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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【1章・少女は欺いた(前編)】
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【1-6】

【1-6】


 入間佐織が失踪前に旅行カバンのような荷物を持っていた。

 準備があったのなら何らかのアテがあったのだろうか。

 私は関さんに聞く。


「家出ならぬ寮出だとしたら関さん、入間沙織に親戚は? ここから行けそうな距離で」

「そこまでは……ちょっと分かりませんね」


 聞き込みの段階で薬師寺早苗から入間沙織に会ったときに大きな荷物を抱えていたという証言は出ている。

 それで当初は家出だろうということで決まりかけていた。

 しかし、学園から秘密裏に出ることが不可能。理由を見当たらない。行きそうなアテには居ない。

 と、それらの理由からいつの間にか彼女は消えたとされていた。


 はい、そーですか。ではさすがにすまないわけで。

 通常の捜査では解決できない事件を扱うのが六課であるが、通常の捜査では解決できないと最終的に判断を下すのも六課である。


「外出時には行き先も書くんでしたっけ」

「ええ」

「入間沙織の今までの外出先調べさせてもらっても?」


 とりあえずは入間沙織の行き先を考えよう。見落としがあるかもしれない。

 薬師寺早苗と携帯電話の番号を交換しておく。

 それが終わって私は立ち上がった。それを引き止めるようにして薬師寺早苗は私に聞く。


「刑事さんはー、サオリンは家出だと思ってる?」


 薬師寺早苗の問いに私はちょっと悩んだ。


「思ってるよ。消えたっていう答えじゃ給料も出そうにないしな」

「じゃあ一緒だー」


 薬師寺早苗はうれしそうに笑った。屈託の無い笑みに一瞬驚く。


「?」

「サオリンは家出だと思うよー。消えたなんてありえないもんね」


 ば、……あほ、……少し抜けていそうな子だと思っていたが、案外冷静なのかもしれない。

 ルームメイトだから入間沙織の機微を感じ取っていたかも。

 ただ、話を聞く限りそこら辺を聞き出すのは骨が折れそうだ。

 薬師寺早苗は立ち上がった私を見上げながら笑う。


「だから刑事さんたちは、学園内より早く外を探した方がいいと思うな」


 気のせいか、薬師寺早苗の言い方に何処と無く棘を感じた。


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