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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【3章・運命は輪となった】
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【3ー8】

【3ー8】


魔法使いという定義は簡単だ。

魔法が使えればいい、もしくはその才能があればいい。

だが、いまこの場にいる魔法使いはそんな定義によって魔法使いとされた烏合の衆とは次元が違った。


魔法によって歩兵は大きく姿を変えた。近代戦は、新たな時代を迎えた。

それを体現している魔法使いが目の前にいる。


「佐樹ちゃん、あたしが前に出るから援護して!」


佐樹が射撃しながら後退し、それを回避しながら距離を詰めようとする璃瑠に梨花がぶつかっていく。

梨花のWIECSは、銃と呼ぶにはあまりに特異すぎた。

グリップの上下に刃のようなもので形成されている。剣を二つに割りその間にグリップと銃座を挟み込んだと形容できる。

叢雲(むらくも)。近接での射撃手の脆さを解決するために銃に剣としての性能を乗せたWIECS。

それを振りかぶり璃瑠のところに一気に距離をつめる。

魔法の補佐によって数メートルの距離を一気に接近戦の距離へと変える。


「えぇぇい!」

「ーーっ」


璃瑠は辻風を逆手に持つと梨花が振り下ろした叢雲の一撃を受け止める。散った火花の中で璃瑠は叢雲を受け流すと一気に梨花の懐に飛び込む。得物が大きすぎる為に微妙に遠い互いの距離を更に詰めた璃瑠に梨花は動揺する。


「ーーっ!」


梨花は飛び込まれたので、叢雲で切り返そうとするも璃瑠は剣を振るより早くステップから身体を勢いよく捻った。左足を軸に右足を蹴り上げる。璃瑠の回し蹴りは梨花がとっさに張った魔力の盾に阻まれた。梨花の前で幾何学模様が描かれそれが盾として具現する。それをものともせずに身体をさらに回し辻風を魔力盾に押し込む。その重量からの一撃は、盾の上からも梨花にプレーシャーを与えた。

梨花が手を裏拳の要領で手を横に振り切る。辻風を防いでいた盾が消え、梨花が飛び退くと辻風が床を抉った。飛び退いた隙をついて璃瑠は踏み込もうとしたが、それは佐樹の射撃に阻まれる。


ハンドガン二丁の連続した魔力弾をしゃがんで避けると、背中を熱が撫でた。奥歯を噛み締める。

その隙を突かれた。


「そこ!」


飛び退いて着地した梨花が体勢を整えると再び叢雲を構え直す。刃の刀身を水が流れ落ちて行く様に光の粒子が撫でる。それを振り切り梨花の姿が消えた。

璃瑠が辻風を真後ろまで振り切る。一瞬で後ろをとった梨花の一撃を受け止める。ぶつかり合い離反した叢雲と辻風は行方を失い間延びした動きを見せたが、それを二人は引き戻し再び叩きつける。

かち合った振動が指先から手の平から、足のつま先まで伝わる。

それを無視して璃瑠は踏み込む、突如梨花は叢雲を引いた。勢い余った璃瑠は一瞬姿勢を崩す。そこを狙い姿勢を低くしながら梨花は剣を横薙ぎに振り抜く。

璃瑠は左足を大地に叩きつけ浮かした身体を空中で捻る。視界の端に叢雲の横薙ぎの煌めきが走る。


叢雲の低い位置の撃を躱すと着地と同時に璃瑠は右足を蹴り上げる。掠めた音がしたが虚しく空を蹴った。辻風を振り切る。それを叢雲でいなして梨花は叢雲を引き、顔の高さで構えると突く。

それを魔力盾を張った左手で璃瑠は叩き落すと、更に一歩踏み込む。璃瑠が飛び込む様に斬りつけるも梨花は引き戻した叢雲で防ぐ。


梨花は歯ぎしりをする。

璃瑠の戦法は接近戦なんてものではない。まるで密着させようかというほど距離を詰めてくる。巨大な得物を持ち腕力にものを言わせて斬りかかってくる立会いだが、絶えず蹴りを中心とした格闘にリソースを残している。

小柄な体格だからこそ、懐に潜られる危険性を常に意識させる。

潜られれば、互いにリーチのある得物同士だからこそ璃瑠が一気に流れを持って行ってしまう。小柄な体格から速い格闘が飛んでくる。


近付かれれば近付かれるほど、佐樹の援護も撃ちづらい。かといって梨花が距離を離せば至近距離での立ち回りに不安の残る佐樹への接近のチャンスを増やしてしまう。

ならば。


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