【4ー1】
【4ー1】
「美樹さん、死んでください」
「やり過ぎだよ!?」
「問答無用です」
六課の冷蔵庫に入っていた高そうなプリンを堪能していた所、璃瑠に殴りかかられた。
とっさに顔を庇ったが普通に痛い。
というか、女の子の顔を狙うか、この非道。
「よくも私のプリンを食べましたね!」
「痛い! ちょっ、璃瑠は全身凶器なんだからちっとは加減しろ!」
「誰が全身凶器なんですか!」
鋭い蹴りが飛んできた。事実ではないか!
椅子から転げ落ちると、璃瑠が執拗に脛を蹴り続けてくる。弁慶も泣くわ、こりゃ。
「分かったわたしが悪かった! だから蹴るな!」
そんな私達を見て課長と八坂は談笑している。
和やかな場面じゃないからね、そんな場面じゃないからね。
「分かっただけですか」
「……プリン買ってきます」
私の事実上の敗北宣言に璃瑠は満足そうに頷いた。暴力による解決は何も生まないと思うのだ、私は。
あとプリンくらいいいじゃねーかー。
課長が私達のやり取りが終わったのを見て近づいてくる。
「さて、そろそろ話を聞いてもらえるかな」
課長に手を貸して貰って立ち上がる。
脛が、痛い。
「なんすか、課長。私プリン買いに行く任務があるんすけど。あと領収書の宛名って公安六課で良いんすかね」
「経費で落ちるわけないでしょ」