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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【2章・隠者は待ち続けた(前編)】
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【2ー8】

【2ー8】


「数字も視点をずらせばいくらでも嘘をつきますけどね」

「璃瑠よりマシだな」

「美樹さんに言われるくらいですからね」


部屋にもどって久米川の話をすると璃瑠はつまらなそうに言った。休暇だからヤル気がないのは分かるのだが、もう少し真摯にならないものか。


「美樹さん、久米川さんの件に首突っ込むんですか」

「私になんか出来ると思う?」

「無理ですね、元々何も出来ない人ですけど」

「失礼な、なんか出来ることくらいあるよ、ポーカーとか強いよ」

「知りませんよ」


璃瑠のいう事はもっともだ。私が協力出来る事はない。

いやでも、ほっとけない空気を出してるんだよなぁ。


「まぁ、応援くらいしか出来ないな。そういや璃瑠、今は何時?」

「四時半です。夕食は六時半からですよ」


とりあえず、お風呂に入ってから何をするか考えようかしら。


「じゃあひとまず温泉にでも入るか。璃瑠行こうぜ」

「りょーかいです」


ホテルの地下一階の温泉に着くと下井に出くわした。


「てめぇはさっきの」

「その節はどーも」


久米川の事を連れ戻しにきた筈だがちゃっかり温泉に入っていくようだ、浴衣に着替えているのですっかりバカンス気分か。


「あんた久米川さんを連れ戻しに来たんだろ?

温泉なんて入ってていいのかよ」

「あのおっさんが自分から帰るって言うまで根競べだよ」


ずっと下井が居るなら久米川なら怯えて音を上げそうである。


「おっさんの事なんかなんだっていい、てめぇに言っておきてぇ事があったんだよ」

「なにさ」


こんな奴の話は聞きたくもないのだが、聞かなかったらどうなるか分からない。

如何にもな悪人面してやがる。


「猫耳は俺も好きだ」

「あんた、案外いい奴だな」


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