【3ー14】
【3ー14】
「痛ってぇ」
私は気付くと床の上で寝かされていた。
天井に空いた穴から黒く汚れた雲が見える。
身体が重たくて動かすのが億劫なので寝たまま私は周囲の状況を把握しようとする。
横に誰かが座っていた。
「気がつきましたか?」
「璃瑠か、どうなってんだ」
璃瑠の声が横からした。頭を動かすと璃瑠の顔が見える。私を覗き込む璃瑠の顔が泣きそうな表情にとれて、腕を伸ばす。
私が右手を璃瑠の頬に添えるといつもの璃瑠なら払いのけるのに、今はその限りでなかった。
「撃たれたんです。防弾チョッキでたいした怪我でもないですが、その後のスタングレネードをモロに食らったのでその影響で気絶したんですよ」
「何分くらいだ」
「三分も経ってないです」
「スタングレネードで三分も気絶する方がショックだよ」
半身を起こして確認すると防弾チョッキの一部が避けていた。チョッキを脱いで上着を外して見ても内出血だけだった。
全身打ち身と擦り傷くらいなもので、たいした事が無い。
「あいつらは」
「すみません、逃がしました」
「そうか」
改めて周りを見ていると騒がしく回収班と救護班が走り回っていた。
半壊した倉庫を見て、文字通り無茶苦茶だと思った。
この怪我で済んだのは奇跡だな、私。
「なんだよ璃瑠、泣きそうな顔して」
「美樹さんがあんまりにも不甲斐ないから、涙が出てきたんですよ」
「お役に立てずに申し訳ありませんねぇ」
「ふざけないでください。……心配してるんですから」