだ。
璃瑠が聞く。
「結界の突破方法はどうするんですか?」
「爆弾かロケットランチャーを考えたが」
「私がやる。下手に派手な事をして刺激したくない」
璃瑠が不信そうな顔をした。
「だからどうやって」
「私の5ナンバー実演するよ」