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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【3章・運命は輪となった】
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【3ー13】

【3ー13】


バチン!と、何かが切れる音がした。そして鉄と鉄がこすれる様な音が続き、何かを軋ます。

そして、空虚だが巨大な音が上がった。


「!?」

「佐樹ちゃん! 上!」


四人の居る地点の真上の天井の鉄筋の一部がその重さによって周囲の鉄筋との結合を離れ、ずり落ちている。一本だったそれは、崩れ始めていた。

引っかかっているせいか、ゆっくりと。

しかし、鉄筋の一部はガコン、と音を立て一気に崩れ落ちた。


落下する先は四人の居る地点。


梨花が危険と判断し佐樹が魔法を解除する。その瞬間に今までかかっていた重さが消えた。四人はその場を一気に散る。

鉄筋が床に派手な音を立てて落ちた。あまりの勢いに音が質量を持ったかのように響する。細かい破片が飛び散る。

鉄筋の落ちたその衝撃に隙を見せた佐樹に向かって、その機を待っていた璃瑠が飛び出す。


「璃瑠!」

「はい!」


璃瑠が一気に距離を詰める。佐樹が振り向き様に引き金を引くも、放った弾丸は璃瑠の盾の様に構えた辻風に弾かれた。佐樹が地を蹴って飛び退き距離を取ろうとするも、その距離さえも璃瑠は一気に詰めた。

佐樹の懐に飛び込み辻風を腰の辺りから身体を回転させながら振り切る。鈍い音。空を斬るのではなく、抉るような一撃は寸分の猶予も与えなかった。直撃した辻風の勢いに呑まれて佐樹の身体は吹き飛んだ。

そこを狙って美樹は黒蛇を構える。


「3.02A-02D:2.0ーー」

「させない!」


美樹が佐樹をロックした瞬間に梨花が真上から強襲した。飛び込みと同時に振り下ろされた叢雲の一撃を魔力盾で受け止めるも、受け流せずに吹き飛ぶ。吹き飛ばしから華麗に連射まで梨花は放った。

二発の銃弾が光を散らし飛翔する。

防御が間に合わず一発が腹を掠め、もう一発が直撃した。


「ぐっ」

「美樹さん!?」


佐樹の元に駆け寄ろうとする梨花を璃瑠が追い詰める。地を蹴って飛ぶ様に走る。

それを見て梨花はその場で踵を返し魔法を発動した。


「3.02B-01Cスタングレネード!」


梨花が、白光の球体を空中に生成し放り投げた。気の抜けるような軽い音。そして、何かがはまる様な音。

梨花に近い位置に居た璃瑠が咄嗟に身を伏せる。

倉庫内を炸裂音と閃光が包んだ。

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