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【2ー5】
【2ー5】
久米川と別れて私達は部屋にはいる。和室のこじんまりとした部屋で荷物をすみに下ろす。
「このシミ落ちるんかなぁ」
「美樹さんの人生の汚点くらい頑固そうですね」
クリーニングサービスなんてこのホテルにあるのだろうか。
ひとます脱ぐ事にする。
グレーのニットにいかにもといったコーヒーのシミが付いてしまった。
「なんだよ璃瑠、あまり見るなよ恥ずかしい」
「み、見てません!」
顔を真っ赤にしながらソッポを向いた。今日の璃瑠は調子が狂う。
「ここ、クリーニングサービスなんてあんの?」
「あるみたいですよ」
案外すごいホテルにきてしまったようだ。
「じゃあ、ちょっとフロントまで行って来るよ」
「着いていきましょうか?」
「大丈夫だ、問題ない」
「迷子にならないで下さいね。オートロックじゃないので帰ってきたら勝手に開けちゃってください」
開けっ放しで大丈夫なのか。
まあ璃瑠が大の男三人に襲われたとしても負けるとは思えないが。
「オートロックじゃないのか、分かった。行ってくるよ」