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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【2章・隠者は待ち続けた(前編)】
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【2ー11】

【2ー11】


慌てて走ってきたホテルのスタッフを璃瑠が呼び止める。警察手帳を見せてがなる。


「警察です、事件の可能性があります。この階に宿泊中の部屋のチェックと至急マスターキーを!」

「は、はい!」


私は部屋に戻るとケースから持ってきていたハンドガンの「H&K MARK 23 SOCOM」を取り出す。


ドイツ製の公安六課標準装備である。

フラッシュライトとレーザーサイトを備えるレーザーエイミングモジュールており、全体的に四角に近い。


グリップを握り弾倉マガジン安全装置セーフティを確認すると廊下の璃瑠と合流する。


「302号室、304号室から人が出てきましたが、中を確認してから室内に戻しました。他に外に出た人間はいません」

「本当にこの階なのか」

「私の聴覚を舐めないでください」


ホテルスタッフがカードキーを持って戻って来た。息切れと慌てているせいかろれつが回っていない。スタッフが私の持っているハンドガンを目にして息を呑んだ。

彼にはこの状況が分かっていないのかもしれない。銃声だと実感はないだろうし、むしろ警察手帳を見せられて事件だと言われた方が衝撃的であろう。


「チェックインされている部屋は302、304、306、309です」


306号室は私達の宿泊している部屋なので、残るは309号室だけである。


「璃瑠、309からは?」

「誰も出てきていません」


私はスタッフからひったくるようにカードキーを受け取ると309号室まで駆ける。マスターキーで309号室のロックを解除する。

安全装置を解除して、撃鉄を引き倒す。璃瑠がドアの右手につくと、私に頷いた。呼吸を一つ置いて、目で返事をする。


「突入する。1、2、3!」


璃瑠が一気にドアを開けると私は身を滑り込ませる。それに璃瑠が続く。引き金に掛けた指先から緊張感が伝わる。


部屋は洋室で、少人数用の部屋らしくドアを開けるとすぐにベットルームが見えた。

その手前にバスルームとトイレのドアがあり、ドアを開ける。


「クリア」


誰も居ないのを確認してベットルームの手前まで先行した。


右手を突き出し、左腕は引くように曲げ姿勢を低くしながら銃口を前に向け部屋に飛び込む。

シングルベットの上に、キャリーバックが無造作に上げられており、中身が散乱していた。

その荷物に赤い何かが飛び散っているのが見える。

嗅ぎ慣れた臭いがする。


ベットの端から人の足が見えており、向こう側に誰かが倒れているのが分かった。

私はゆっくりとベットの向こう側に回りこむ。倒れているであろう場所に銃を向けたまま。


「久米川さん!?」


身体を歪ませて、血溜まりの上に仰向けに久米川が倒れていた。

血はまだ乾いていない。


傍らに黒光りする拳銃が落ちており、室内には血の臭いに上書きするように火薬の臭いが充満している。


「璃瑠、救急車と警察を」


これは助からないだろうが。

既に絶命した久米川の前で私は手を合わせた。

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