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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【3章・運命は輪となった】
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【3ー7】

【3ー7】


靴が床を叩く音を心の音が追い越して。自分の影が揺れる度に気持ちは跳ね上がりそうになる。呼び続ける無線の声に答える者など居ない。ただ無機質なノイズが指令の声に重なるだけであった。

それが意味する物など一つしかない。


C5に突入した。


C5に入る事で空間は遥かに広くなったが視界は狭まった。焦げた煙が蔓延し、大量のコンテナが瓦礫とかしている。その先に璃瑠が見たのは多数の人間が倒れている映像だった。

βチームと、武装グループと思われる死体が転がっている。

相討ちかと思ったが違う。

武装グループの死体は時間が経っているように見える。


「佐樹ちゃん、ま、また増えたよ」


死体の中に、ただ二人だけ立っている人間が居た。黒煙の中、瓦礫の中。


中学生か高校生にしか見えない。

だが、この状況で。

彼女達は。

絶対的な強者として。

立って居た。


「客人の多い日のようね」


佐樹は突入してきた集団の中に見知った顔があって舌打ちをする。落合璃瑠がいる。屋内戦だと厄介だ。


佐樹が両手に一丁ずつ持ったハンドガンを璃瑠に向ける。照準の向こうに璃瑠の姿を捉えて引き金を引く。その手の中のハンドガンが跳ねた。紅い光芒が大気を裂きながら直進する。

璃瑠は脚力の限りで地を蹴る。コンテナの上まで一気に飛び上がり弾丸を回避する。


「αチーム散開して当たれ!」

「遅い」


佐樹が両腰から二つ提げた長いレールのような物にハンドガンを直結させた。

そしてそれを持ち上げ構える。


佐樹のWIECS、星砕(ほしくだき)

ハンドガンの持つ傾向性と取り回しの良さの反面、威力にかける欠点を補う為にレールのような巨大な拡張バレルにハンドガンを接続することで一時的に瞬間的な火力を高めることを目的としている。

接続時のみであるが、ハンドガンは携行砲台並みの火力を得る事ができる。



「3.02A-05Mインペリアルバスター」


佐樹は終わりの代わりに魔法名を告げる。その言葉は静かな波紋を呼び、重なり広がる。それは大気の振動へと代わり、星砕は呼応する。

光の線が佐樹に雨の様に降り注ぎ一瞬で消える。その瞬間に引き金を引いた。バレルが一筋の線を撃ち出す。それが光の粒子へと変わり、それを追うように膨大な光芒が大気を呑み込みながら爆風を巻き上げる。激流、魔力の膨大な塊は何物も防ぐ事など不可能だった。

魔力砲撃。

悲鳴はその光芒にかき消された。


爆風が璃瑠の髪を巻き上げる。風の音が耳元を去っていく。動から静へ。

砲撃は跡形もなく一瞬で静の世界を作り上げた。


世界の中心で佐樹は憂鬱そうに髪を揺らした。


「砲撃魔法……」

『璃瑠! 状況はどうなってんだよ』


美樹の声が無線から聞こえた。務めて平静に璃瑠は応える。


「敵魔法使い二名によりα、βともに全滅。これより私は敵殲滅に移ります」

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