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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【3章・運命は輪となった】
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【3ー2】

【3ー2】


東京都大田区に存在する巨大倉庫群。海流物産をはじめとした貿易会社等の保有する倉庫が立ち並ぶ一画である。

その地図が巨大なプロジェクターに映し出される。

数えてみるとミーティングルームには20人弱確認できた。

結局、璃瑠を説き伏せて私達は六課の対テロ班に合流したのだった。


プロジェクターの前で立って説明をしているのは六課の柳沢(やなぎさわ)である。聞くところによると恐妻家らしい。テロリストより妻の方が怖いとは世の中分からないものである。

ワイフが怖イフ。

口には出さないことにする。


「武装グループのアジトは倉庫区のC4とC5。

このC4とC5は連結している。C4とC5の突入可能経路は三箇所、突入班は12名を三つに分け時間差での突入を行う。

武装グループの人数は最低10。魔法使いの有無は不明であるが、魔法研究を行っていたという話もあることから2、3は居ると思われる」


倉庫内の見取り図に映像が切り替わった。


「αチームは正面、βチームはC5側から挟撃する形で、γチームは制空権を取り援護に回れ。αには6名、βには4名、γには2名を振り分ける。

作戦開始は今より一時間半後の13:00。

20分後に地下駐車場に集合。以上」


席から立ち上がると璃瑠に声をかける。


「璃瑠は正面突入か。気をつけてよ」

「プロを舐めないでください。美樹さんこそ、γが敵を逃したらお終いなんですから逃がさないでくださいよ」

「まぁ適当にやるさ」


装備を取りに行くとするか。

そう決めてミーティングルームから出て行こうとすると呼び止められた。


「おい、そこのちっこいのと馬鹿そうなやつ」

「へい?」


馬鹿そうなやつ、に心当たりは無いがちっこいのと言うと璃瑠しかいるまい。呼び止められた方を見ると先ほどまで作戦の説明をしていた柳沢がいた。

璃瑠の表情が苦いものに変わった。


「お前が伏見美樹か」

「そうかと言われれば、そうだよね」


まあそうとしか言いようがないよね。

別にモノマネとかじゃないよね。

柳沢の顔が楽しそうなものに変わる。


「本当にちっこいのが誰かと組んでいるとはな」

「お久しぶりです、柳沢班長。今は係長でしたか」


ちっこいのと呼ばれているから璃瑠の機嫌が悪いのか。

てか、あれ? 私が馬鹿そうなやつ、ってことなのか。


「久しいなちっこいの。そう嫌な顔をするな。ただお前と組んでいる物好きの顔を見にきただけだ」


柳沢はそう言うと私に手を差し出す。私が手を握ると力強く握り締められた。


「柳沢だ」

「伏見美樹っす」

「六課の捜査班の協力を感謝する。活躍を期待する」

「足を引っ張らない程度には頑張るつもりすよ」


後ろ髪とかは引っ張るかもしれないが。

柳沢が手をほどくと言った。


「それと、ちっこいのと上手いことしてやってくれ。根は良いヤツだから」


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